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    死因

    zeppei27

    DONE夢で見た内容が面白かったので、治ってきた指慣らしも兼ねて一次創作小説にしました。

    『住人全員が健康であり、死因は老衰のみ』、そんな夢のようなA国の秘密とは一体なんなのか。日本から仕事に出かけた主人公が、無事健康を手に入れる話です。
    今日も明るく健康に A国だ。生まれて初めて降り立つ、本物の異国に私は胸を弾ませていた。タラップを降りる前、飛行機がA国に近づいたと言われてから窓辺に齧り付き、本当に行けるのかとハラハラした心配は消え失せ、今や澄み渡る青空と同じく晴々とした心地である。我ながら現金かもしれないが、夢に前で見た国に来たのだから無理もないだろう。母国よりも強い日差しが小さな空港と、その向こうに広がる背の低い建物群に降り注いでいる。東南アジア諸国に共通する、湿ったぬるい風が程よく喉を潤した。背後を振り向けば、乗ってきた飛行機の向こうに青緑色に透き通った海が外界を遮る。母国の姿は影も形もなかった。

     蛍光色のジャケットを着た人間に先へ進むよう示され、ぼうっとした頭を現実に戻す。夢を夢のままにするわけにはいかない。頷くと、誘導されるままに通関へと向かった。小さな建物で、ちょっとした喫茶店が営める程度の広さに3人の人間が冗談を言いながら手を動かしている。一日の入国人数が極めて少ないために、大した人数を必要としないのだろう。古びた銃器が壁にかけられている点が、ここが唯一の通関である証左のように見えた。私の姿に目を止めると、一人の男が片手を挙げて招き寄せた。
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    hacca_ss

    DOODLE2022.06.18にUPしたものを再掲()初出:WEBオンリー「謎めく厄災のミステリオ」
    オーエンの死因当てゲームに興じるカインとフィガロ。死体役のオーエンはほぼ喋りません。「泡沫の夜の魔法にかけられて」直後の設定。死体描写(若干グロ)があります。カイオエのつもりで書いてたけどロマラブ感は皆無。
    誰があの子を殺したの1. 事件
     《ワルプルギスの夜》から数日が経ったある日の午後、談話室のソファでオーエンが死んでいた。
     第一発見者は南の魔法使いミチルだ。心根の優しい素直な少年は、ソファに転がった死体に慌てふためいて、医者である師を呼びに行った。相手が常日頃から毛嫌いしている北の魔法使いであることはすっかり失念してしまったらしい。何を考えているのかわからない、不気味でおそろしい魔法使い――《ワルプルギスの夜》を共に過ごしても、その印象はさほど改善されなかったようだが、青褪めた顔をして倒れている仲間を見過ごすには彼は優しすぎたのだろう。
     一方、カインが入れ違いで談話室を訪れたのは単なる偶然である。元々は昼過ぎに魔法舎を出て王都へ向かう予定だったのだが、先方の都合で急遽日程が変更となった。おかげで午後の予定がまるっとなくなってしまったというわけだ。
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