紀
hiko_kougyoku
DONE若やまささ+雨緒紀、乃武綱……他「希望という名の罪」⑤(終)
※続・雨緒紀の物語
※やまささと言い張る。
※捏造あり。かなり自由に書きました。
※名前付きのモブ有。
※流血描写あり。
希望という名の罪⑤(終) 7
隊首会議は日が昇ってすぐに開かれた。緊急の招集ということもあり、任務や騒動の事後処理で不在の者を除けば、参加者は十三人の隊長の半分にも満たない。
一番隊執務室に集まったのは元柳斎と雨緒紀、そして乃武綱、卯ノ花、不老不死、金勒のみ。今回の当事者である雨緒紀から騒動のあらましと作兵衛についての話を聞いた一同は、ついさっき起こった反乱とも呼べる事件のめまぐるしさに沈黙するしかなかった。
「渦楽作兵衛は拘禁牢に入れてある。あいつの所属は一番隊だから、処遇については山本が決めるのが妥当だと思うのだが」
言いながら雨緒紀は参加者の顔を見回し、反応を伺う。誰も何も言わない。乃武綱と金勒は神妙な面持ちで床の一点を見つめており、珍しく隊首会議に顔を出した卯ノ花に至っては、まるで座したまま眠っているように薄く目を閉じている。逆に不老不死は、背中にのしかかるような空気感に落ち着かないのか、そわそわと他の隊長の顔を見比べるばかり。
16942隊首会議は日が昇ってすぐに開かれた。緊急の招集ということもあり、任務や騒動の事後処理で不在の者を除けば、参加者は十三人の隊長の半分にも満たない。
一番隊執務室に集まったのは元柳斎と雨緒紀、そして乃武綱、卯ノ花、不老不死、金勒のみ。今回の当事者である雨緒紀から騒動のあらましと作兵衛についての話を聞いた一同は、ついさっき起こった反乱とも呼べる事件のめまぐるしさに沈黙するしかなかった。
「渦楽作兵衛は拘禁牢に入れてある。あいつの所属は一番隊だから、処遇については山本が決めるのが妥当だと思うのだが」
言いながら雨緒紀は参加者の顔を見回し、反応を伺う。誰も何も言わない。乃武綱と金勒は神妙な面持ちで床の一点を見つめており、珍しく隊首会議に顔を出した卯ノ花に至っては、まるで座したまま眠っているように薄く目を閉じている。逆に不老不死は、背中にのしかかるような空気感に落ち着かないのか、そわそわと他の隊長の顔を見比べるばかり。
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DONE大学時代の遭遇。紀ノ国さんは
菊地真名美
古谷碧志
小野吹悟
真白一政
の中から好きにかきましょう。
お題:shindanmaker.com/1021437
画像作成:L版SSメーカー sscard.monokakitools.net
色猫卓 CoC動画 非公式派生創作
「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物
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DONE若やまささ+雨緒紀、乃武綱……他「希望という名の罪」④
※続・雨緒紀の物語
※やまささと言い張る。
※捏造あり。かなり自由に書きました。
※名前付きのモブ有。
希望という名の罪④ 6
瀞霊廷内に設けられた拘禁牢。主に隊士の謹慎や処罰のために設けられたこの場所に、明確な罪人が入れられることはほとんどない。頭を冷やすどころの反省ではすまない騒ぎを起こした作兵衛がここに入るのはいささか不釣り合いかもしれないが、ここ以上に適切な場所はない。そんなことを思いながら、雨緒紀は牢への階段を降りる。
自分に付いてくる二人分の足音を聞きながら、背後に意識をやる。憔悴しきった作兵衛は、あれから暴れることも恨みを紡ぐこともなく、自らの罪を掘り下げるように静かに連行されている。一方で取り乱しながらも作兵衛の助命を必死に嘆願していた長次郎も、今は無言のまま。悄然とした空気の中、平然なのは自分だけだと改めて実感した雨緒紀は、今度は死覇装の腰に目をやった。出てくる時に持って来た笠は、未だ下げられたままだ。
8269瀞霊廷内に設けられた拘禁牢。主に隊士の謹慎や処罰のために設けられたこの場所に、明確な罪人が入れられることはほとんどない。頭を冷やすどころの反省ではすまない騒ぎを起こした作兵衛がここに入るのはいささか不釣り合いかもしれないが、ここ以上に適切な場所はない。そんなことを思いながら、雨緒紀は牢への階段を降りる。
