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DONE切島くん夢6.がんばれ期末テスト!頭の中の未来フィルム.6
時は流れ六月最終週──……期末試験まで残すところ一週間を切っていた。ヒーロー科編入の為の訓練もあり、憂無は中々勉強に手が回らないでいた。しかし要点を抑えた青革手帳だけは常にアップデートしている。憂無は休み時間、A組へと赴いていた。
「こんちはー」
憂無が声を掛けると上鳴が泣きそうな顔で縋り付いてくる。
「どうした上鳴」
「頼む……勉強、教えてくれ〜!!」
は?
「勉強?」
上鳴が言う。
「普通科は俺らより進んでんだろ!? カリキュラムとかそういうの! だから頼む! 期末の為に! 教えてくれ〜!!」
憂無は溜息を吐く。
「いいけど……参考になるかは知んないよ」
「ありがて〜!! 神様仏様前宮様じゃん!!」
5450時は流れ六月最終週──……期末試験まで残すところ一週間を切っていた。ヒーロー科編入の為の訓練もあり、憂無は中々勉強に手が回らないでいた。しかし要点を抑えた青革手帳だけは常にアップデートしている。憂無は休み時間、A組へと赴いていた。
「こんちはー」
憂無が声を掛けると上鳴が泣きそうな顔で縋り付いてくる。
「どうした上鳴」
「頼む……勉強、教えてくれ〜!!」
は?
「勉強?」
上鳴が言う。
「普通科は俺らより進んでんだろ!? カリキュラムとかそういうの! だから頼む! 期末の為に! 教えてくれ〜!!」
憂無は溜息を吐く。
「いいけど……参考になるかは知んないよ」
「ありがて〜!! 神様仏様前宮様じゃん!!」
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DONE切島くん夢5.保須の後と、これから頭の中の未来フィルム.5
ぼうっと目が覚めた。辺りに人はいない。体を動かそうとして捻ると鋭い痛みが脇腹に疾った。
「いっ………………!」
なにが、あったんだっけ。ここは、どこだろう──。私はぼんやりとしながら目だけで視線を彷徨わせた。
「……………………」
§ § §
暫くして、天哉と天哉の母が憂無の見舞いに来た。
「えっと…………」
誰か解らない。そんな様子の憂無に血みどろの手帳を天哉の母は渡した。憂無は我に返り手帳を読み始める。
「天晴、兄さんは………………!?」
天哉は黙りこくったままだ。天哉の母が告げる。
「あのね、天晴は……天晴は。もう……ヒーロー出来なくなっちゃったのよ……」
天哉の母も天哉も目に涙を溜め言った。憂無は自分の太腿辺りに布団の上から拳を叩き付ける。
5732ぼうっと目が覚めた。辺りに人はいない。体を動かそうとして捻ると鋭い痛みが脇腹に疾った。
「いっ………………!」
なにが、あったんだっけ。ここは、どこだろう──。私はぼんやりとしながら目だけで視線を彷徨わせた。
「……………………」
§ § §
暫くして、天哉と天哉の母が憂無の見舞いに来た。
「えっと…………」
誰か解らない。そんな様子の憂無に血みどろの手帳を天哉の母は渡した。憂無は我に返り手帳を読み始める。
「天晴、兄さんは………………!?」
天哉は黙りこくったままだ。天哉の母が告げる。
「あのね、天晴は……天晴は。もう……ヒーロー出来なくなっちゃったのよ……」
天哉の母も天哉も目に涙を溜め言った。憂無は自分の太腿辺りに布団の上から拳を叩き付ける。
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DONE切島くん夢4.雄英体育祭と影頭の中の未来フィルム.4
臨時休校が明けた頃、USJ(ウソの災害や事故)ルームで一年A組が襲われた噂は瞬く間に校内へと広がった。臨時休校中、憂無は天哉に慌てて様子を聞く。
「天哉! 大丈夫だったの……?!」
「ああ、先生方……オールマイトが来てくれたお陰さ!」
天哉は安心させるように笑って言った。憂無はとりあえず安堵し、頷く。
「天哉…………その、き…………」
「ん? なんだい?」
「切島、くんは……?」
「ああ、彼も無事さ! 上鳴くんは一時、敵(ヴィラン)に捕まったらしいが……先生方のお陰で難を逃れたよ」
