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    歴史

    pluto__iv

    らくがき夢腐 琥鴞くんのかんがえごと

    診断メーカーよりお題「こんなに好きになる筈じゃなかったんだけどな。」を元に指を動かしてたら、こきょむざの歴史みたいになった。良さみのエッセンスを感じてくれ……あと膝枕は良いぞ
    沈思「こんなに好きになるつもりじゃなかったんだけどな」
    琥鴞こきょうは膝の上で微睡む無惨を見下ろし、その癖の強い黒髪を弄りながら呟く。

    元はと言えば生まれて初めて自分に匹敵する才能と思想と品格の持ち主、そして自分を遥かに上回る意思と生命の力に満ちた彼の姿に、朝廷暮らしで擦り減らした自我と欲を呼び覚まされたのだ。まつりごとに組み込まれた無味乾燥な人生を嫌悪し、知らぬ間に緩やかな絶望の道を歩んでいた自分に、彼は本当の人生を思い出させてくれた。初めから尊敬と親愛の情を寄せていたことは否めない。

    しかし、当時は彼の本性を今ほど理解していなかったのだ。自信に満ちた振る舞いは、他者に微塵も価値を見出さない過度な傲慢さからくるものだと知った。鋭い舌鋒は機知のみでなく、彼の生に根付いた深く絶え間ない怒りの現れだった。品性は病的な完璧志向と卑賤なるものへの嫌悪と蔑み、孤高は共感性の欠如、生命力は気も狂わんばかりの死への恐怖の裏返しだった。
    1910