美冬
ななしろ
DOODLE▎𝗖𝗼𝗖𝟲𝘁𝗵 渡る世間は殺人鬼ばかり𝗞𝗣 灰の人
𝗣𝗖/𝗣𝗟
𝗛𝗢𝟭 一色 美冬 / 桜風
𝗛𝗢𝟮 住 八摘 / ぽみ
𝗛𝗢𝟯 恋酔 ひめか / ゆめこ
𝗛𝗢𝟰 桝幸 永遠 / ななしろ
𝗘𝗡𝗗 ➤ 1ロスト3生還
沙羅ぽよ
PAST『彼方からの君に捧ぐ』PC2 笹森美冬『かいぶつたちとマホラカルト』HO2 小鳥遊めると
『Good night,Judas.』HO4 東雲四葉
一枚絵、差分まとめ
ネタバレ等は特にありません〜 9
nntk510
PROGRESS描くたびに美冬の限界オタクと化していくピセルが、自分の中ではめちゃくちゃ面白いんだけど、「解釈違いです!設定付け足し!許せません!」って誰かに言われないかがすごく心配です。SOUYA.(シメジ)
MOURNING📕彼春寄りかもしれん美冬のお話は毎度切なくて温かい。―――ねえ、知ってますか十又さん。俺結構寂しがり屋なんです。強がりなんです。弱虫なんです。……知ってますよね、それを、情けないと一喝して俺を立ち上がらせてくれたのは貴方ですもんね。
なのに、立ち上がった俺の隣に貴方は居なくて俺、寂しいんです。強がるんです…弱くなるんです。
強く、なったはずなのに。刀を握る手はもう震えていないはずなのに。
貴方が隣に居ないだけで。とても冷たい風が吹き抜けて。あの時―――。
走らなければ良かった、なんて。誰かが聞いていたら怒られそうな事をよく考えます。俺も戦っていたら結果は、未来は、変わっていたでしょうか。
バチン、と。強めに額を小突かれて我に返った。
「……祈梅さん……」
「辛気臭い顔、止せ。酒が不味くなる」
そう言って猪口に入った酒を一気に飲み干した彼は何考えてやがる、だなんて心配する。昔より丸く、優しくなった彼にそれでも俺は何でもないですよ、と笑った。
なんでもないのだ。昔の事を、思い出すのはよくある事で。昔の、辛い事を思い出すのもよくある事。それを笑い話に出来るまで表に出すなと言ったのはあの黒猫だ。だから、そんな大昔の誰かさんの言葉に従って。 1423
SOUYA.(シメジ)
MOURNING📕彼ただTwitterSS供養。完結させてるの珍しいな…。
美冬の一人称間違えてるのはしれっと修正しました。
「何か、聞こえませんか?」
ある日の夕刻頃、美冬君がそう言った。何かと聞くと「歌のようなものが聞こえます」と僕も耳を澄ましてみるけれど何も聞こえない。聞き間違えじゃないかな、と首を振ればそうですかね、と寂しそうに居間の本を片付ける彼に僕は立ち上がって書斎に籠る旨を告げた。
歌……、歌ねぇ……。
そう言えばこの時期だった気がする。涼夏と共に妖怪退治に行ったのは。歌で人を惑わす妖怪で彼女に悪意自体は無かったけれど依頼だから、と涼夏は彼女の声を奪った。暫くは大丈夫だろう、なんて哀しそうに微笑んでいた彼だって本当は奪いたくなんてなかったんだろう。
暫くは、だなんて。自分が奪った声の先に居ないって言うのになんて無責任な師匠なんだと思わず八つ当たりしそうになる。寸で思い留まり、息を吐いた。
4171ある日の夕刻頃、美冬君がそう言った。何かと聞くと「歌のようなものが聞こえます」と僕も耳を澄ましてみるけれど何も聞こえない。聞き間違えじゃないかな、と首を振ればそうですかね、と寂しそうに居間の本を片付ける彼に僕は立ち上がって書斎に籠る旨を告げた。
歌……、歌ねぇ……。
そう言えばこの時期だった気がする。涼夏と共に妖怪退治に行ったのは。歌で人を惑わす妖怪で彼女に悪意自体は無かったけれど依頼だから、と涼夏は彼女の声を奪った。暫くは大丈夫だろう、なんて哀しそうに微笑んでいた彼だって本当は奪いたくなんてなかったんだろう。
暫くは、だなんて。自分が奪った声の先に居ないって言うのになんて無責任な師匠なんだと思わず八つ当たりしそうになる。寸で思い留まり、息を吐いた。