「そ、そっか」
憂無はホッとして手帳に書き込む。そうして手帳をパタリと閉じた。憂無はそれから『予知夢』で見た未来を使って人救けに勤しんでいた。そして──。
5420臨時休校が明けた頃、USJ(ウソの災害や事故)ルームで一年A組が襲われた噂は瞬く間に校内へと広がった。臨時休校中、憂無は天哉に慌てて様子を聞く。
「天哉! 大丈夫だったの……?!」
「ああ、先生方……オールマイトが来てくれたお陰さ!」
天哉は安心させるように笑って言った。憂無はとりあえず安堵し、頷く。
「天哉…………その、き…………」
「ん? なんだい?」
「切島、くんは……?」
「ああ、彼も無事さ! 上鳴くんは一時、敵(ヴィラン)に捕まったらしいが……先生方のお陰で難を逃れたよ」
「そ、そっか」
憂無はホッとして手帳に書き込む。そうして手帳をパタリと閉じた。憂無はそれから『予知夢』で見た未来を使って人救けに勤しんでいた。そして──。
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DONE切島くん夢3.救けたものは頭の中の未来フィルム.3
昼時だった。それは人の波、渦、混乱。それらが肥大化し、雄英生達は我先にと外へ出ようとしていた。そのカットが終わり──次は帰り道──。
§ § §
目覚ましのアラームによって起こされる。いつものようにメモを頭に入れ、手帳の内容を頭に入れた。シャコシャコと歯を磨く。顔を洗うのも忘れずに。憂無は制服に着替えるとリビングへと向かった。
「おはよう、皆」
おはよう、と声が掛かる。憂無は目玉焼きをトーストに乗せるとマヨネーズを掛けた。特に理由は無い。そこにあったから掛けただけだ。朝食を食べ終わると天哉と共に登校する。家を出る時にはいってきます、と二人揃って言うのだ。憂無は言う。
「天哉、今日の昼は気を付けた方がいいかもしれないぞ」
5455昼時だった。それは人の波、渦、混乱。それらが肥大化し、雄英生達は我先にと外へ出ようとしていた。そのカットが終わり──次は帰り道──。
§ § §
目覚ましのアラームによって起こされる。いつものようにメモを頭に入れ、手帳の内容を頭に入れた。シャコシャコと歯を磨く。顔を洗うのも忘れずに。憂無は制服に着替えるとリビングへと向かった。
「おはよう、皆」
おはよう、と声が掛かる。憂無は目玉焼きをトーストに乗せるとマヨネーズを掛けた。特に理由は無い。そこにあったから掛けただけだ。朝食を食べ終わると天哉と共に登校する。家を出る時にはいってきます、と二人揃って言うのだ。憂無は言う。
「天哉、今日の昼は気を付けた方がいいかもしれないぞ」
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DONE切島くん夢2.皆と私と頭の中の未来フィルム.2
「ともだち………………?」
憂無は目を僅かに見開く。上鳴は少し照れているのか表情を変えて言う。
「そ、友達。この先どうなるとかわかんねーけどさ……いいんじゃね?」
な? と上鳴は言った。憂無は差し伸べられた手を取り、握手する。
「…………わかった」
「んじゃ、改めてよろしくな! 前宮!」
そうして憂無は上鳴と別れ、帰路に着く。
友達……友達かあ………………。知らない響き、未知の心の動きに憂無はワクワクとしていた。憂無は自宅のドアノブへと手を掛ける。
「ただいま!」
ただいま、という声を聞き飯田家の面々はおかえり、と声を掛けてくれた。
「遅かったじゃないか、憂無」
と天哉。憂無は言う。
5461「ともだち………………?」
憂無は目を僅かに見開く。上鳴は少し照れているのか表情を変えて言う。
「そ、友達。この先どうなるとかわかんねーけどさ……いいんじゃね?」
な? と上鳴は言った。憂無は差し伸べられた手を取り、握手する。
「…………わかった」
「んじゃ、改めてよろしくな! 前宮!」
そうして憂無は上鳴と別れ、帰路に着く。
友達……友達かあ………………。知らない響き、未知の心の動きに憂無はワクワクとしていた。憂無は自宅のドアノブへと手を掛ける。
「ただいま!」
