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    干支

    hai_kujira

    MOURNING4スのふんわり現パロ、うっすら転生。この世は全てご都合主義に干支のうさぎ要素を入れた過去一(頭が)ゆるゆるな話です。
    4くん視点→スレちゃん視点になっています。

    地雷無き方のみお進み下さい。
    きみと一緒にいたいから スレッタ・マーキュリーと僕が一緒に暮らし始めて、長い時間が過ぎた。

     まだ眠気に浸る意識の外で、持ち主よりも早起きな聴覚が物音を拾う。それを足掛かりとして他の感覚も一つ一つ機能しだした。
     真っ暗なのは布団の中に潜っているからで、安心する匂いに包まれているのはここがスレッタのベッドだから。温かさが半分になっているのは、彼女が起きてしばらく後だから。
    「おはようございます、エランさん。すみません、起こしてしまいましたか?」
    「……おはよう、スレッタ」
     埋もれていた布団から顔を出すと、スレッタがそこにいた。もう身支度を整えた後の様だ。背中に広がる長い髪もいつも通り一つに結えられている。
     彼女はこの後、マフラーを巻いて出かけて行く。今日のように寒い日は、首を温めることで体温を保つらしい。手に持つ長い布がそれだと僕は知っている。ある日「見て下さい、エランさんと同じ色のマフラーなんです!」とスレッタが嬉しそうにしていたからだ。
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