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    酔っぱ

    kurono_666_aka

    DONE逆転if忘羨の最初の話。
    勢いで書いたので唐突に始まってます。
    酔っぱ魏嬰ちゃんの翌朝。
    酔っ払い中の魏嬰ちゃんを加筆しました。

    藍家の第二公子だけど訳あって江家育ちの藍忘機と
    江おじさんではなく藍先生に引き取られた魏無羨な設定です
    ※なんでも楽しめる方向け※

    次の話
    https://poipiku.com/5523475/7091923.html
    階−きざはし−① 卯の刻。起床の時間だ。
     掟通りに目覚めようとして、魏無羨は違和感を覚える。
     妙に身体が重い。頭はすっきりしないし、瞼もくっついてしまったかのように開かない。それに、微かに鼻腔をくすぐる馴染みのないこの香り。
    (……酒?)
     そうだ。昨晩、雲深不知処に酒を持ち込もうとしている藍忘機を見咎めて口論になった。売り言葉に買い言葉で、うっかり酒をひとくち口に含んでしまい、その後の記憶がない。
    (家規を破ってしまった……)
     しでかした失態に青褪めながら、魏無羨は重たい瞼をどうにか押し上げた。押し上げて、視界に飛び込んできたものに息が止まる。
     家規を破る原因となった男が至近距離で微笑んでいた。いや、微笑みといえるほど明確なものではなく、表情だけ見るならば無表情に近い。しかし、明らかに歓喜の笑みを含んだ気配を纏った男がすぐそばに横たわり、自分を見つめていたのだ。
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