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    Lotus

    Tonasava3gen

    DONE新十傑轟出(雪豹族ショート×羊族のイズク)
    前作【Lotus Effect】の続編。

    ※含まれている要素
    半ケモ、男性妊娠可能な世界観、引子さんの親族の捏造

    ※轟くんが最後の方にしか出て来ない
    ※筆者は冬美お姉ちゃんが好きです
    【祈りの息づく】 ヤクの背に食料と衣類を詰めた袋を括り付け、フユミは高原へ続く山道を下る。向かう先は末弟ショートと、そのつがいのイズクが暮らしている草食獣の集落だ。

     ユーエイ村と一括りに呼ばれているものの、その名が示す土地はとてつもなく広い。夏の間は各々の生き方に合わせて各地に散らばっている形態は、どちらかと言えばさとと呼ぶべき規模になる。
     力と上下関係が絶対の、狩猟を主とする肉食獣。
     自由と個人主義の、採集と農耕を行う鳥類。
     相互扶助の精神を尊ぶ、遊牧民の草食獣。
     その他にも多様な種族が暮らす坩堝るつぼのような場所がこのユーエイ村だ。
     一年の半分近くを寒く厳しい冬が占め、春と秋は夏との境目で僅かにしかないこの土地では、単独での越冬は自殺行為に等しい。そのため冬は夏の間に得た食料や物を持って一つ所に集まり、一丸となって耐えるのがこの村の慣習だ。各種族の結束によって成り立っていると言っても過言ではない。
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    Hoopono41030595

    DONE夕凪(@lotus_kwbz)さんより頂きましたお題「くわぶぜがお互い秘密にしていること」で書かせていただきました。
    結局、秘密は明らかにしておりませんが、一応秘密の内容は考えてあるんだよ。
    短刀とわちゃわちゃするくわぶぜは可愛い。
    「あー。毛利!またお弁当のピーマン、わざと下に落っことしたでしょ!」
    のどかな昼時。桑名の声が響き渡る。
    「ちっ、ちがいますよ、桑名さん。アリンコが食べたそーにしてたから、あげたんですって。」
    それに続くのは、ちょっと不満げな毛利藤四郎の声だ。
    「アリンコは、ピーマン食べません!そうやって野菜ばっかり残して……。燭台切や一期が朝早くから作ってくれたんにー。」
    桑名が、むぅっと毛利に詰め寄る。

    のんびりした遠征、そのお昼はいつもこんな感じだった。
    ふたりのやり取りを、他の男士たちもにこやかに眺めている。

    「そんなに野菜ばっかり残してると……一期に言いつけるよ。」
    桑名の勝ち誇った表情に、一気に毛利の顔色が悪くなる。

    「く、桑名さん、それはやめて……。それだけは……。」
    「えーどうしようかな。」
    ふふん、と勝ち誇る桑名に毛利が縋り付く。
    「やめてくださいよぉ。それだけは……。桑名さんが知らない、豊前さんの秘密、教えてあげますからぁぁ。」
    今度は桑名の顔色が変わる番だった。

    「え?豊前の秘密……?」
    「うん、桑名さんが絶対知らない、豊前さんの秘密です。僕、知ってるんですよねぇ。」
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