企画倉庫
DONE企画内イベント「地底桜に攫われる!」の自機達の行動SSその2です!幻覚、流血描写、人体変貌などがあります。
激怒る犬神、選択ぶ蝙蝠、微笑う鬼左腕をチェーンソーに代えた呪具は、自らの体で敵の攻撃を受けながら、攻撃を繰り出した枝を切り落としていく。回る骨の鎖は吸血桜の体を抉り千切って、内側の赤々とした欠片を散らしていく。勿論呪具の青年も完全な無傷ではなく、刺し貫かれた肌の内側からぽたぽたと赤色の体液が零れている。最初こそ星空じみた闇と煌めきで包まれた肉体も、内側は生きた人間とさして変わらない構造になっている。彼は別段、無痛でも無敵でもない。
(動けない程度じゃないけど、煩わしくはあるかな)
ならば攻撃を受けずに先手を打てば良いのだろうが、そこに思考が剥かないのは自分の暴力性への無意識の嫌悪があるからだろう。元は人間であった呪具、梔子は分かりやすく傷を負わない限り悪意を返すことが不得手である。
4094(動けない程度じゃないけど、煩わしくはあるかな)
ならば攻撃を受けずに先手を打てば良いのだろうが、そこに思考が剥かないのは自分の暴力性への無意識の嫌悪があるからだろう。元は人間であった呪具、梔子は分かりやすく傷を負わない限り悪意を返すことが不得手である。
かがり
DONE(2025.3.29)第1回司レオワンドロ・ワンライお題「近い」より
若干プロット作ってたものから肉付けしたうえ1時間くらいオーバーしてます……
「共振」の方のバージョン違いみたいなお話
Nonverbal:司レオ 手を伸ばしたい、と思ってしまったのは、ただ距離が近かったからではない。
これはただの弁明ではなく、ある種の切実さを伴った本心だった。
♪
常々、隣に並び立ちたい、と司が願ってやまないその人とは、時折まるでラジオの周波数を捉えるかのように、ぱちりとフィーリングが合う瞬間がある。
あるとき司は、「ああ、自分はこの人のことが好きなのだな」とふと理解した。
そして同時に、ちょうど目の前にいた月永レオその人に、きっとこの情動を悟られてしまったことを感じた。
錯覚のように不確かなその感覚は、結局のところ、相手への「理解」とは程遠いところにある。
分からない。
――レオが司に、ごく近い距離で接し続けている理由が。
3031これはただの弁明ではなく、ある種の切実さを伴った本心だった。
♪
常々、隣に並び立ちたい、と司が願ってやまないその人とは、時折まるでラジオの周波数を捉えるかのように、ぱちりとフィーリングが合う瞬間がある。
あるとき司は、「ああ、自分はこの人のことが好きなのだな」とふと理解した。
そして同時に、ちょうど目の前にいた月永レオその人に、きっとこの情動を悟られてしまったことを感じた。
錯覚のように不確かなその感覚は、結局のところ、相手への「理解」とは程遠いところにある。
分からない。
――レオが司に、ごく近い距離で接し続けている理由が。
suz
PAST『悲鳴』2024年5月4日発行 B6サイズ 112ページ(本文108ページ)サンプルとして4〜81ページを公開します。
2025年4月15日からBOOTH通販再開予定です。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21779958 40
羽月めお
MENU2025.5/3スパコミSCC32内「一縷の星芒」にてオクバデ小説を出します。※成人向け
※転生
※現パロ
※捏造設定あり
A5/p72【スペースNo.東7B19a 伊達巻】
よろしくお願いします。 9
zeppei27
DONEなんとなく続いている主福のお話で、単品でも読めます。勝邸で、勝・龍馬・諭吉・刀が、お互いを素知らぬ顔で観察しながら仲良く腹ごしらえをするお話です。>前作:春待顔
https://poipiku.com/271957/11573068.html
まとめ
https://formicam.ciao.jp/novel/ror.html
