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    lien_lapin

    @lien_lapin
    20↑すでに成人済(͒ˊ㋓ˋ˶)͒//相模審神者//ハピエン至上主義。美人は受。ショタ萌・美少年萌・人外萌
    krnb供養用。

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    its time to get down with me (カプ妄想語ったーより// https://shindanmaker.com/169048 電車で2人座っていると、いつのまにか片方が寝てしまった時について語りましょう。)

    ##くりんば

    電車の規則的なリズムが心地よい。テスト最終日。教師たちは採点があるからと早々に学校を出る羽目になった。テストお疲れ様会をしようと提案してくれた加州たちに断って、真昼の人気が少ない電車に乗り込む。隣でこちらに寄りかかって熟睡している大倶利伽羅の柔らかい髪が少しくすぐったくて気持ちいい。膝に乗せたカバンの陰にある二人の間でそっと握られている手のひらの温度の境目がだんだん曖昧になって溶けてしまいそうだった。
    遠くまで行ってしまおうか。
    まだ学生だ。心配性の兄弟がいるから、夕方までに帰ってこなかったらすぐに連絡がくるだろう。スマホの電源を切ってしまったら。
    終点の駅まで一時間半。だけれどすぐに折り返しになるから夕方には帰ってきてしまう。乗り過ごしに気付かない振りをすればいい。あと2駅。
    別に明日だって明後日だって会えるのだ。今日が最後の別れじゃない。卒業しても互いに地元の大学への進学を目指しているのに、この時折降ってくる不安は何なのだろう。
    「…ん」
    ぐずるような声があがって首筋の髪がすれた。存外甘えたがりなところがあるのだと知ったのは付き合いだしてからだ。普段は自分一人で生きていけるという雰囲気を纏わせているからか、大倶利伽羅からの滅多にないお願いに弱い。
    くん、と指が引かれて、視線を横に向けた。まだ起きる気配がない。ほっとしたような、残念なような。
    起きて、馬鹿なことは考えないで降りようって手を引いてほしい。
    ガタンガタン。停車していた電車が動き出す。後一駅。いっそ睡魔がやってきてくれたら。
    向かいの席に座っていた人影は先ほどの駅で降りてしまって、見慣れた風景が大きな窓を流れていく。
    電車が徐々に減速していく。大きな駅ビルはもう目の前だ。
    「伽羅、起きて」
    繋がれていないもう片方の手で伽羅の身体を揺すっても、長い睫に縁どられた瞼は開かない。プシューと空気が吐き出す音がして、伽羅のすぐ隣のドアが開く。出て行く僅かな人の流れが終わって、何人かが乗り込んでくる。
    「起きて、起きてって」
    繋いだ手は指がしっかりと絡んでいるせいでほどけない。入り込んできた人の視線がちらりとこちらを向いた気がするけれど、一緒に起こしてくれるはずもなく、そうこうしているうちに発車のベルが鳴り響いて、ドアがゆっくりと閉じて行った。
    ガタタン。ガタタン。少しずつ加速し始める電車は、見慣れない景色を見せてくる。
    帰ったら大倶利伽羅の家で、光忠さんが作ってくれたテストお疲れ様のご飯を食べる予定だった。今日はお仕事が休みだから、豪勢なご飯を作るからねって楽しげな声で告げられたのを思い出す。
    次の駅で引き返せば。
    きゅう、と指先に力が込められて、慌てて隣を見た。まだ瞼を閉じていて、起きた気配はない。
    少し遅れると連絡すればよいだろうか。バッグの中に入れっぱなしだったスマホを取り出せば、褐色の手がするりと手のひらからスマホを抜き取っていった。
    「連絡しなくていい」
    起きていたのか、とか、スマホを返して欲しいとか、言いたいことはいっぱいあった。取り上げられたスマホは伽羅の向こう側のコートのポケットに隠されてしまった。
    「テストで疲れて寝てたから、終点まで行ったんだ」
    「な、なに…」
    まだ引き返せると声がする。
    帰ったら今日は光忠さんがいるから二人っきりじゃなくて。伽羅も手伝いに駆り出されるだろうからゆっくり過ごせる予定じゃなくて。テスト期間も一緒にテスト勉強していたけれどゆっくり過ごせるのは久しぶりで。
    「テストで疲れただろう」
    絡んだ指ですりり、と手の甲をなぞられて、ぞくりと走った刺激は隠す暇もなかったからバレているだろう。かさついた指が、促すようにすり、とまだ肌の上を滑っていく。
    「駆け落ちっぽくて、いいだろ」
    たったの三時間だけどなと笑って、伽羅が俺の肩から頭を起こした。肩が揺らされて、寄りかかるのを促される。
    共犯になれ、と言われているようだった。
    「国広」
    おねがい、なんて囁くような声で言うのはずるい。断れないのを知っていて、勝ちを確信したように笑っているのもずるい。
    せめてもの意趣返しにと、強く大倶利伽羅に寄りかかってもしっかりと受け止められてしまって、涙が混みあがってきそうになるのは何だろう。胸の中がいろんな感情でパンパンに膨れ上がっていく。
    二人の間で絡んでいた指がしっかりとつなぎなおされて、伽羅の肩に預けた頭に伽羅の髪が降りてくる。互いに寄りかかって目を閉じて、だった三時間の逃避行だ。帰ってきたら二人で怒られればいい。

