sardine57817
CAN’T MAKE灰七ドロライ「指切り」用。あの世界、悪い霊ばかりではないのでは?という想像から書き進めていたけどいまいち気分が乗らなかったので供養。心中立異聞
呪術師を生業にしているからか霊イコール悪、というような偏見が少なからずある。が、今回のケースは少し特殊だ。直接危害を加えるわけではなく、通り掛かった人間に小指の第一関節にくるりと一周指輪のようにマーキングをして回るという何ともふざけたものだ。それも二十歳前後の女性ばかりだという。しかし呪いだった場合の効果は未知数ということで今回七海と灰原の二人が派遣された。
かつて遊郭が栄えたといわれる都内某所。見返り柳の下にそれらしきモノはいた。
「法被姿に天秤棒……江戸の町人みたいだ」
「そうだね! 大○越前とか水戸○門で見たことあるね!」
「そんな悠長なことを」
「さてどうやって祓う? 七海」
実害があれば祓ってしまうというのがセオリーだが定石通りにはいかないようだ。何しろこいつから呪力をほとんど感じない。ただ
「オマツ……オマツ……ウゥゥ……」
と未練がましく呻くばかりで、二人はますます混乱した。
「オマツって誰かな?」
「さぁな」
高専の地歴科の教員に問い合わせようと七海が携帯電話を取り出したとき、異変は起こった。写真て見た被害者たちと同じように七海の右手の小指に例の 1092
sardine57817
MAIKING灰七ドロライ用。この後特別なときに使おうと思ってときどき練習するんだけど最終的に弔辞を書くっていう鬱展開だったはず。プレゼントを貰うということにどうにも自分は不慣れな人間だ。渡すならまだしも、受け取ったらその厚意をどう返せばいいかで頭を悩ましてしまう。備え付けの学習机の抽斗を開け、白い箱を見つめては自然と溜息が洩れる。年齢的にも精神的にも分不相応なそれを持て余し、いまだに箱の中に入ったままであった。
高専に入学が決まったとき、「入学祝に」と遠くに住む祖父から万年筆が送られてきた。彼の地に足を踏み入れたこともなければ、実際に会ったことすらない肉親というのはどうもピンとこない。年に数回のグリーティングカードのやりとりと金髪碧眼という遺伝子情報だけが彼と自分とをかろうじて繋いでいることを実感する。……そう言えばカードの筆跡は流れるような美しい筆記体だった。
明くる日の放課後、白い箱を携えて灰原の部屋を訪ねた。
「もん、とぶらん……く?」
「モンブランです」
「あ、ケーキの名前?」
「いえ、白い山という意味です。アルプス山脈の山の一つ」
「でもケーキは栗色だよね」
「それは元々の山の地形を表現していて、白というのは山頂の溶けない雪を表しているんですよ」
「さすが!七海は博識だね!!」
このままの調子 711
a_akai_chan
MOURNING夏五とちょっと灰七/五条がケーキを作る話/高専召しませ愛のショートケーキ♡高専の校舎内を歩いていると、この世で一番面倒臭い先輩に絡まれた。
「なー七海ぃー。七海はさぁ、世界一強くて顔も良くて器量もあって実家も太くて逆に何がないの?って聞かれるくらい唯一無二の最高の恋人に食べさせてもらうなら、ショートケーキとチョコレートケーキのどっちがいい?」
「…………もしかしてですけど、それ自分のこと言ってるんですか?」
だとしたら自己肯定感がエベレスト並みの先輩だ。しかし、それらの賛辞の言葉は、彼にとってはあながち過分ではないから困る。
「いや勿論そうだけど。てか何だよ七海、なんでそんな嫌そうなカオしてんの。街中でアンケートにご協力くださいって言われて立ち止まったら宗教勧誘だった時みたいな顔じゃん」
「いえ、まだそっちの方が対処しようがあるのでそれほど嫌とは思わないです。逃げるか警察呼ぶかすればいいんですから。でも五条さんは質問に答えるまで永遠に付き纏ってきそうですよね。口裂け女の怪異の類ですか?」
「それは傑の任務先の呪霊のやつだろ。はーっ、ホントかわいくねーなぁ七海。時代の流行りとはいえツンデレも大概にしろよ?そんなんじゃ、いつか灰原 4228
zakizakiivy
DONE次期当主の人魚・五×一族の傀儡の鷹・夏(逃亡中)の五夏「…運命の出会いなんて信じますか」
堅物編集者・七の問いに小説家・夏は、答えられず話を逸らした。過ぎ去っていく日々のなか、白日の如く眩しかった日の夢を見る。
今は幸せだと思いながら過去の幻影に囚われる男と、逃げられないよう十年かけて外堀を埋めた男の前編。五はちょっとしか出てこないです。灰七あります。pixiv up済 8908