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    王水

    真砂長文倉庫

    DONE今年もボージョレ解禁でゲットした「オレンジワイン」の色がみんぐ色(はい?)だったので、連想してみました。蔵水とも迷ったのですが、ワインは王子のイメージだったので久しぶりの王水で。

    当日書くつもりでしたが、一瓶飲んで寝てました。出産後の断酒を経験すると加齢もあってめっきり弱くなったなぁ。
    酒は飲んでも飲まれるな。(ブーメラン)
    オレンジワイン王水「nouveau dessert」「やぁ、お邪魔するよ」
    「…………入れや」
     ここ数日でめっきり冷え込んだ玄関での問答は無意味だ。
     招かれざる客ではあったがその両手に抱えられた物を視界に捉えると、琥珀色の双眸が酷薄に輝いた。その光を凌駕する土耳古石の所有者は悠然と微笑む。勝手知ったる恋人の家のリビングに入り、ローテーブルに荷物を置いた。ふわりとスパイシーな香りが舞う。そのまま瑠璃色の上着と濃紺のスヌードを壁際のハンガーにかけ、手洗いと嗽を済ませてテーブル前に座した。ちゃっかり引っ張り出した座布団を敷いている。

    「時間ぴったり、かな?」
    「約束も連絡もせんで、『ぴったり』もあらへんやろ」
     そうは言いつつも、水上の空腹具合をぴたりと見計らって来るのが王子であることを知っている。そう水上が思っていることを王子も知っている。それは、六年前の春、高校入学時に出逢った頃から肌で感じていたことだ。知人・友人・恋人とクラスチェンジした今でもそれは変わらない。嫌悪・共感・親愛の比率が多少変わったくらいだ。変動制であるそれの現在の比率は7:2:1である。
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    真砂長文倉庫

    DONE王子誕生日の半日前に降ってわいたネタです。勢いって大事だね!王子ハピバ!!

    機械音痴でがっつり遅刻しました。「後夜祭」っていい日本語ですね!

    蔵王・王水・イコプリ(別時空)で香水ネタ。多分最初しか間に合わない…。
    あとの二つは一年寝かせよう!

    蔵王:二十歳の誕生日。二人とも一人暮らし。最後の王子のセリフを言わせたいだけ。
    スパイシースイートチョコレート【王子誕2023】「寒いだろう、ちょっと待ってて」
    家主が白い息を吐く。1ⅬDKの三和土に控え目な灯りが落とされる。
    ひとつ頷いて、お邪魔します、と告げてからトープ色の革靴を脱ぐ。
    「お構いなく」
    頷き返した王子がすぐにLDKのエアコンを強にセットした。外よりも寒風吹き荒ぶ部屋の壁際に、蔵内は自分のキャメルカラーのトレンチコートを掛ける。
    洗面所を借りて手を洗っていると、同じくロイヤルブルーのピーコートと濃紺のスヌードを外した王子がやって来た。ほろ苦い粒子が鼻腔を掠める。
    「今日は楽しかったね」
    「そうだな」
    洗面所の鏡を介して繋がった、視線が綻ぶ。


    今日は王子の二十回目の誕生日である。
    同学年男子として一番最後に二十歳になった王子は、漸く酒と煙草が解禁となった。本日の夕食は十ケ月前から「かげうらでの食事会」と決まっていた。
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    sakatori

    MEMOWT 王子+水上
    アクスタ企画用に書いた小話の再録です。猫華さんにリクエストした「二学期を迎えた王子と水上」を拝見して浮かんだイメージを文章化しました。
    管理の都合で水王タグをつけていますが、この小話の二人はCPなしでも水王でも王水でも解釈はご自由に。
    素晴らしき元ネタ: https://www.pixiv.net/artworks/86579465 の5枚目
    (全体公開 2021年4月24日)
    アクスタ企画用王子+水上「ほんまに秋なんか」
     汗で湿っているせいかボリュームダウンした髪の毛をかき上げて水上が呟く。天気予報では心地よい秋晴れと言っていたが実際はこの夏日だ。
     アスファルトから立ち上る揺らめきを忌々しげに眺めていると、額を流れる汗が目に入った。その痛みに思わず両目を閉じて目頭を押さえる。
     ふっと隣から笑い声が聞こえた。眼球だけを動かして声の主を探すと、王子が涼しげな表情で微笑んでいた。
     この酷暑の中でも王子の表情は変わらない。もしかして換装体でいるのかと疑うほどに。ただ、髪の毛はプールから上がったばかりみたいにしっとり濡れていたが。
    「まあ、ね。暦の上ではというやつだよ」
     王子は歩きながらスクールバッグから清涼飲料水を取り出してラッパ飲みした。この男は容姿が整っているから何をしても様になるのだが、これは随分と行儀が悪い。
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