没？ネタ『ムッツリすけべとオープンエロってどっちがマシだと思いますか？』
　名前を見間違えたかしらん。通話中だろうとお構いなく俺はスマホを耳から離した。真っ黒な画面に白字で浮かぶのは可愛くない後輩の名前。見間違えてなかった。
　松川まっつんや花巻マッキーだったらまだわかる。あいつらが国際料金を払ってまで男子高校生的会話猥談をしたいのかは置いといて、するかしないかで言えばする。
　だけど現実は違う。+81の冠を被った王様が俺の最近ちょっと機嫌が悪くて繊細なスマホを震わせていた。
『及川さん？　聞こえてますか？』
「聞こえてるよッ！」
『あ、良かったッス。日本の裏っかわらしいんで電波が届いてないのかと思いました』

ngro俺は神様ブイ
なんか人間に捕まっちゃった

「お前もしかして神様すげぇ」
「誰ぇ〜」
「俺はこの国の王子」
「そのうち俺がこの国を背負うことになる」
「だからちゃん見てやらないとダメなんだ」
「神様はどう思うこの国をみて」
「どうって、、、」
国民が笑ってる
「.......普通なんじゃない」
「そうか
「どうか神様もこの国のこれからをちゃんと見てくれ。」
「お願いします」
(お願いって、、みんな俺によくいうけど、、そんな俺任せにされても)
じっ玲王をみる

せっかく神様に会ったんだしもてなさないとな！
えーもう帰らせて飛ぼうとする
ダメだがしっ
お前はもうここに落ちてきちまったからなお客様だ
ご馳走用意するぞ！
それにしても神様ってのが軽いんだな空気みたい

「大人1枚、と……」
入園ゲートのカウンターに向かって身をかがめた斑鳩の言葉尻を拾った受付のスタッフが胸に抱える抱っこ紐の中を覗き込む。3歳未満のお子様は入園無料となっております、と告げた声音はいかにも微笑ましいものを見るようにしていて、斑鳩はひどく落ち着かない気分になった。
「では、大人1枚」
「はい、ありがとうございます」
紙幣を差し出しチケットを受け取る。
「お父さんと動物園、いいね」
抱いている体温は赤子を思わせる重みをしていて、受付のスタッフにも幼児に満たない月齢の子供に見えたことだろう。ぱっちりと無感情に開いた両目がじっと彼女を見ていたので、愛想の良いスタッフはこういった施設の玄関役に相応しく明るい声でそう話しかけた。

ランチタイム・スクランブル退屈な四時間目を終え、待ちに待った昼休み。
白井愛理は友人たちと連れ立って、意気揚々と中庭へと繰り出した。
桜もすっかり散り、新緑の木漏れ日が眩しい季節。外でのランチタイムにはぴったりの陽光だった。
「……はぁ～平和だなぁ～。新学期のバタバタが嘘みたい！」
ちょうどよく空いていたベンチに陣取って、お弁当箱を膝に広げながら愛理がしみじみ溢すと、右隣に座っていた恋野はじめがおっとりと笑みを浮かべる。
「愛理ったら、大袈裟。でも確かにようやく新しいクラスにも慣れたし、落ち着いてきたかも」
「もぉ～、はじめったら余裕～！　やっぱり彼氏が出来ると違うな～！　あっ、でも～一番変わったのは琥珀だよね！」
初めて会ったとき、あんなに感じ悪かったのが嘘みたい！