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    SS

    ゆきしろ

    DONE村雨×梓。村雨と一緒に現代に帰還したif (?)。もだもだSS話。
    無印の村雨ルートしか攻略していない上に、大団円もまだで、
    幻燈ロンドで現代エンドあるって聞いただけのミリしら時空のため、
    なんか間違ってたらゴメンナサイ(。-人-。)
    一応続きがあるので、1月25日のオンリーイベントでペラペラ本にして撒きます。
    「雪に染まる日」(※冊子「彼が消えた日」の冒頭部分です)雪がちらつく一月の夕暮れ、梓は村雨の部屋で数学の宿題と格闘していた。
    リビングの小さなテーブルに教科書とノートを広げ、時折ため息をつきながらペンを走らせる。
    机の向こうでは村雨が原稿用紙に向かって万年筆を動かしている。
    時計の秒針の音だけが静寂を刻んでいた。梓は問題を解く手を止めて、彼の横顔を見つめた。
    集中している時の村雨の表情が好きだった。
    眉間に小さな皺を寄せ、時々唇を軽く噛む。どこか少年のような一面を垣間見せる瞬間だった。

    「村雨さん」

    梓が小さく声をかけると、村雨は顔を上げて困ったような笑顔を浮かべた。

    「……ん。何度も言ってるつもりだが、家では里史でいい」
    「あ。でも...なんだか慣れなくて」

    梓は頬を赤らめて視線を逸らした。付き合い始めて3ヶ月が経つというのに、まだ彼を名前で呼ぶことに照れを感じてしまう。
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    uxiro_xxxx

    TRAINING【嶺蘭SS】
    8月31日 / 夏の残像

    嶺蘭要素薄めだけど、私の中では嶺蘭です。蘭丸ASメモリアル「夏休みの作文」要素を入れてます。
    #ういの夏の嶺蘭強化月間シリーズ
     茹だる夏は蜃気楼に溶けていく。
     そしてまた、嗚咽のような波音がやってくる。大きな黒い波は、すぐにぼくを飲み込んで、口の裂けたクラムボンがメメント・モリの合唱をする。不協和音に苛まれ、ぼくは逃げ場を探す。遠く見える緑を目指して駆けて行く。緑の中へ、緑の中へ! 
     眩しい太陽に照らされた、真夏の緑。けたたましい蝉の声、水滴が残る朝顔。ぼくは見た。
     真っ白な少年はいつもそこにいて、ぼくを見つけて振り返る。丸い瞳を向けて、輝く髪を揺らす。心地良い暑さと、赤の実と、真っ白な少年。でもぼくは、いつもこのことを忘れてしまう。

     おはよう、絶望。


     *   *   *


     無機質なエアコンの送風音、壁越しに伝う忙しない足音に物音。とあるテレビ局の楽屋の一室で、寿嶺二は、本日出演するバラエティ番組の台本に目を通していた。今回の出演は、所謂ひな壇。内容は、夏のおすすめスポットを紹介し、そのテレビ局が運営する夏イベントの中継も兼ねた生放送番組だ。事前に用意されていたトピックスには、出演者の夏の思い出に関する内容もあり、嶺二は復習するように目を通していた。さらに、今日の出演者にはシャイニング事務所からもう一人いた。
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