    電車の揺れるリズムが気持ちいい。隣にある体温が気持ちいい。つないでいる手の温度の境目がなくなって。
    いっそこのまま二人で溶けてしまえたらいいのに。
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    lien_lapin

    TRAININGCPでは(多分)初のにゃんちょぎ。唯一GWを何に使っているのかと小一時間(自戒)団地妻ちょぎちゃんと、運送屋にゃんせんくん。運送屋にこだわったのは、ユイさんちのにゃんぢょぎちゃんのお話の刷り込みが強い…げふげふ。玄関で、来客を知らせるチャイムが鳴る。古い団地だから、チャイムの音もどこか歪んで玄関の天井に響いていた。在宅ワークのおかげで、家から出ることは本当に僅か。出かけても近所の商店街までしかいかない。だって欲しいものは何でも通販で手に入る。どこにもいかないで、ずっとこの家にいて欲しい、というあの人の言葉に頷いたのは自分だった。だけれど、そのあの人も単身赴任でもう二か月も顔を見ていない。ネットカメラで話すのも考えたけれど、多忙な彼の負担になりたくないと言いかけた言葉は飲み込んだ。カメラの代わりに、一日一度だけでもメッセージが届くから、それで満足だ。
    「お届け物です」
    低めの、若い男の声に慌ててキッチンテーブルに出していたハンコを手にする。チェーンをつないだままの細く開けた玄関の隙間から見えたのは、もうすっかり見慣れた宅配業者だった。前の担当者はずいぶんと年齢が上の男性で、ちらちらとこちらを詮索するような視線が嫌で一時期通販を控えていた。腰を痛めて辞めてしまった代わりに来たのが彼だった。
    回ってくるのはたいてい夕方。遅番の配達員と入れ替わる前。『美人に届けて一日の仕事が終わるのが最高だと思う』と 3275

