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    マルシェ

    31huji_tou

    MAIKINGくりみつマルシェで出したいやつ「…光忠に言ったが、驚かなかった」
     ぱち、と目が丸くなる。お、とこぼれた声が滑るように落ちて、膝からクッションが落ちた。
    「そうか、言ったのか!」
     パッとその顔に広がったのはやっぱり笑顔だ。なにがそんなに嬉しいのか、そうかそうかと繰り返していそいそとテレビを消している。
     くるみのパンを四つ、まとめてトースターに入れた。その間にと冷蔵庫から出した卵を割ってフライパンに流し込む。かしゃかしゃと箸で混ぜていたら、隣にきた鶴丸が、それで、と覗き込んできた。じゃまだと腕を押せば、そう言うなと棚から皿を出してくる。いつもの白い皿を二枚並べてからトースターの様子を見て、冷蔵庫からバターを取って、ついでに牛乳も取っていた。
    「驚かなかっただけか?」
    「………、困っていた」
    「そうか」
     ほろほろと箸の先で崩れてきた炒り玉子を皿に出した。適当に二人分に分けて盛り、焼けたパンを並べる。テーブルには牛乳がなみなみと入ったグラスと、林檎ジュースの入ったグラスがあった。それを見てふと思い出し、昨日の残りのサラダも冷蔵庫から出しておく。マカロニと、ハムときゅうりのサラダだ。もうあまり量がないが、朝食になら十 635