東雲荘一郎
michiru_wr110
PASTM・ドルP♀ 初出2021.11.桐華様主催・ドルP♀ご飯アンソロジー参加作品
再掲許可が下りたため、過去作品を公開します。その節はありがとうございました。
東雲×女性P
デザートピザと、持ち掛けた「賭け」の行く末。
風は止んでも火は絶えず(東雲×P♀) 風が吹けば桶屋が儲かる、ということわざが脳裏を過ぎる。
関連性のない出来事が巡り巡って思いがけない影響を与えることの意だ。そういえば学生時代、定期テストの直前か何かで神谷に説明したことがあったかもしれない。
語源を聞いた神谷は興味深そうに相槌を打った後「それなら、俺がこの先世界中を旅をすることも同じかもしれない。巡り巡って思いがけず誰かの人生を変えることがあったら、きっと楽しいだろうな」と笑っていた。振り返ってみれば神谷らしい、能天気な考え方だと思う。
私は、神谷によって思いがけず人生が変えられてしまった筆頭といっても過言ではないだろう。
そして神谷がいなければ出逢わなかったはずのその人は、今。
9641関連性のない出来事が巡り巡って思いがけない影響を与えることの意だ。そういえば学生時代、定期テストの直前か何かで神谷に説明したことがあったかもしれない。
語源を聞いた神谷は興味深そうに相槌を打った後「それなら、俺がこの先世界中を旅をすることも同じかもしれない。巡り巡って思いがけず誰かの人生を変えることがあったら、きっと楽しいだろうな」と笑っていた。振り返ってみれば神谷らしい、能天気な考え方だと思う。
私は、神谷によって思いがけず人生が変えられてしまった筆頭といっても過言ではないだろう。
そして神谷がいなければ出逢わなかったはずのその人は、今。
endoumemoP
DONE東雲荘一郎とアスラン=BBⅡ世:アスランさんのあかんとこ:二人がドンキに行く話東雲荘一郎とアスラン=BBⅡ世:アスランさんのあかんとこ:二人がドンキに行く話 裏返してラベルを見れば、アルコール度数は十五度程度のリキュールらしい。直に飲むにはやや強いか、と思いながらも、ガラスに透ける酒色はステージライトのように華やかで、Café Paradeの店舗を楽しく彩るかもしれないとアスランは直感する。
「ソーイチローよ、この魔涙は――」
六個入りのパックを持ち上げてアスランが荘一郎に振り返ると、荘一郎はアスランの手からパックを奪って売り場に戻す。
「うちでは使わないですよ」
「……うむ、そうだが……」
「ほら、もう行きますよ。買い忘れはありませんね?」
有無を言わせぬ口調の荘一郎に連れられて、アスランは後ろ髪を引かれつつ店を出る。
「ソーイチローよ、あの魔酒はどのような……」
468「ソーイチローよ、この魔涙は――」
六個入りのパックを持ち上げてアスランが荘一郎に振り返ると、荘一郎はアスランの手からパックを奪って売り場に戻す。
「うちでは使わないですよ」
「……うむ、そうだが……」
「ほら、もう行きますよ。買い忘れはありませんね?」
有無を言わせぬ口調の荘一郎に連れられて、アスランは後ろ髪を引かれつつ店を出る。
「ソーイチローよ、あの魔酒はどのような……」
endoumemoP
DONE卯月巻緒と東雲荘一郎:食べるジュエルと:東雲の試作ケーキを巻緒が食べる話卯月巻緒と東雲荘一郎:食べるジュエルと:東雲の試作ケーキを巻緒が食べる話「荘一郎さん、これは……!」
目の前に置かれた皿の上、煌めく深紅は卯月巻緒の顔を反射させる。
「まだ試作ですが。ベリーのゼリーに、タルト生地とカスタードクリームを合わせました」
「これ……イチゴですか⁉」
ひっそりと佇むゼリーの中、閉じ込められたイチゴは断面を見せていた。表面の赤から内側の白のグラデーションの麗しさに鼓動を早めながら、巻緒は上気させた頬を東雲荘一郎へ向ける。
「今年は国産イチゴが高いって聞きましたけど、それでもイチゴを使うんですね! すごいなぁ……!」
「この季節にはイチゴの赤が似合いますから。……もっとも、他のベリーも入れたので、使うイチゴは節約したんですよ」
「確かに!」巻緒の相槌は荘一郎の言葉に重なる。「ラズベリーと、ブルーベリーも……すごい、ベリー尽くしで贅沢ですね! 宝石みたいだなあ……!」
642目の前に置かれた皿の上、煌めく深紅は卯月巻緒の顔を反射させる。
「まだ試作ですが。ベリーのゼリーに、タルト生地とカスタードクリームを合わせました」
「これ……イチゴですか⁉」
ひっそりと佇むゼリーの中、閉じ込められたイチゴは断面を見せていた。表面の赤から内側の白のグラデーションの麗しさに鼓動を早めながら、巻緒は上気させた頬を東雲荘一郎へ向ける。
「今年は国産イチゴが高いって聞きましたけど、それでもイチゴを使うんですね! すごいなぁ……!」
「この季節にはイチゴの赤が似合いますから。……もっとも、他のベリーも入れたので、使うイチゴは節約したんですよ」
「確かに!」巻緒の相槌は荘一郎の言葉に重なる。「ラズベリーと、ブルーベリーも……すごい、ベリー尽くしで贅沢ですね! 宝石みたいだなあ……!」