探り合い 食事とは、元来生きる限りは必要な行為だ。寝て、起きて、食べる。他の行動がどれほど違い、中身が異なれども誰しも等しく日々行うだろう。それを不便だと思う向きもあるが、福沢諭吉にとっては人生の楽しみの一つだった。都度豪勢なものを、と言わずとも美味しいものを食べたいと願うし、可能な限り好む人と喜びを分かち合いたいとも考えている。
要するに食事とは、”場”なのだった。美味しさは状況により大きく異なる。家族、友人、知人、見知らぬ人同士と共に、戦場で食べれば楽しむ暇などなく忙しなく、心置きなく寛げる宴であれば、粗末な食べ物でさえも極上の逸品に変わる。だが同時に――同席者を観察する格好の場であることを、これまで一度も意識したことがなかった。
6823要するに食事とは、”場”なのだった。美味しさは状況により大きく異なる。家族、友人、知人、見知らぬ人同士と共に、戦場で食べれば楽しむ暇などなく忙しなく、心置きなく寛げる宴であれば、粗末な食べ物でさえも極上の逸品に変わる。だが同時に――同席者を観察する格好の場であることを、これまで一度も意識したことがなかった。
zeppei27
DONEなんとなく続いている主福のお話で、単品でも読めます。花見ができなかった名残を惜しみながら、春のおやつを楽しむお話です。>前作:答え
https://poipiku.com/271957/11553249.html
まとめ
https://formicam.ciao.jp/novel/ror.html
春待顔 時は人を待たない。乾いた空気が少しずつ潤いを取り戻してゆくと同時に、本来の優しさを思い出したかの如く陽が和らぐ。どちらも苛烈になってお構いなしにその勢力を振るうまでそう遠くはないし、きっと全てを忘れて微睡んで、再び深い眠りと同時に世界を忘れてしまうのだろう。商家の店先に飾ってあった寂しげな盆栽に、目に鮮やかな新緑が小さな手を出し始めたのを観てとり、隠し刀はようやっと春は夏に近づいているのだと気がついた。
四季の移ろいが再び記号ではなく人間的なものとして認識されてから僅か数日だが、もう今年の春をいたずらに費やしたことに後悔の念がわくのだからおかしなものだ。花弁一枚、最後までぐずついていたのがくしゃくしゃに萎れて枝に張り付くのがなんともしみったれている。今の自分の気分に相応しい。重箱の入った風呂敷を下げた手をぎゅうと握りしめ、隠し刀はどうしたら取り戻せるだろうかと思案した。
4667四季の移ろいが再び記号ではなく人間的なものとして認識されてから僅か数日だが、もう今年の春をいたずらに費やしたことに後悔の念がわくのだからおかしなものだ。花弁一枚、最後までぐずついていたのがくしゃくしゃに萎れて枝に張り付くのがなんともしみったれている。今の自分の気分に相応しい。重箱の入った風呂敷を下げた手をぎゅうと握りしめ、隠し刀はどうしたら取り戻せるだろうかと思案した。
sgrkn9188
INFO「陰キャで非モテの僕が、実は陰ではモテモテだって?」の回w一葉の人〈23〉 #pixiv #一次創作 #oc
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24408951
zeppei27
DONEなんとなく続いている主福のお話で、単品でも読めます。数年間の別離を経て、江戸で再会する隠し刀と諭吉。以前とは異なってしまった互いが、もう一度一緒に前を向くお話です。遊郭の諭吉はなんで振り返れないんですか?>前作:ハレノヒ
https://poipiku.com/271957/11274517.html
まとめ
https://formicam.ciao.jp/novel/ror.html
答え 今年も春は鬱陶しいほどに浮かれていた。だんだんと陽が熟していくのだが、見せかけばかりでちっとも中身が伴わない。自分の中での季節は死んでしまったのだ、と隠し刀は長屋の庭に咲く蒲公英に虚な瞳を向けた。季節を感じ取れるようになったのはつい数年前だと言うのに、人並みの感覚を理解した端から既に呪わしく感じている。いっそ人間ではなく木石であれば、どんなに気が楽だったろう。