自分に付いてくる二人分の足音を聞きながら、背後に意識をやる。憔悴しきった作兵衛は、あれから暴れることも恨みを紡ぐこともなく、自らの罪を掘り下げるように静かに連行されている。一方で取り乱しながらも作兵衛の助命を必死に嘆願していた長次郎も、今は無言のまま。悄然とした空気の中、平然なのは自分だけだと改めて実感した雨緒紀は、今度は死覇装の腰に目をやった。出てくる時に持って来た笠は、未だ下げられたままだ。
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DONE若やまささ+雨緒紀、乃武綱……他「希望という名の罪」③
※続・雨緒紀の物語
※やまささと言い張る。
※捏造あり。かなり自由に書きました。
※名前付きのモブ有。
希望という名の罪③ 5
「あれは嘘だ」
こちらを睨みつける作兵衛の声が、鉛の重厚感で臓腑の底へと沈んでゆく。「俺は山本重國を始末するためにここにいる」続けられた声に脳天を殴られた心地になった長次郎は、ただただ呆然としながら目の前の人物を眺めることしかできなかった。
そこには自分を一心に慕ってくれた後輩はもういない。純粋さの下に隠した本性をむき出しにして冷たい狂気に身を浸す、一人の復讐者が存在していた。その目には自分以外――長次郎を含めた全ての人間を拒絶し、否定し、ひたすら孤独に徹してきた、悲痛な感情が宿っているのが見て取れた。
「何故……」
足元から競り上がるこの感覚はなんだろうか。悲嘆か、憐憫か、それとも恐怖か。肋骨の下で渦巻く感情に喉を締め付けられる心地になりながらも、長次郎は凛然と作兵衛を見つめる。ついさっきまで先輩と呼んでいた人間の、隠しきれない不安に染められた声を聞いた作兵衛の方は、自虐的な笑みを崩さないまま訥々と話す。
8923「あれは嘘だ」
こちらを睨みつける作兵衛の声が、鉛の重厚感で臓腑の底へと沈んでゆく。「俺は山本重國を始末するためにここにいる」続けられた声に脳天を殴られた心地になった長次郎は、ただただ呆然としながら目の前の人物を眺めることしかできなかった。
そこには自分を一心に慕ってくれた後輩はもういない。純粋さの下に隠した本性をむき出しにして冷たい狂気に身を浸す、一人の復讐者が存在していた。その目には自分以外――長次郎を含めた全ての人間を拒絶し、否定し、ひたすら孤独に徹してきた、悲痛な感情が宿っているのが見て取れた。
「何故……」
足元から競り上がるこの感覚はなんだろうか。悲嘆か、憐憫か、それとも恐怖か。肋骨の下で渦巻く感情に喉を締め付けられる心地になりながらも、長次郎は凛然と作兵衛を見つめる。ついさっきまで先輩と呼んでいた人間の、隠しきれない不安に染められた声を聞いた作兵衛の方は、自虐的な笑みを崩さないまま訥々と話す。
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DONE若やまささ+雨緒紀、乃武綱……他「希望という名の罪」②
※続・雨緒紀の物語
※やまささと言い張る。
※捏造あり。かなり自由に書きました。
※名前付きのモブ有。
希望という名の罪② 2
光と呼ぶには頼りない、淡々しい陽光が雲間から細く差し込んでいる。薄雲の下に広がる極彩色の紅葉は、その鮮やかさを存分に発揮できるまでの明度がないせいかどこか暗い影を落とし、山の方からゆるく吹き抜ける風の中をざわざわと漂っている。
七番隊舎の見学から一晩が明けた。朝の定例会議を終え、真っ先に自分のもとへ来た作兵衛に、長次郎はこんなことを言った。
「作兵衛、今日は流魂街の見回りに行こうと思うのだが、付いてくるか?」
「行きます」
即座に返って来た、打てば響くような返事。その声を発した本人が、どこへいくのですかと目だけで訴えれば、長次郎は緊張を孕んだ面持ちのまま答えて見せる。
「行き先は――」
北流魂街七十五区。瞬歩を使いながら最短距離を移動してきた二人は、人目に付かないよう郊外に降り立った。草履越しにも感じ取れる乾ききった大地はそれだけで不作を想像させ、はじめて足を踏み入れる下層地区に心臓がせわしなくなるのを実感しながら、長次郎は辺りを見回した。
