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    キビ

    みそぎ

    PROGRESS進捗です
    花はきびょうのやつ
    ラ監

    花吐き監督生と被害者Rくん


    「私は花は好きだけど嫌い」
    彼女は苦虫を噛み潰したような、なんとも難しい顔をしているのを遠くで見たことがある。
    それはオレにとって、にわかに信じがたいことだった。





    彼女が花を吐いた。
    そう、花を吐いたのである。読んで字の如くそのまま、色鮮やかな花たちを地面に向かって吐いて、うずくまっている。
    オレは呆然として、ただ突っ立って見ていた。

    昼休みも終わりかけの午後、必修の授業があるのに呑気に惰眠を貪り、単位を落としかねない我が寮長、レオナさんを植物園まで探しにきた。いつもいるような場所を見渡してみるが、そこには優雅に眠るライオンの姿はどこにも見えない。
    「あの人どこいったんだよ…」一人ごちてため息をついた。
    ふと、人の気配を感じた。植物園に立ち寄る人自体は少なくないが、この時間にくる人などそうそういない。ちょっとした興味心を持って、気配のする方へ歩いていく。植物園はいつ来ても植物で生い茂っていて自然そのものだ、すこしだけ故郷を思い出す。だからだろう、レオナさんがここに昼寝しに来るのも、それがあるのではないかと思う。そんなことを考えながら静 6580