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    6月

    すだま

    PAST⚠️『ノイマンの航海日誌』ネタバレ有
    ⚠️オリジナルキャラ有

    ポイピク50番目の投稿です。
    昨年6月、Xに垢を作った当初、ディの独り言でできた話なのでテキストで出そうとしていました。
    絵を描き始めた為に放置していたのをドラマCDを反映し形にした次第です。ただただディがミリを好きだと唸っています。
    タイトルも曲名ですが、ディアミリを想いながら聴いていたのは伊藤由奈の『trust you』でした。
    ア・ソング・フォー・ユー 高台から海へと向かう冷たい風が吹き抜け、思わずジャケットの前を合わせていた。
     日中は強い日差しで焼けつくような暑さだったが、あたりが徐々に暗くなると急激に冷え込む。予測できない天候は、地上に降りたことを実感させた。プラントにはない生臭さの混じる潮の香りと高い空。流れゆく雲の隙間からは、半分に欠けた白い月が覗いている。
     
     オーブの首都、オロファトから郊外へ車で三十分程にある海沿いの居住区。夜間も騒々しい繁華街の脇道に逸れると、そこは人気のない暗がりで、しんと静まり返っている。
     ディアッカは小さな駐車場に車を止めると薄暗い細道を歩き、突き当りの雑居ビルの前で足を止めた。狭くて煤けた急な階段を降りると、左手に色褪せたポスターやステッカーが幾重にも貼られた黒い扉がある。ぐっと力を入れて扉を押し開ければ、途端に煙草の匂いが全身にまとわり付き、思わず顔をしかめていた。
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    kaoryu12273

    PROGRESS3~6月に出すかもしれない話の冒頭です。
    相変わらず記憶なし×ありの転生。
    舞台はずっと未来かもしれないこの列島の何処かです。
    もし一言でもあれば、こちらから!
    https://wavebox.me/wave/3vwvg0bho3p7xq56/

    イベント中に増えるかもしれないし、Xで連載をはじめるかもしれません。
    いつか一緒に 昨日知り合ったばかりの男は不思議な家に住んでいる。
     階段は外付けで、外壁は淡いミントグリーン、幼児が積み上げた積み木のように、少し凹凸のある三階建て。
     雨ざらしになっているせいか、ところどころ塗装が剥げていて、鉄さびが滲み出ている頑丈そうな階段を昇りきると、何もない屋上に辿り着く。本当に、何もないわけではない。洗濯物干しと台風でもきたら吹き飛ばされそうなプラスチックか何かでできている白い椅子が一つ、ぽつりと置かれていた。
     朝焼けも夕焼けも似合いそうな建物は、だけど北向きの路地に建っていた。周囲も家屋に囲まれているから、反対側がどうなっているのか、一見するだけではわからなかった。
     悟は目に付くあたりがどうなっているのか、その区画をくるくると歩いていた。平均よりもずっと長身の背丈を活かしても、やっぱりその内情は伺えなかった。
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