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    Hoopono41030595

    @Hoopono41030595

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    Hoopono41030595

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    夕凪(@lotus_kwbz)さんより頂きましたお題「くわぶぜがお互い秘密にしていること」で書かせていただきました。
    結局、秘密は明らかにしておりませんが、一応秘密の内容は考えてあるんだよ。
    短刀とわちゃわちゃするくわぶぜは可愛い。

    「あー。毛利!またお弁当のピーマン、わざと下に落っことしたでしょ!」
    のどかな昼時。桑名の声が響き渡る。
    「ちっ、ちがいますよ、桑名さん。アリンコが食べたそーにしてたから、あげたんですって。」
    それに続くのは、ちょっと不満げな毛利藤四郎の声だ。
    「アリンコは、ピーマン食べません!そうやって野菜ばっかり残して……。燭台切や一期が朝早くから作ってくれたんにー。」
    桑名が、むぅっと毛利に詰め寄る。

    のんびりした遠征、そのお昼はいつもこんな感じだった。
    ふたりのやり取りを、他の男士たちもにこやかに眺めている。

    「そんなに野菜ばっかり残してると……一期に言いつけるよ。」
    桑名の勝ち誇った表情に、一気に毛利の顔色が悪くなる。

    「く、桑名さん、それはやめて……。それだけは……。」
    「えーどうしようかな。」
    ふふん、と勝ち誇る桑名に毛利が縋り付く。
    「やめてくださいよぉ。それだけは……。桑名さんが知らない、豊前さんの秘密、教えてあげますからぁぁ。」
    今度は桑名の顔色が変わる番だった。

    「え?豊前の秘密……?」
    「うん、桑名さんが絶対知らない、豊前さんの秘密です。僕、知ってるんですよねぇ。」
    「…………。」
    「知りたいですか?」
    「………知りたい……。」
    今度は毛利が勝ち誇る。
    「どーしよっかなー。一兄に言いつけないなら……教えてあげてもいいですけど……。」

    桑名が絶対知らない豊前の秘密……。
    その魅惑的な言葉に、桑名は折れるしかなかった。

    ◇◇◇

    同日、同時間。


    「おい、包丁いるかーー?」
    粟田口の短刀たちの部屋の障子が開けられ、ひょいと顔をのぞかせたのは、豊前だった。

    「んー、なぁにー。」
    ごろりと横になったままこちらを向いた包丁藤四郎に、豊前はずいっと顔を近づけた。

    「お前、また俺の写真勝手に使って、人妻出会い系サイト登録したろ!街で知らねー女に声かけられて、話が合わなくって大変だったんだぞ!」

    豊前は、ちょっと怒っているようだったが、包丁はしれっと答える。
    「えー、それオレじゃねーかもしんないじゃん。」
     しかし、そう言いながらも、そーっと逃げ出す体勢だ。
    そんな包丁の首根っこを豊前はがしッと押さえてとどめを刺す。
    「お前しかいねーんだよ。『あの、包丁君ですか……私〇〇です。いつもお世話になってます!』って声かけられてんだから。」

    「あー。悪かったよぉ。だって、豊前の顔は人妻がよく釣れるんだよぉ。」
    「だからって、勝手に写真使うなっていってんだろ!」
    まわりの短刀たちも、これが初犯ではないことを知っているため、助けには入らない。

    「いでででで。」
    豊前にげんこつで頭をぐりぐりされる包丁。
    「悪かったって。お詫びに豊前が知らない桑名の秘密教えるから、許して!」

    豊前の手がとまる。
    「俺が知らない、桑名の秘密……?」
    「知りたいだろー。」
    包丁が、勝ち誇る。
    「わかった、教えろ……。」
    「じゃあ、使っていい写真、ちょーだいよ。」
    「それはダメだろ。まあ、一緒に映ってる写真ぐれーならいいか。」
    「やった!じゃあ一緒に撮ろ!」
    早速自分の端末を取り出す包丁。
    豊前は、その間もそわそわとしている。
    「撮ったら桑名の秘密、教えろよ!」

    ◇◇◇

    遠征部隊が帰還し、本丸は少しだけにぎやかになる。
    長期の遠征ではなかったし、成果も大きかったようだ。

    遠征から帰還した桑名は自室へ
    部屋で待っていた豊前は玄関へと急いで向かう。

    そして、廊下の真ん中でばったりと出会った。

    「あ、あのさ……。」
    「あ、あの……。」

    「桑名って……。」
    「豊前って……。」


    お互いの秘密を知ったふたりがより仲良くなるのは、また別のお話。
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    ☺💖☺❤💘💘💘💘💕💕💕💕💖💖💖💖
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    Replies from the creator