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    MOURNINGこの間のランジェリーモデルんばちゃんとカメラマン伽羅ちゃんの話の続きの続き。あーいう雑誌って肖像権どうなってるんだろうなーっていつも余計なことを考えてしまいます…とりあえずお付き合いが認められたところまで(ネタばれ)あと1つ(えっちっちなの)書けるといいなぁ…スタジオに入ってからずっとひりついたような、よそよそしい空気があった。今日に限って見知らぬスーツを着た男が数人、そして普段はなかなか合わない事務所のスタッフが二人。まるで何かありましたと言わんばかりの空気なのに誰もそのことに触れようともしない。
    スタジオに男性が多いのは、今日はモデル撮影ではないからだろう。先月から打診されていた俺のプロデュースインナーの仕上がりを確認する日だ。ここのランジェリーは着心地も良ければデザインもかわいらしくて、この間同じ事務所のアイドルグループがベビードールで浜辺で遊ぶMVでも着ていて話題になったほどだ。ありがたいことに俺が選んで着たランジェリーの売り上げが良いらしく、ならばデザインもしてみたらどうかと言われたのだ。渡されたスケッチブックにラフを描きこんで、そこから選んで作ってもらえるらしい。
    2冊みっちりと描いたスケッチブックからランジェリーが5種類、ガーターストッキングとベビードールが4種類、パジャマは3種類。ここから出来上がりを見て判断されていく。自分の理想が形になるのはとても緊張する。ここに来るまでに珍しく電話をくれた長義が出来上がりを楽しみにしてい 6986

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    MOURNINGこの間のランジェリーモデルんばちゃんとカメラマン伽羅ちゃんの話。んばちゃんside。意識し始めたきっかけ的な。夢の影響って結構大きいんだよねっていう話を聞いたので。目の前にはくすんだ金色の額縁に飾られた写真がある。その隣に大きく開いたガラス戸の入り口から見える景色は良く知っているものだ。海辺にある美術館。駅からバスを2回乗り繋なければたどり着けないせいか、人気は驚くほどに少ない。展示会目当てで来る学生か、地元の住人がほとんどだろう。アイドル時に、人のいない場所を求めて見つけたこの美術館は人の少なさのおかげでよく利用していた。時折聞こえてくる波の音を聞きながら、飾られている写真をぼんやり見て回れるのがいい。
    写真を見ているからと言って写真に詳しいわけじゃない。いまだにアーティスト写真の撮影は嫌いだし、テレビに出るのも苦手だ。踊るのと歌うのだけ好きで、なぜ自分が今の職業を続けているのかもわからない。子役出身の長義にそっくりだからアイドルの相方に選ばれたのだという噂にはしっくりくるけれど。長義がすごい性格が嫌な奴だったらすぐに辞められたのに、人に厳しい以上に自分にも厳しいから、ついつい続けてしまっていたのだ。そのアイドルも去年惜しまれつつ解散した。24歳まで、という期限付きだったからだ。長義は女優に、残された自分は事務所の社長が進めるままにモデルになっ 3567

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    MOURNINGユイさんに妄想を(勝手に)送っていたランジェリーモデルのんばちゃんとカメラマンの大倶利伽羅くんの話。BGMはポルノの『元素L』大きなスタジオのセットには、ふんだんにオーガンジーの布が閃いている。その中心にあるアンティークな腕置きの付いたソファーには、一人の女性が下着だけの姿で身を横たえている。絶え間なく焚かれるフラッシュと、天井から下げられている布を靡かせるために大きなサーキュレーター、撮影の気分を盛り上げるためだろうゆったりとした音楽だけが空間を埋め尽くしている。
    ランジェリーモデルと言えば昔であれば眉をしかめられそうなものだが、海外のランジェリーモデルの影響もあるのか今では彫刻とも呼べそうな女性の理想を凝縮したプロポーションを維持しているからか憧れの職業になりつつある。彼女たちの生活の一挙手一投足が常に話題の中心になる。
    過去有名アイドルだった山姥切も有名ランジェリーショップの専属モデルの一人だ。アイドル当時からすらりと伸びた陶器肌の手足は話題に上がっていたのだから、アイドル卒業後の進路としては誰もが納得していたのだろう。
    これで6着目の撮影だというのに、疲れた様子を見せないのはさすがというべきか。頭の先からつま先まで、商品をよりよく見せるポーズというのは体幹を鍛えていなければすぐに崩れる。今のポーズの維 4627