円/ヒルマ
PAST夏秋キリシマ兄が言い訳をやめる日の話
兄弟過去編掲載前に支部に載せてたものそのままなので、何かとご容赦ください。
言い訳が長いにもほどがある1月も終わりのある明け方、目覚めたら隣で眠っていたはずの夏彦の姿はなくて、就寝時には確かに枕元の充電ケーブルに繋がれていたスマホも見当たらなかった。
普通なら、シャワーを浴びているのだろうとでも思うところかもしれない。でも、そこは腐っても兄弟だ。妙な予感にベッドを出て玄関に赴いてみると案の定、夏彦の上着とスニーカーが消えていた。
「あのアホ……」
電話をかけてももちろん出ないし、メッセージを送っても未読のままだ。さてどうしてやろうかと思ったその時、思い当たった。夏彦は俺のワイヤレスイヤフォンを勝手に使っていて、いつもボディバッグの中に入れている。
スマホでイヤフォンの位置情報を検索すると、10kmほど離れた海沿いにいることが分かった。俺の車は使っていないようだから、タクシーにでも乗ったのか、徒歩で行ったのか。
4235普通なら、シャワーを浴びているのだろうとでも思うところかもしれない。でも、そこは腐っても兄弟だ。妙な予感にベッドを出て玄関に赴いてみると案の定、夏彦の上着とスニーカーが消えていた。
「あのアホ……」
電話をかけてももちろん出ないし、メッセージを送っても未読のままだ。さてどうしてやろうかと思ったその時、思い当たった。夏彦は俺のワイヤレスイヤフォンを勝手に使っていて、いつもボディバッグの中に入れている。
スマホでイヤフォンの位置情報を検索すると、10kmほど離れた海沿いにいることが分かった。俺の車は使っていないようだから、タクシーにでも乗ったのか、徒歩で行ったのか。
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DOODLE夏秋前提の秋+圭。圭ちゃんは主人と智将の間ぐらいの感じ。らくがきです。
関西弁ふんわり。
平和な桐島兄弟の話。みんなそこそこ大人。
都内の居酒屋。その個室の掘り炬燵の席で、圭は秋斗と二人、ゆるりとくつろいでいた。
秋斗と飲むのはよくあるが、こんなにだらりとした空気になるのは珍しい。緊張感があるわけではないが、酒が入ったからといってくだを巻くことは秋斗も圭もない。ほどよく酒を飲みながら、楽しむ会話。しかも秋斗はザルなのか、いくら酔っても顔を赤らめることもない。
しかし今日はどうだ。テーブルに置かれた日本酒の入った徳利は本日二本目だが、一本目も含めて圭と分けて飲んでいる。秋斗と同じ大学野球部に所属していた圭は、秋斗がかなりやんちゃな飲み方ができるのも知っている。それに比べたら、本日の飲酒量は大変ささやかだ。だというのに、秋斗の顔にはすでに朱が差している。
1518秋斗と飲むのはよくあるが、こんなにだらりとした空気になるのは珍しい。緊張感があるわけではないが、酒が入ったからといってくだを巻くことは秋斗も圭もない。ほどよく酒を飲みながら、楽しむ会話。しかも秋斗はザルなのか、いくら酔っても顔を赤らめることもない。
しかし今日はどうだ。テーブルに置かれた日本酒の入った徳利は本日二本目だが、一本目も含めて圭と分けて飲んでいる。秋斗と同じ大学野球部に所属していた圭は、秋斗がかなりやんちゃな飲み方ができるのも知っている。それに比べたら、本日の飲酒量は大変ささやかだ。だというのに、秋斗の顔にはすでに朱が差している。
kikhimeqmoq
DONE桐智と夏秋 2024/11/03夏彦から見た桐智の話ですが、キスするのは智将と夏彦です。前半は夏彦高一、後半は夏彦高二です。
俺の前からひらりと去っていった「秋斗!晩ご飯には帰ってくるんでしょ。七時だからね」
「あー、たぶん、大丈夫」
「多分やなくて、ちゃんと帰ってくるんやで!正月くらいウチでご飯食べや!すき焼きやで!」
へいへい、と適当に返事をしながら、秋斗は靴の爪先をならした。とんとん。
「出かけるんか」
「お前には関係ないやろ」
「質問したらあかんのか」
苛立った夏彦が壁を叩いた。面倒くさそうにしていた秋斗は、糸目の笑顔に切り替わった。言い争うつもりはないらしい。
「シニア時代の奴らとマクド行くだけや」
「東京やったらお前もマックって言っとるんやろ。ウザ」
夏彦はなにやら嬉しそうなニヤけた声で煽った。
「マックなんて言うてへんわ。そもそも、寮以外で飯なんか食わんやろ」
3210「あー、たぶん、大丈夫」
「多分やなくて、ちゃんと帰ってくるんやで!正月くらいウチでご飯食べや!すき焼きやで!」
へいへい、と適当に返事をしながら、秋斗は靴の爪先をならした。とんとん。
「出かけるんか」
「お前には関係ないやろ」
「質問したらあかんのか」
苛立った夏彦が壁を叩いた。面倒くさそうにしていた秋斗は、糸目の笑顔に切り替わった。言い争うつもりはないらしい。
「シニア時代の奴らとマクド行くだけや」
「東京やったらお前もマックって言っとるんやろ。ウザ」
夏彦はなにやら嬉しそうなニヤけた声で煽った。
「マックなんて言うてへんわ。そもそも、寮以外で飯なんか食わんやろ」
pisqrd
DONE・中学生夏秋・体格差わからせ擬似セッ
・夏モブあり
【夏秋】体格差わからせ擬似セッ 玄関の扉が開く音を聞いて、夏彦は机上のデジタル時計を確認した。午後9時半。いつもより1時間ほど遅い帰りだ。
この間に溜め込んだ胸のムカムカのせいで手をつけられなかった宿題のワークブックを閉じた夏彦は椅子から立ち上がる。階段を上がってくる足音を聞きながら部屋のドアを開けると、ちょうど階段を登り切った秋斗と目が合った。
野球バッグを肩にかけた秋斗は、いつもの練習終わりよりもいささか疲労の色が濃く出ていた。夏彦が待ち構えていたことくらい分かっているだろうに、秋斗は無言のまま自室に入ろうとする。目の前で閉まってゆくドアを掴んで秋斗の部屋に一歩踏み入れると、秋斗は迷惑そうに夏彦を見た。
「今日は遅かったんやな」
3621この間に溜め込んだ胸のムカムカのせいで手をつけられなかった宿題のワークブックを閉じた夏彦は椅子から立ち上がる。階段を上がってくる足音を聞きながら部屋のドアを開けると、ちょうど階段を登り切った秋斗と目が合った。
野球バッグを肩にかけた秋斗は、いつもの練習終わりよりもいささか疲労の色が濃く出ていた。夏彦が待ち構えていたことくらい分かっているだろうに、秋斗は無言のまま自室に入ろうとする。目の前で閉まってゆくドアを掴んで秋斗の部屋に一歩踏み入れると、秋斗は迷惑そうに夏彦を見た。
「今日は遅かったんやな」