    Hoopono41030595

    MOURNINGくわぶぜの日りたーんに合わせて書いていたのですが、「美しい悲劇」で全て吹き飛んだので、出しそびれた。
    キス魔の豊前くんと、キスするタイミングがわからない桑名くん。
    加減がわからず暴走する桑名くんが大好き。
    桑名江はキスがしたい【くわぶぜ】「おけーり、桑名。今日も畑楽しかったか?」
    ニコニコの笑顔で、豊前が両手を広げて胸に飛び込んでくる。
    僕はそれを、両手を広げて受け止める。
    「うん、いっぱい収穫したよぉ」
    僕が、豊前の身体を引き離すようにして声をかけると豊前は満面の笑顔で「そっか、よかったな」と言いながらその唇に優しくキスをした。


    これは大広間での出来事。


    夕食前のひととき、歓談するもの、テレビを見るものなどたくさんの刀剣男士たちが集う大広間での出来事だ。

    キスをする僕たちに、びっくりするもの。冷やかしの声を上げるもの。にこやかに微笑むものなどその反応はさまざまだが、豊前は、そんなことは全くお構いなしのようだった。

    まあ、僕も豊前のかいた胡坐の膝に、頭を乗せようとしているわけだし、僕たちが恋人同士だということを知らない男士はこの本丸にはいないわけだし、日常の後継だといわれればその通りなのだが……。
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    ouse_kaeden

    DOODLEラクガキ、になるんかな。これも
    診断メーカーで出た
    『おうせ本丸のくわぶぜのBL本のタイトルは「シーツの波間で待っている」で、帯のフレーズは【 身体だけでも愛して欲しかった 】です。』をちょっぴりと

    ぶぜの「存在感すごいのに、何だか希薄」という雰囲気やばい…
    目を覚ますと…背後から緩やかな寝息が聞こえて来た。
    「…………」
     そうだな。夜明けがくるにゃあまだ早い。
     ふわりとあくびをつきながら…俺はその場に起き上がる。
     腰に回っていた桑名の腕が、へたりと敷布の上に滑り落ちた。



     昨夜の事は全部覚えている。
     呑んで。酔って。

    「自分の事なのにさ、俺は自分が今…本当に在んのか。正直わかんねぇんだ」

     言葉が零れる。

    「確実なのは、俺という自覚を持つこの身体だけ。振るう本体だって…結局は主に与えられた仮初の器だから…」

     考える事すら億劫で…
     だけど気持ちかひどく逸る。

    「……布団敷いてくるから、少し休みなね?」

     ふわっと笑う桑名の声。
     いつものように優しくて……

    「大丈夫?立てるかい」
    「…………」
    「そんな風に見上げてくるだけじゃ、解んないよ」

     なぁ。この戦が終わって…
     俺たちが全て本霊のもとに帰るとして。
     だけど。
     もしも…俺の寄る辺が逸話だけであったのなら。

    「わり…確かに深酒しちまったみてぇだ」
    「うん」

     当たり前のように桑名が俺を抱き上げる。
     多分…立てないと判断してなのだろう。
     善意 1247

    nanana

    DONE見えないものが見えるようになった🏍の話。
    まだくわぶぜ付き合ってはいない。
    ミュ本丸の話ではないですが、少しだけミュの設定お借りしてます。
    雨落つ庭(くわぶぜ)1.

     ゆめうつつで聞く雨音は鈍くどこか柔らかい。初夏の朝、ましてや雨降りの朝は少し肌寒く、豊前はつい先日薄手にした毛布をしっかりと被りなおす。明けたはずの梅雨が戻ってきた、最近の天気はそんな感じだ。もっとも、やろうと思えば審神者の力で季節さえも操れるこの本丸仮想空間では四季などそんなに意味もないのかもしれない。世の中には常春の本丸もあるという。絶えることなく桜花が降り続くというのに、いつまでたっても満開の桜が咲き続けるのは一種の狂気だ、と思ってしまうのは移り行く四季を愛するここの主に影響されたせいなのかもしれない。
     水分を含んだ空気が起き抜けの眠気を加速させる。どうせ今日は非番なのだこのままもう一度眠ってしまうのも良いかもしれない。人の身を得てからというもの、二度寝と言うものは非常に気持ちが良いものだと知ってしまったのだ。その気持ちよさと走り出したい気持ちを天秤にかけて前者を選んだ。雨で外には出られないのだし、今日はもうのんびり過ごそうと布団に体を完全に預けた。
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