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    エックス

    masasi9991

    DONEエックスとアクセルがなんか喋ってるゼロクス花のこと


     朝、誰よりも早い時間にエックスがハンターベースに出勤してるのは特に珍しくもないことだけど、今日はその手にちょっと珍しいものを持っていた。
     多分それに必要なのは水と太陽の光と酸素と電池……あとは、伝統的には花瓶かな? でもそんな骨董品がこんなところにあるわけないから、エックスはしばらくオペレーター室のあちこちを探し回ったあと、結局特にいいものが見つからなかったらしく自分がいつも使ってるガラス製のコップに水と電源を突っ込んでいた。
    「そのコップ、割れちゃったりしないかな?」
    「大丈夫じゃないか。何度か床に落としたりしてるけど、意外に丈夫だ」
    「へー、エックスもそんなそそっかしいことあるんだ」
    「緊急で出撃要請が出たりすると、時々な」
     エックスは少し照れくさそうにそう言った。でもボクがハンターベースに来てからは、そこまでそそっかしいエックスの姿は見たことがない。結構昔の話なんだろうか、と昔っぽいデザインのガラスを見て想像する。
     それにしてもシステムの電源からコードを拝借して水の中に直接ケーブルを突っ込んでるから、なんだか見た目にはやっぱり危なっかしい。わざわざ有線で電力 1582

    masasi9991

    DONE何かと戦っているエックスとゼロ先輩TRAGEDY


     首が飛んでった。一つじゃない。いくつもだ。首だけじゃない。腕も足も胴も。一人じゃない。被害状況は? 考える暇はなく、情報も足りない。それはもはや俺の仕事じゃない。
     肉塊から吹き出した飛沫は混ざり合って一塊に路面に飛び散った。跳ね回る雫はどうせ全てひび割れたアスファルトの上へ落ち、やはり皆んな混ざって流れていく。
     薄暗い曇り空のビル街の隙間の時折雲間からちらつく昼間の光の反射する血液の表面の脂質様の虹色の光沢が未だ熱を持ち湯気を上げる、冬の市街に白い湯気を一種幻想じみた白さを、人血による霧が浮かび足元はぬかるむ、走れば血と肉が跳ね上がる、人混みを掻き分けながら、まだ生きている人々の群れを掻き分けながら、瞬時奪われていく命をセンサーに感じながら、命、悲鳴、首、体温、血液、呼気、言語、臓物、皮膚、眼球、衣服、排泄物、頭髪、飛んでく。両眼のカメラ・アイが曇る。
    「十三地区へ! 十三地区方面へ逃げてください!」
     カメラ・アイの曇ったレンズは瞬き一つでクリアになる。
     オペーレーターからの通信でリアルタイムに届く避難経路をそのまま口に出して叫ぶ。誰にも聞こえていない。上 2379