それもこれも、縁のもつれ、自分の思い通りにならぬ執着に端を発する。三年前、たったの三年前に、隠し刀は恋に落ちた。相手は自分のような血腥い人生からは丸切り程遠い、福沢諭吉である。幕府の官吏であり、西洋というまだ見ぬ世界への強い憧れを抱く、明るい未来を宿した人だった。身綺麗で清廉潔白なようで、酒と煙草が大好物だし、愚痴もこぼす、子供っぽい甘えや悪戯っけを浴びているうちに深みに嵌ったと言って良い。彼と過ごした時間に一切恥はなく、また彼と一緒に歩んでいきたいともがく自分自身は好きだった。
18819それもこれも、縁のもつれ、自分の思い通りにならぬ執着に端を発する。三年前、たったの三年前に、隠し刀は恋に落ちた。相手は自分のような血腥い人生からは丸切り程遠い、福沢諭吉である。幕府の官吏であり、西洋というまだ見ぬ世界への強い憧れを抱く、明るい未来を宿した人だった。身綺麗で清廉潔白なようで、酒と煙草が大好物だし、愚痴もこぼす、子供っぽい甘えや悪戯っけを浴びているうちに深みに嵌ったと言って良い。彼と過ごした時間に一切恥はなく、また彼と一緒に歩んでいきたいともがく自分自身は好きだった。
byakugun26
DONE𖣘2025-3-18𖣘留文版ワンドロワンライ
お題:策士
大昔からずっと書きたかったお話を、付け加えながらもここで書いてしまいました。
本当は最初から最後までちゃんと書きたかったけど、中々書かないのでここで供養です。
*直接な描写はありませんが、そういった描写の表現が多々あります。
大丈夫そうでしたら「はい」でご覧ください。 3087
zeppei27
DONE何となく続いている主福の現パロです。本に書下ろしで書いていた現パロ時空ですが、アシスタント×大学教授という前提だけわかっていれば無問題!単品で読める、ホワイトデーに贈る『覚悟』のお話です。前作VD話の続きでもあります。
>熱くて甘い(前作)
https://poipiku.com/271957/11413399.html
心尽くし 日々は変わりなく過ぎていた。大学と自宅を行き来し、時に仕事で遠方に足を伸ばし、また時に行楽に赴く。時代と場所が異なるだけで、隠し刀と福沢諭吉が交わす言葉も心もあの頃のままである。暮らし向きに関して強いて変化を言うならば、共に暮らすようになってからは、言葉なくして相通じる折々の楽しみが随分増えた。例えば、大学の研究室で黙って差し出されるコーヒーであるとか、少し肌寒いと感じられる日に棚の手前に置かれた冬用の肌着だとか、生活のちょっとした心配りである。雨の長い暗い日に、黙って隣に並んでくれることから得られる安心感はかけがえのないものだ。
隠し刀にとって、元来言葉を操ることは難しい。教え込まれた技は無骨なものであったし、道具に口は不要だ。舌が短いため、ややもすると舌足らずな印象を与えてしまう。考え考え紡いだところで、心を表す気の利いた物言いはろくろく思いつきやしない。言葉を発することが不得手であっても別段、生きていくには困らなかった。だから良いんだ、と放っておいたというのに、人生は怠惰を良しとしないらしい。運命に放り出されて浪人となった、成り行き任せの行路では舌がくたくたに疲れるほどに使い、頭が茹だる程に回転させる必要があった。
5037隠し刀にとって、元来言葉を操ることは難しい。教え込まれた技は無骨なものであったし、道具に口は不要だ。舌が短いため、ややもすると舌足らずな印象を与えてしまう。考え考え紡いだところで、心を表す気の利いた物言いはろくろく思いつきやしない。言葉を発することが不得手であっても別段、生きていくには困らなかった。だから良いんだ、と放っておいたというのに、人生は怠惰を良しとしないらしい。運命に放り出されて浪人となった、成り行き任せの行路では舌がくたくたに疲れるほどに使い、頭が茹だる程に回転させる必要があった。
しゃろ
MOURNING※注意!こちらの小説は『モ〇スターハ〇ター ワイ〇ズ』のストーリー諸々のネタバレを含みます!
