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    PAST鶴獅子のあられもない話。by2016年「どうかしたのか、小狐丸」
    「……尻が痛い」
    「なんでまた尻なんか。転んだのか?」
    「昨夜、尻の穴にぶち込まれてヒンヒン言わされたんじゃ。察しろ」
    「わかるか、んなもん」

    という小狐丸とのあられもない会話の途中で、獅子王はひょいっと宙に浮いた。
    否、浮いたのではなく、抱えられて持ち上げられた、と表すのが正しい。
    すわ何事かと思えば、いつの間にやら二人の間に鶴丸国永が割り込んでいて、まるで横取りでもするかのように自分を抱き込んでいるのであった。
    顔をしかめて、まるで睨んでいるかのよう。

    珍しい、と獅子王は驚きのあまり非常にドキドキし始めた。
    普段の温厚篤実・余裕綽々といった様子とは真逆の自分本位なその行動から察するに、どうやら彼は腹を立てているらしい。
    有無を言わせぬ厳しい声で、ぴしゃりと言い放つ。
    「獅子王にそういう話をするのは、やめてくれないか」

    小狐丸の話は、それで仕舞いだ。
    鶴丸は、言うが早いか、獅子王を抱え上げたまま部屋を飛び出し、あっという間に離れたところに位置する彼の私室へと運び込んでしまう。
    ぴしゃんと戸も閉められた。
    二人きりで向かい合い、まず強要されたのは正座。 3584