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    100万

    haru0551

    DONEワンライのお題「たぬき寝入り」をお借りしました。
    全く間に合っていないので、タグなしで。
    土→ ♡ ←←銀くらい 微妙な感じ
    100万回は書かれたであろう白夜叉とバレた銀さんが気にしてる話です
    映画楽しかったですね!熱を吐き出したくて書きました
    ヒジカタくんの「なァ、白夜叉殿」最高です
    狸寝入りカウンターの上には徳利が並び、すぐ横で銀色の癖っ毛がゆっくりと上下している。店の奥から顔を出した店主が、あちゃーと呻き声を漏らした。
    「ったく、旦那すっかり酔い潰れちまって」
    ビールが半分ほど入ったジョッキを傾けていた土方は、店主の声にチラリと隣に視線を向ける。カウンターに肘をつき頬杖をすると、はあっと嘆息してもう一度グビリとビールを飲み込んだ。
    「ああ、まったく。しょうがねェ野郎だ……」

     

    この店に入ったのはいつもより少し遅い時間だった。明日は久しぶりの非番で、ひとしきり上に提出する報告書を書き終わり、せっかくなら夕飯も兼ねて酒でも呑もうと寄ったのだ。
     暖簾をくぐると、カウンターに見覚えのある男が座っていて、その場に固まる。一体何着持っているのやら白地に青の奇抜な柄の着物に、銀色の天パがくっ付いてれば見間違えようがない。視線に気付いたのか、向こうもふとコチラを振り返り、即座に眉根を寄せた。ここで出ていくのも癪に触る。無視すりゃいいかと通り過ぎようとする前に、奴は少し呂律の回らない喧嘩口調で声をかけてきた。
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