主人公ハンター宿儺×ナタポジション虎杖で考えてたけど「コレジャナイ」してきたので供養… 5
ちぐさ
DONETOARISE/アルシオ『ふたりの旅路』
診断メーカーで出た「皆に隠れて」をテーマにしたお話。
結婚式当日、皆の前に出る前の二人がこれまでと、これからに思いをはせる話です。
ジュンブラ企画参加させていただきました~!💐
アルシオ末永くお幸せに……! 4
ranmao_cos
DONE※誤字雑字多め転生してしたら小さな魔王の執事でした 俺は、あまりにも眩しさに目が覚めると、そこは真っ白な世界だった。
『どこだ、ここ?』
自分の声が反響する。辺りには何も無い。ただただ、白い空間が広がっているだけだ。
『ここは、"存在しない世界だ"』
そんな声が、後ろから聞こえた。声的に男だろ。
振り返ると、人型をした真っ白な物がいた。俺は、不思議と驚きはしなかった。例え悪魔特有の角と羽があるとしても。
『存在しない世界?』
『どこだ、ここ?』
自分の声が反響する。辺りには何も無い。ただただ、白い空間が広がっているだけだ。
『ここは、"存在しない世界だ"』
そんな声が、後ろから聞こえた。声的に男だろ。
振り返ると、人型をした真っ白な物がいた。俺は、不思議と驚きはしなかった。例え悪魔特有の角と羽があるとしても。
『存在しない世界?』
『ああ。そして、君は死んだんだ』
その男は、静かにそう言った。
『死んだ………?俺が?』
俺は、自分が死んだ事さえ覚えていなかった。そして男は続ける。
『まもなく消えるこの世界へ、お前を呼んのだ。頼みたい事があるのでな』
29730その男は、静かにそう言った。
『死んだ………?俺が?』
俺は、自分が死んだ事さえ覚えていなかった。そして男は続ける。
『まもなく消えるこの世界へ、お前を呼んのだ。頼みたい事があるのでな』
琥珀糖
TRAININGルドルフ×女体化マリオ(通称マリーさん)のバレンタイン小説。季節は過ぎてる?気にしない(¬ᴗ¬)かなり色々捏造多めな駄文妄想です。しれっと擬人化させてます。
まだマリルイ途中までしかやってないぐらいの知識……。
敵とは言えど恋煩う 2月14日はバレンタインデー。 それはどの世界でも共通のイベントであるらしく、ここコネクタルランドでも、船島に繋げた各島々で色んなバレンタインデーの品々を販売していた。
船島でも、ツクローサの工房ではペアリングやペアネックレス、キノピオ達のお店では、主にバラや花束をメインにして共にチョコを売り出し、色んな島の住人達が往来して、わいわいと賑わいを見せていた。
「(1、2、3、4……うん、全部ある。)」
船島の中心から離れた潜望鏡のある場所で、赤い英雄の少女であるマリーは、バスケットの中にある可愛らしくラッピングされたチョコの数を確認しコクリと1人頷いた。
「(味は……ルイージやピーチ達に確認してもらったから、大丈夫。 初めて作ったけど、コネッタ達、喜んでくれるといいな。)」
3061船島でも、ツクローサの工房ではペアリングやペアネックレス、キノピオ達のお店では、主にバラや花束をメインにして共にチョコを売り出し、色んな島の住人達が往来して、わいわいと賑わいを見せていた。
「(1、2、3、4……うん、全部ある。)」
船島の中心から離れた潜望鏡のある場所で、赤い英雄の少女であるマリーは、バスケットの中にある可愛らしくラッピングされたチョコの数を確認しコクリと1人頷いた。
「(味は……ルイージやピーチ達に確認してもらったから、大丈夫。 初めて作ったけど、コネッタ達、喜んでくれるといいな。)」
ちぐさ
DOODLETOARISE/アルシオ千草さんには「それはまるで呪いのよう」で始まり、「君が目覚めるまでは」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば8ツイート(1120字)以内でお願いします。
https://shindanmaker.com/801664 4
ちぐさ
DOODLETOARISE/アルシオ千草のアルシオへの140字SSお題は『夕焼け』です。