ただいま、という声を聞き飯田家の面々はおかえり、と声を掛けてくれた。
「遅かったじゃないか、憂無」
と天哉。憂無は言う。
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DONE切島くん夢1.いざ雄英へ頭の中の未来フィルム.1
あれから半年。憂無は青革手帳に要点をまとめ、赤革手帳に毎日を綴っていた。もう、受験の季節である。憂無は珍しく次の日の夢ではなく、先の時間軸の──雄英高校受験結果を見た。結果、ヒーロー科は落ち──別の高校へと行く夢であった。憂無は慌てて天哉の母に話しに行く。
「おばさん、おばさん!!」
「どうしたの? 憂無」
それが……と、憂無は雄英の普通科も受けたいという旨を話した。
「いいけれど……急に、どうしたの?」
「いや、別に……ただ、予防線を張っておきたくて……」
天哉の母は快く普通科への受験を許してくれた。憂無はこれで安心して受験勉強が出来る。そうホッとしたのも束の間、すぐにその日は来る。
5558あれから半年。憂無は青革手帳に要点をまとめ、赤革手帳に毎日を綴っていた。もう、受験の季節である。憂無は珍しく次の日の夢ではなく、先の時間軸の──雄英高校受験結果を見た。結果、ヒーロー科は落ち──別の高校へと行く夢であった。憂無は慌てて天哉の母に話しに行く。
「おばさん、おばさん!!」
「どうしたの? 憂無」
それが……と、憂無は雄英の普通科も受けたいという旨を話した。
「いいけれど……急に、どうしたの?」
「いや、別に……ただ、予防線を張っておきたくて……」
天哉の母は快く普通科への受験を許してくれた。憂無はこれで安心して受験勉強が出来る。そうホッとしたのも束の間、すぐにその日は来る。
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DONE切島くん夢0.彼女の知らない原点頭の中の未来フィルム.0
「『おまえ』はもう自由だ」
──だから、もう敵(ヴィラン)に手を貸さずとも、こんな場所に居なくてもいい。……いいんだ。
あるヒーローが言った。
「あ……あぁ……あああ……!!」
もう、良いんだと。もう、このような息をするのにも苦しい劣悪な環境に居なくても良いのだと。安堵、葛藤、後悔。それらの感情がない混ぜになったが故に、感情が童女の双眸から零れ落ちた。少女は一旦公安委員会に留め置かれ、それからある一家に養子として入った。そして────時は六年後へと針を進める。
§ § §
フィルムのようにそれは夢として現れる。鮮明に、鮮烈に。時にはドラマのように連続して。時には断片のみが綴られる。今日の『夢』はクラスメイトが落とし物をする事と、夕刻に犬が飼い主の元を離れ車に轢かれる事。それから子供が数人の同世代の子供に虐められる現場。それから、それから、それから──。そして『夢』を見終わった後に彼女の意識は覚醒へと向かう。
5257「『おまえ』はもう自由だ」
──だから、もう敵(ヴィラン)に手を貸さずとも、こんな場所に居なくてもいい。……いいんだ。
あるヒーローが言った。
「あ……あぁ……あああ……!!」
もう、良いんだと。もう、このような息をするのにも苦しい劣悪な環境に居なくても良いのだと。安堵、葛藤、後悔。それらの感情がない混ぜになったが故に、感情が童女の双眸から零れ落ちた。少女は一旦公安委員会に留め置かれ、それからある一家に養子として入った。そして────時は六年後へと針を進める。
§ § §
フィルムのようにそれは夢として現れる。鮮明に、鮮烈に。時にはドラマのように連続して。時には断片のみが綴られる。今日の『夢』はクラスメイトが落とし物をする事と、夕刻に犬が飼い主の元を離れ車に轢かれる事。それから子供が数人の同世代の子供に虐められる現場。それから、それから、それから──。そして『夢』を見終わった後に彼女の意識は覚醒へと向かう。
北国の大使
MOURNING前回上げたアクロバットのやつ。色塗りできたー!って喜んでたら勝手にレイヤー統合されてて「????」ってなったためここまでで一旦終了にしました。解せぬ。保存かけたときにやり方間違えたんかなー。もっと勉強します。