15268光と呼ぶには頼りない、淡々しい陽光が雲間から細く差し込んでいる。薄雲の下に広がる極彩色の紅葉は、その鮮やかさを存分に発揮できるまでの明度がないせいかどこか暗い影を落とし、山の方からゆるく吹き抜ける風の中をざわざわと漂っている。
七番隊舎の見学から一晩が明けた。朝の定例会議を終え、真っ先に自分のもとへ来た作兵衛に、長次郎はこんなことを言った。
「作兵衛、今日は流魂街の見回りに行こうと思うのだが、付いてくるか?」
「行きます」
即座に返って来た、打てば響くような返事。その声を発した本人が、どこへいくのですかと目だけで訴えれば、長次郎は緊張を孕んだ面持ちのまま答えて見せる。
「行き先は――」
北流魂街七十五区。瞬歩を使いながら最短距離を移動してきた二人は、人目に付かないよう郊外に降り立った。草履越しにも感じ取れる乾ききった大地はそれだけで不作を想像させ、はじめて足を踏み入れる下層地区に心臓がせわしなくなるのを実感しながら、長次郎は辺りを見回した。
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PAST2021.07的本,【上部分】為了紀念2023.04.24這天(不是這個),於是全部公開
面對著過去的我,看著現在的他們,雖然不知道未來會是如何,但會繼續努力下去。
密碼:那個人出來的那天(8碼) 14
hiko_kougyoku
DONE若やまささ+雨緒紀、乃武綱……他「希望という名の罪」①
※続・雨緒紀の物語
※やまささと言い張る。
※捏造あり。かなり自由に書きました。
※名前付きのモブ有。
希望という名の罪① 1
子犬が子犬の後を付いて回っているようだ、と誰かが言っていた。なるほどと雨緒紀は思う。言い得て妙とはよく言ったものだ。
「長次郎先輩!」
弾んだ声が白く希釈される秋の空に響き渡ると、外出先から戻って来た長次郎はぴたりと足を止め、体ごと後ろへ振り向く。その顔は元柳斎を呼ぶ時に見せる、溌剌さを前面に出した子どもの顔ではない。引き締めた表情の下には自分の不甲斐なさをあらわにするわけにはいかないという、成熟した大人を演じる若者のような緊張をひた隠しにしており、その凛然とした面持ちは普段の長次郎を知っている人間からするといささか不釣り合いに見え、雨緒紀は声を出して笑いそうになってしまった。
だが、先輩としての長次郎しか知らない新人隊士には、その演技は真実として目に映っているらしい。
12877子犬が子犬の後を付いて回っているようだ、と誰かが言っていた。なるほどと雨緒紀は思う。言い得て妙とはよく言ったものだ。
「長次郎先輩!」
弾んだ声が白く希釈される秋の空に響き渡ると、外出先から戻って来た長次郎はぴたりと足を止め、体ごと後ろへ振り向く。その顔は元柳斎を呼ぶ時に見せる、溌剌さを前面に出した子どもの顔ではない。引き締めた表情の下には自分の不甲斐なさをあらわにするわけにはいかないという、成熟した大人を演じる若者のような緊張をひた隠しにしており、その凛然とした面持ちは普段の長次郎を知っている人間からするといささか不釣り合いに見え、雨緒紀は声を出して笑いそうになってしまった。
だが、先輩としての長次郎しか知らない新人隊士には、その演技は真実として目に映っているらしい。
xx_mami_xx
DOODLE【創作BL】過去の性経験について由紀に興味を持たれて死にそうになるヴィオラの回(二章前提の小ネタ漫画)導入部分漫画で書いたほうが早そうなので描いた。続きは小説でやってます。
「アラーニェの魔術師」
https://novel18.syosetu.com/n6237if/ 3
xx_mami_xx
DOODLE【創作BL】ヴィオラ×由紀俺ら最強夫夫マジ卍ってイラストです。
本編いったん完結しました。
(別枠でまた短編書く予定です)
「アラーニェの魔術師」
https://novel18.syosetu.com/n6237if/
xx_mami_xx
MEMO【創作】ヴィオラ、由紀、千草、イオリ キャラデザイン※「##アラーニェの魔術師」タグを押すと同作品関係の絵だけソートされます。漫画とか落書きもあるので是非。
「アラーニェの魔術師」
https://novel18.syosetu.com/n6237if/ 5
もりこ
DOODLEダークサンさんにバニーヒューマン(※ダークデイズドライブ)に挑戦してもらいたい気持ちの落書きです。いや、ダークデイズドライブ卓のアフタートークで「ビギドルのリプレイいいよね」って話になったからつい…
