「斑はんは中華料理っちつくれるん？」

寝転がって雑誌を読んでいたこはくさんから投げかけられる質問。目線は未だ雑誌に向かっている。中華料理、中華料理なあ。

「……どの程度だあ？」
「この程度」

渡された雑誌に踊る見出しには本格中華の文字。

「斑はんなら満漢全席とか作れるんとちゃう？」

きらきらとこはくさんの期待のこもった眼差しが突き刺さる。眩しい。

「期待に添えず申し訳ないんだがなあ、それは無理だ」
「ええ？斑はんなら現地で教わった〜っち言いそうなんに」

どんなイメージだ、それは。確かに現地の有識者に教わったといくつか披露したことはあるが。……俺なら出来ると思ってくれるのは嬉しいが流石に、ちょっと、満漢全席はなあ。