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    蘭丸

    other8e

    MOURNING覚えていない蘭丸「れぇじ」
    熱のこもった甘い声で直接耳に注ぎ込むように名前を呼ばれて思わず膝の上でぎゅっと指を握りしめてしまう。
    腰に手を回され引っ張られたと思ったら、ランランに抱っこされる形で座らされた。おなかには後ろから回されたランランの腕。シャツが少しめくれて、肌に直接触れる腕はとても熱い。

     酔っ払ったランランはたちが悪い。好きだともなんにも伝えてくれないのにこうやってぼくをドキドキさせるようなことをする。
    はじめてされた時はびっくりすると同時に嬉しくて泣きそうになってしまったのに、翌朝目覚めたらすっかり忘れてるものだから腹が立って蹴飛ばした。

     それなのに今日もまたランランにお酒をすすめて酔わせようとしている。10回に1回くらいの成功率。今日はどうかな。結構いい感じに飲んでるけど。隣に座るランランをちらりとのぞいて、トロンと朱に染まった目元に成功を確信する。
    「ランラン?」
    大丈夫?と言外に含めて名前を呼べば、ランランの視線がぼくに向かう。
    れぇじ。ひらがなだけにしか思えない舌ったらずな甘ったるい声でぼくを呼ぶ。
    「なあに?」
    ん、と両腕を広げるランランに誘われるままその腕の中におさまる 903