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    赤ずきん

    きたはら/しま

    DONE第8回アロルクワンドロ
    お題【童話】

    赤ずきんパロを演じることになった四人が配役決める話。アロルクはほんのり成分
    「BOND諸君。これが新しい台本だ」

    表紙に犬ずきんと書かれた冊子を受け取りながら、ルークは首を傾げた。
    確かにルーク達は一応は一度はバックダンサーとして舞台に立ったし、現在の身分も駆け出しのショーマンではある。だが、あれはあくまで潜入調査のためではなかっただろうか。

    (……そういえば、特訓大変だったよなぁ)

    正真正銘ショーマンであるモクマはともかく、素人のはずのアーロンとチェズレイの動きも美しさの種類こそ違えど夢のようにきれいだった。そもそも、あの二人は立っているだけで魅力的であるし、視線一つで人を引きつけることができる。いつだったか、そんな事を言ったら「あんな詐欺師と一緒にすんじゃねぇよ」と凶悪な舌打ちをいただいたことがあった。

    でも、アーロンの動きってすごいんだよな。こう、歩き方一つ野生動物染みているっていうか、獰猛さがのぞくっていうか……嘘みたいに長い足が、嘘みたいに速く振り抜かれて、ぴたりと静止する。無造作な動作一つ一つがかっこよくて……、うん、僕、よく一緒のステージに立てたな……。

    そんなことをつらつらと思い出していたルークを、不機嫌そうなアーロンの声が現実に引き 2983