※ 本作は、「平野累次」「冒険支援株式会社」及び「株式会社新紀元社」が権利を有する『駆け出しアイドルRPG ビギニングアイドル』の二次創作物です。(C)平野累次/冒険企画局
tr_imbtk
DONEたけおの紀ノ国さんは『ただの強がり』をお題に、140字でSSを書いてください。
お題:shindanmaker.com/320966
画像作成:SS名刺メーカー sscard.monokakitools.net
色猫卓 CoC動画 非公式派生創作
また同時に、本作品は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
ofu_chiamido
MOURNING数年前の某スパロボネタより、想いを伝えないまま何度も散っていく2人の話。ずっと暗い。・ガッツリ死ネタ
・つきあってない
・隊とえーち様(最後だけ)の出演
・直接描写はないけど隊たちが敵を倒す(=間接的に人が亡くなる)描写あり
・世界観は公式ストより妄想、捏造あり
救いのない世紀末でも愛し合ってて欲しいなと思ったらこんなのが出来てしまって頭抱えました。
星は堕ち、君と巡りて「システムオールグリーン、前方右斜め45度に標的を確認!」
「『おもかじ』いっぱい~!こっちもじゅんびできましたよ」
「両翼の起動も問題無しッス!操縦桿の操作可能ッスよ」
「後方確認、第三者介入の気配なし。いつでもいけるでござる!」
「バッテリーの残量を確認、フルチャージ完了しました」
「ようし、いくぞ!!」
その瞬間、それぞれ別方向から聞こえていた五つの声が一斉に叫ぶ。
「撃て!!」
巨大な機体から放たれる、まばゆいばかりの閃光。それは空気のない宇宙を揺らし、はるかかなたの星をも揺らす。目の前が真っ白にフラッシュし、その光が消えると白と黒の視界がやってくる。
「…やったか?」
『よくやったね、流星隊。迎撃完了だよ。すみやかにスペースコロニーへ戻るように』
9257「『おもかじ』いっぱい~!こっちもじゅんびできましたよ」
「両翼の起動も問題無しッス!操縦桿の操作可能ッスよ」
「後方確認、第三者介入の気配なし。いつでもいけるでござる!」
「バッテリーの残量を確認、フルチャージ完了しました」
「ようし、いくぞ!!」
その瞬間、それぞれ別方向から聞こえていた五つの声が一斉に叫ぶ。
「撃て!!」
巨大な機体から放たれる、まばゆいばかりの閃光。それは空気のない宇宙を揺らし、はるかかなたの星をも揺らす。目の前が真っ白にフラッシュし、その光が消えると白と黒の視界がやってくる。
「…やったか?」
『よくやったね、流星隊。迎撃完了だよ。すみやかにスペースコロニーへ戻るように』
okm_tmsb
DOODLE大崎直紀と桜川祈のお話。小説の練習も兼ねてのシリアス話。
精神美「ソメイヨシノが咲いてるよ。」
声が聞こえて窓の外を見れば、そこにはまだ蕾の付いた桜の木がある。
小ぶりだがしっかりと地面に根を張って、大きく枝を広げるそれを見て、どこか気持ちが落ち着いた気がした。
時期は3月も中旬。
季節は明るい新生活を祝う時期だと言うのに、空はどんよりと暗く雲が果てしなく空を覆っている。
いつ雨が降るかと思いながらお礼を伝えて車へと急げば、決して広いとは言えない駐車場の真ん中で彼の車が待っている。
助手席に乗り込むと男は運転席で寝こけていて、声を掛ければのそりと起き上がった。
「話は聞けたか?」と低い耳あたりの良い声がする。
「うん。」と返事をすれば、訝しげに彼は顔を起こして視線を向けてきた。
3895声が聞こえて窓の外を見れば、そこにはまだ蕾の付いた桜の木がある。
小ぶりだがしっかりと地面に根を張って、大きく枝を広げるそれを見て、どこか気持ちが落ち着いた気がした。
時期は3月も中旬。
季節は明るい新生活を祝う時期だと言うのに、空はどんよりと暗く雲が果てしなく空を覆っている。
いつ雨が降るかと思いながらお礼を伝えて車へと急げば、決して広いとは言えない駐車場の真ん中で彼の車が待っている。
助手席に乗り込むと男は運転席で寝こけていて、声を掛ければのそりと起き上がった。
「話は聞けたか?」と低い耳あたりの良い声がする。
「うん。」と返事をすれば、訝しげに彼は顔を起こして視線を向けてきた。