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    TIME

    lien_lapin

    TRAININGits time to get down with me (カプ妄想語ったーより// https://shindanmaker.com/169048 電車で2人座っていると、いつのまにか片方が寝てしまった時について語りましょう。)電車の規則的なリズムが心地よい。テスト最終日。教師たちは採点があるからと早々に学校を出る羽目になった。テストお疲れ様会をしようと提案してくれた加州たちに断って、真昼の人気が少ない電車に乗り込む。隣でこちらに寄りかかって熟睡している大倶利伽羅の柔らかい髪が少しくすぐったくて気持ちいい。膝に乗せたカバンの陰にある二人の間でそっと握られている手のひらの温度の境目がだんだん曖昧になって溶けてしまいそうだった。
    遠くまで行ってしまおうか。
    まだ学生だ。心配性の兄弟がいるから、夕方までに帰ってこなかったらすぐに連絡がくるだろう。スマホの電源を切ってしまったら。
    終点の駅まで一時間半。だけれどすぐに折り返しになるから夕方には帰ってきてしまう。乗り過ごしに気付かない振りをすればいい。あと2駅。
    別に明日だって明後日だって会えるのだ。今日が最後の別れじゃない。卒業しても互いに地元の大学への進学を目指しているのに、この時折降ってくる不安は何なのだろう。
    「…ん」
    ぐずるような声があがって首筋の髪がすれた。存外甘えたがりなところがあるのだと知ったのは付き合いだしてからだ。普段は自分一人で生きていけるという雰 1953

    a_la_do

    DONEhoney drop,melty time
    ヴァーレインとアリエスくんの話

    -.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-
    honey drop,melty time

    手元の書類を読み終えると、ヴァーレインは小さくふうと息をついた。探し物屋に依頼していた調査に関する中間報告書だ、難しい内容ではない。……ではないのだが、読み終えるまでは、いつも少し緊張をしてしまう。

    依頼したのは死んだ母親の形見。大きなアンティークのブローチだ。随分昔に手を離れ、それきり行方がわからない。手がかりは小さな写真一枚きり。金属細工の中央に埋め込まれた、まばゆく大きな石。それが高価なものなのか、それとも量産品のありふれたものなのか、それすらもわからない。
    そんなものをあてもなく探すことが、途方もないことである自覚は持っていた。目新しい報告があがることもそうあることではない、知っている。
    しかし、それは落胆や失望といった類とは違う感情だった。
    どこか予定調和的な、それでいて裏切られることを望むような期待感。夜空を見上げた瞬間に目の前を未知の飛行物体が横切ることを期待するような、他人が聞いたら笑ってしまうかもしれない、でも切実で純粋な幼い願いにも似ている。

    「よみおわった?」

    隣に座る少年は、ケーキを口に運びながらレイの様子を覗 4213