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    チャイコ

    MEMO前にリーバルが人の感情が見えるようになったという話を書いたのですが、色々あってリンクが人の心が見えたバージョンも少しだけ書いてました。
    久しぶりに思い出したのでリーバルも出てきてないですし数百字ですけどせっかくなんで供養としてアップしておきます。書いてて「これはアカン」と思ってやめました。
    でもマジでアップするほどのものでもないですね…。
    無題 朝起きると、人の感情が見えるようになっていた。

     
     その日、宮廷服に着替え自室を出た俺を待っていたのは、頭にハートを浮かばせた人々の群れだった。武官も文官も女官も小間使いも、老いも若きも性別も関係なく、頭の上にハートを浮かばせている。
     あまりの光景にそこらの小間使いを捕まえ「君は何を頭の上に浮かばせているんだ」と訊こうとしたが、すぐに思いとどまった。もしこの現象が俺だけにしか起こっていなかった場合、そんなことを訊けば「退魔の騎士発狂せし」の噂が瞬く間に広がりかねない。それなら、今日まで築いた俺の地位はすぐに崩れてしまうだろう。
     それだけは避けねばならなかった。
     異常事態が発生し内面の感情が昂ぶるほどに反して無表情になるのが俺という男らしい。自室の扉の前で数秒立ち止まっていた俺は、すぐさま執務室に向かった。恐らく、俺の内面の動揺など誰にも気取られていないだろう。
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    MOURNING真→柳に気付く仁王。

    自解釈真→柳は、言葉にしたりわかりやすく行動で示すというよりは、「どんなものを美味しそうに食べていたか」「どんな時に楽しそうにしていたか」「どんな時に胸を痛めていたか」をよく見ていて覚えているという感じです。普段は鈍感かつわかりにくーい男なのですが、いざというときには、柳が必要な言葉、行為で思いを示してくれます。ふとした瞬間に漏れちゃうこともあります。それが書きたかった。
    真柳習作「アイス小夜曲」アイス小夜曲

     「おい、仁王。寄り道はよさんか。」
     幸村の見舞いの帰り道、ふらふらとコンビニの方へ歩いて行った仁王を注意する。真田が己の奔放な振る舞いに突っかかってくるのはいつものことなので、今更気にも留めない。空は徐々に黄金色になる兆しを見せているというのに、太陽から、地面から、熱がじりじりと全身を焼き付ける。少しは涼まないとやっていられない。
     仁王は、振り向きながら、舌を出す。
    「お前さんもはしゃいどったじゃろ、”こおり”。」
     幸村から部員へのアイスクリームの差し入れがあったのはつい先日のことである。灼熱の中、ひんやりとした甘さが極上であった。通常ならば、部活中の間食に注意をしそうな堅物たちも、アイスクリームの前では心がどろどろに溶けているようだった。浦山をみて、ソフトクリームのことを考える柳生の愉快な顔が思い出される。そして、アイスクリームが届くや否や、一番に飛びついたのは真田と柳ではなかったか。
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    namae_ha_niwa

    MOURNING煙戦争後、G社から放逐された代理グレゴールが、身ひとつでN社大槌ムルソーを尋ねて三千里をし、そのままN社所属になるシリーズ(2作目)です。
    書いちゃったから存在シリーズになっちゃったよ。

    前の「信仰の最後尾」より時系列は早いです。
    NGムルグレなんですけど、ムルソーほぼ出てきません。グレゴールと握シンが喋っているだけ。
    世界からグレゴールに対する好感度が高めです。
    正解は怠惰の色 それは、偶然に偶然が重なった結果起きた出会いだった。彼らはどちらも、そんなところに一人でいるような人物ではなかったからだ。片方は、握らんとする者・シンクレア。“釘と金槌”の名目上のナンバーツーであり、実質的にはこの組織のトップであるファウストに握られている幼い釘だ。そしてもう一方は、旧G社からこちらに移ってきたグレゴール。彼は、“釘と金槌”の幹部の一人である大槌・ムルソーの恋人であり、所有物だ。
     大槌の所有物とはいえ、加入したばかりの木端構成員であるグレゴールが、握る者の期待と執着を一身に受けるシンクレアと個人的に会話するなど、通常では考えられないことである。ただ、その日はたまたま、夜間の浄化行軍に備えて休んでいるはずの昼間に目が覚めてしまったシンクレアが、“釘と金槌”宿舎の敷地内で一人になれる場所を探していたところ、暖かな陽だまりを求めて同様に敷地内を徘徊し、屋外の植え込みのところでうとうととしていたグレゴールを発見したのであった。
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