BLEACH
さっかん
MOURNING昔々書いた一織。色んな意味で初々しい…。「お」「あ」
昼休み。喉が乾き、何か飲もうと行った自販機の前でバッタリと井上に会った。
「井上もジュース買いに?」
「うんっ」
いつもの笑顔で頷く井上。
「お先にどーぞ、黒崎くん」
「わりぃな」
チャリチャリと小銭を入れる。何、飲むかな。
自販機の中に並んでいる商品の見本を眺める。
……何だよ、ほとんど売り切れじゃねーか。
しょうがねぇな、と一つだけ売り切れの表示が点いてなかったオレンジジュースのボタンを押した。
ゴトン、と取り出したジュースのパックに、ストローを挿し一口飲んだところで気付く。
井上が自販機の前で小銭入れの中を穴が空くほど覗き込んだ姿のまま固まっていた。
まさか、とは思うが一応聞いてみる。
「もしかして、財布に金入れてくるの忘れたとか……?」
しばしの沈黙の後、悲しそうな顔でコクンと頷く井上。
なんてベタな……。
でもかえってそれが井上らしいような……って思っちゃあ悪いか。
「えーと。……奢ってやろうか?」
「ええっ」
何気なしに言った言葉に、井上は過剰な位に反応した。
大きな目を更に丸くして、こちらを見る井上。
そんなに驚くような事かな…… 2852