村上鋼
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DOODLE村来小説。 #限界オタクのBL本 より、村上鋼のBL本は 【題】迎えにおいで 【帯】お前に優しく手折られたい 【書き出し】目が離せない人間というのが世の中にはいるものだ。 です。くるっぷ鯖落ち防止にこちらで。ゆるギャグ 2231きりはら
DONEゆめすごし|村上鋼2021年発行『日々くらし』より再録
ゆめすごし|村上鋼 日々暗し 馬鹿正し 夢凄し
私がボーダーの入隊試験を受けなければ、余計なことを言わなければ、お兄ちゃんはボーダーに入ることはなかっただろうし、遠征のメンバーに選ばれることもなかったのに。でも頭のなかを覗いたみたいに、お兄ちゃんも村上先輩も「でも、これでよかったって思う日がきっとくるよ」と言った。
兄の遠征行きが決まったという知らせを開発室で受け取った私は、どうしてもなみだをこぼさずにはいられなかった。もう子どもじゃないのにってどんなに自分に言い聞かせてもキーボードを打つ手が震えて、どくどくと心臓の音が身体に響くと鼻の奥がぴりぴりと痺れた。
こぼれたなみだを慌てて手の甲で拭いたとき、声をかけてくれたのは村上先輩だった。
4502私がボーダーの入隊試験を受けなければ、余計なことを言わなければ、お兄ちゃんはボーダーに入ることはなかっただろうし、遠征のメンバーに選ばれることもなかったのに。でも頭のなかを覗いたみたいに、お兄ちゃんも村上先輩も「でも、これでよかったって思う日がきっとくるよ」と言った。
兄の遠征行きが決まったという知らせを開発室で受け取った私は、どうしてもなみだをこぼさずにはいられなかった。もう子どもじゃないのにってどんなに自分に言い聞かせてもキーボードを打つ手が震えて、どくどくと心臓の音が身体に響くと鼻の奥がぴりぴりと痺れた。
こぼれたなみだを慌てて手の甲で拭いたとき、声をかけてくれたのは村上先輩だった。