文アル
nanana
PAST文アルでマリみてパロ【姉妹】:学園生活を規律正しく円滑に過ごすために、指導者役になる上級生が下級生と「姉妹」になる。上級生、下級生いずれも1対1で行うものであり、複数の「姉」、「妹」を持つことは出来ない。
【山百合会】:生徒会。選挙で選ばれる役員は紅、白、黄の3人の薔薇さまだけだが、3人だけでは手が足りないため、手伝いとして妹である薔薇のつぼみ、さらには薔薇のつぼみの妹が常時働いている
マリみてパロ詰め1.多喜啄
たきじ(1年)とたくぼく(3年紅薔薇様)
「あ」
とお互いに声が出た。
いつものように昼休みに聖堂の隅にある小部屋に逃げ込もうとした時の事だった。そこは何に使っている部屋なのかはよく知らない。知っているのは小さい部屋で滅多に人がこず外にも声は響かないということだけ。誰もいないだろうと信じ切って開けた部屋に先客がいたのだ。
相手の顔は酷く狼狽していた。一年生だろうか、見たことのない顔である。癖のある柔らかい猫っ毛が肩のあたりから伸びている。床に座り込んでいるからよくわからないけれどやたらと手足がすらりと長い。綺麗な足をしているなと助平親父のような事を思った。
「先客か?悪い、出ていくから」
先客がいたのなら仕方ない、出ていこうと背を向ける。こんなところで何をしていたんだろうと聞きたい気持ちもあったけれど、初めて会った下級生に尋ねるなど自分のお姉様のお姉様にあたる先々代の赤薔薇様でもあるまいし聞けやしない。
8364たきじ(1年)とたくぼく(3年紅薔薇様)
「あ」
とお互いに声が出た。
いつものように昼休みに聖堂の隅にある小部屋に逃げ込もうとした時の事だった。そこは何に使っている部屋なのかはよく知らない。知っているのは小さい部屋で滅多に人がこず外にも声は響かないということだけ。誰もいないだろうと信じ切って開けた部屋に先客がいたのだ。
相手の顔は酷く狼狽していた。一年生だろうか、見たことのない顔である。癖のある柔らかい猫っ毛が肩のあたりから伸びている。床に座り込んでいるからよくわからないけれどやたらと手足がすらりと長い。綺麗な足をしているなと助平親父のような事を思った。
「先客か?悪い、出ていくから」
先客がいたのなら仕方ない、出ていこうと背を向ける。こんなところで何をしていたんだろうと聞きたい気持ちもあったけれど、初めて会った下級生に尋ねるなど自分のお姉様のお姉様にあたる先々代の赤薔薇様でもあるまいし聞けやしない。
kanjukupome
MOURNING出られない部屋のドストルバレンタイン朝まで出られない部屋に閉じ込められたドストル……まぁ今回はそういう部屋じゃないけど入れられたらそうなるよね~
(ペン入れ終わった時点で見返して恥ずかしくなったので色は塗らない……) 5
ななめ
DONE言紡弐で展示していたお話です。800字小説……といいつつ、ちょっとオーバーしてました。800字に納めるの難しい!カプなし・ほのぼのです。やさしい羽【中里と新美】「中里さん、図鑑を見せてください」と南吉が言った。私は快く承諾して、南吉を部屋へ招き入れた。
「どの図鑑が見たいのかね」
「あのね、鳥さんがのってる本が見たいの。鳥の羽根を拾ったから、どの鳥か知りたいんです」
なるほどよく見れば南吉の手には小さな羽根が一枚握られている。三寸ほどの茶色い羽根だ。私は彼を椅子に座るよう促して、図鑑を取りに本棚へ向かった。背中越しに南吉に尋ねる。
「その羽根は拾ってきたばかりなのかね」
「ううん。さっき鴎外さんとすれ違ったら、鴎外さんが羽根を拾ったのならちゃんと洗いなさいって」
「ほう、それで」
私は目当ての本を持って南吉のそばへ行った。椅子を引き寄せて隣に座り、机の上に図鑑を広げる。南吉は羽根を私にも見える場所に置き、図鑑を覗き込みながら話を続けた。
848「どの図鑑が見たいのかね」
「あのね、鳥さんがのってる本が見たいの。鳥の羽根を拾ったから、どの鳥か知りたいんです」
なるほどよく見れば南吉の手には小さな羽根が一枚握られている。三寸ほどの茶色い羽根だ。私は彼を椅子に座るよう促して、図鑑を取りに本棚へ向かった。背中越しに南吉に尋ねる。
「その羽根は拾ってきたばかりなのかね」
「ううん。さっき鴎外さんとすれ違ったら、鴎外さんが羽根を拾ったのならちゃんと洗いなさいって」
「ほう、それで」
私は目当ての本を持って南吉のそばへ行った。椅子を引き寄せて隣に座り、机の上に図鑑を広げる。南吉は羽根を私にも見える場所に置き、図鑑を覗き込みながら話を続けた。