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    euphoria

    Tora_sxd

    REHABILIタクトワ。タク√でeuphoria後の小話。am 4:51。
    微かなシーツの擦れる音に意識が覚醒する。ほっとするような陽だまりの温かさにそっと瞳を開けた。視界に入るのは肌色だ。自分のではなく、タクの。身体に感じる重みと、絡まされた脚に抱き込まれているのだと知覚する。
    身動ぐもその拘束が取れる気配はない。わざわざ抜け出す気もないので、視線だけで室内を伺った。

    タクのマンションの寝室だ。タクが新神海に戻ってきてから、ほとんどタクの家で過ごしている。むらせクリニックの三階はアトリエと化し、気が向いたときに筆をとるために戻る位しか訪れることはない。
    タクを待っていたあの一年とは違い、もうタクだけを描くことはなくなった。しかし、彼と見たものや、彼を見て感じたものを描くことが増えた、と思う。それは写実に描くときもあれば、感覚に身を任せ形のないものもあった。いつだったか。レイがトワの絵を見たときに「今のトワの絵、とても素敵よ」と溢した。まるで胸に込み上げる何かを噛み締めるように絵を見ていたからよく覚えてる。


    遮光カーテンの裾から朝の光が滲み出ている。
    まだ起きるには早いだろう。外の喧騒は聞こえず、鳥の囀りがたまに聞こえる位の静かな朝だ。 1356