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    2017年

    あちゃん

    PAST完全御都合の液体出てきて大爆笑の2017年作ギロ夏小説「ギロロ、有難うね!」

    「……気にするな、軍人として当たり前の事をした迄だ……。」




    ……事は数時間前、日向家にて。

    「冬樹ー、卵買い忘れちゃったから買ってきてくれない?…ねえ、冬樹ー?」

    夕食の支度をしていた夏美は、料理が終わる頃に卵が少し足りないことに気付いた。
    メニューは親子丼、卵が無ければ美味しく頂けない料理で、家にあるものでは人数分作れない状態だった。

    「うーん、今手離せないし…あれだったら私が食べなきゃいいんだけど…ボケガエルー?いなーい?」

    冬樹が居ないため、ボケガエルことケロロ軍曹に声をかける。
    だが、自分の声以外は聞こえずにしんと静まる部屋。
    生憎ケロロと冬樹は散歩に出ていた様で家には誰も居ない。携帯も電池が切れていて使えず、連絡の取りようが無かった。
    _料理を冷ましたら美味しくなくなってしまうし、ここまで作ったら別のメニューに変えることもできない。言う所の絶体絶命だった。

    「はぁ……困ったなぁー」

    そう呟いた時だった。

    「何が困ったんだ、夏美?」

    窓がガラガラと音を立てて開き、そこからギロロ伍長が顔を覗かせる。
    独特な、ピコピコという音を鳴ら 7382

    _41

    MOURNING【了モモ】了さんの寝顔の話。2017年に書いたものをべったーから引っ張ってきました。この人も寝るのかと、百は感慨深い気持ちでソファに座ったまま眠る了を見つめる。人間である以上当然の行為だが、どこか人間味のない了が静かに眠っている姿は、百にとってひどく不思議で新鮮に思えた。

    「了さーん? まじで寝ちゃってる……?」

     目の前の光景が信じられずに思わず小声で問いかけたが、返事は一向になかった。静まり返った部屋には、了の寝息と時計の音しか聞こえない。悪趣味な悪戯として寝たふりをしている可能性も考えた百だったが、どうやら本当に寝ているらしい。

    「了さんが寝てるとか、すっごいレア……写メ撮っときたいくらい」

     しみじみと呟いてから小さく寝息が聞こえることをもう一度確認し、百はそっと了に近寄っていく。恐る恐る顔を覗き込むと、意外にも穏やかな寝顔をしていて面食らった。普段はよくまわる口は閉ざされ、ぎらぎらとした光を宿す瞳も今は瞼の向こうに隠れたきりだ。そのせいか、了の寝顔は普段より幼い印象を与えた。
     了との付き合いは長いほうだが、こんな表情は百も初めて見る。あどけない寝顔、だなんて形容するには物騒な男だが、それでも今は彼の持つ底知れない不気味さが影をひそめ、ただの人畜無害 2258