#shindanmaker
https://shindanmaker.com/521654
290字になってしまった(倍以上……( ˇωˇ ))ので文庫ページメーカーに流し込みました。スリム化できませんでした。でも大体ポエムです。イメージガナスハロス~レネギス行く前。
ちぐさ
DONETwitterで公開されている、【ぎゆしの好きさんに10のお題】から『maybe lovers, maybe others(恋人だろうか他人だろうか)』
をお借りしました。
曖昧な関係の二人の話。原作軸。 4
zeppei27
DONE何となく続いている主福の現パロ、VD話です。本に書下ろしで書いていた現パロ時空ですが、アシスタント×大学教授という前提だけわかっていれば無問題!単品で読める、抜け目ない男と可愛い男、そして美味しいおやつのお話です。熱くて甘い 二月も半ば過ぎれば春遠からじ、と口ずさんでみたくもなる。暦の上では翌月は春だ。桜も段々と蕾が膨らみ、学び舎では去る者来る者が民族移動の如く入れ替わる。しかし、自然は人間が作り出した線引きなど意に介さない。ぴゅう、と一段と強く吹き付けた寒風に骨を震わせると、福沢諭吉は未だ冬が君臨していることを痛感した。
つい昨日までは、常夏を思わせる温かな国にいたためか、毎年慣れていることだろうに今年は一段と寒いなどと思ってしまう。今回の出張は学会ではなく、シンガポールに新設した分校の開会式に出席するよう依頼を受けてのものだった。大学は入学試験の真っただ中で講義はなく、青息吐息で卒業論文に取り組む在校生たちに二日三日は休みを与えても良いだろうとのありがたいお言葉である。
4240つい昨日までは、常夏を思わせる温かな国にいたためか、毎年慣れていることだろうに今年は一段と寒いなどと思ってしまう。今回の出張は学会ではなく、シンガポールに新設した分校の開会式に出席するよう依頼を受けてのものだった。大学は入学試験の真っただ中で講義はなく、青息吐息で卒業論文に取り組む在校生たちに二日三日は休みを与えても良いだろうとのありがたいお言葉である。
かがり
DONE(2025.2.16)ネガティブな感情に一足飛びで共鳴しちゃう司レオ(付き合ってない)
弱ってる司くんがいます
ラストミッションの後くらいの時系列で題材はあまり明るくない、かつ、ギャンビットとの時系列の整合性は大目に見てください……
書きたいところだけ書いてる
共振:司レオ 家族のように大切な子が、いきいきと人を傷つけること。それはきっと、自身の一族が与えた宿命のせいに他ならないこと。心から理解し得ないその衝動に、相棒のあの人は共鳴していたこと。
――そもそも、どうにも手の出し様がなかった「レオさんの一件」に、報いを与えてくれたこと。
己が内に渦巻く全てを飲み下して、せめて、と出来ることを拾った、結果が――。
♪
人影が中空に放り出される。まさにその瞬間を、目の当たりにした。
時が止まったと錯覚するような一瞬。
そんな考えを嘲笑うかのように、重力が小さな身体の袖を引く。
そうした一連の出来事を、ただ眺めていた。
はく、と息ができなくなる。
反射的に窓辺へ駆け寄りながら、そうして、無駄だとよく理解しているのに、どこへともなく手を伸ばした――瞬間、強烈なデジャヴに見舞われるのだ。
5735――そもそも、どうにも手の出し様がなかった「レオさんの一件」に、報いを与えてくれたこと。
己が内に渦巻く全てを飲み下して、せめて、と出来ることを拾った、結果が――。
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人影が中空に放り出される。まさにその瞬間を、目の当たりにした。
時が止まったと錯覚するような一瞬。
そんな考えを嘲笑うかのように、重力が小さな身体の袖を引く。
そうした一連の出来事を、ただ眺めていた。
はく、と息ができなくなる。
反射的に窓辺へ駆け寄りながら、そうして、無駄だとよく理解しているのに、どこへともなく手を伸ばした――瞬間、強烈なデジャヴに見舞われるのだ。