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    #ブラレノ

    braleno

    8kawa_8

    DONEブラレノです。二人で酒飲んで愉快に二次会(概念)に行く話です。5周年読みました? ありがとうございました。
    【ブラレノ】たまにはこんな夜も! あ、と。その一言を発したのは果たしてどちらが先だっただろうか。
     ひっくり返したボトルから、ぽたんと。ひとつの雫が落ちていく。グラスに琥珀色の波が広がって、それ以上増幅することなく消えていった。
    「終わっちまったな」
    「終わってしまった」
     感嘆詞と同じ、喪失の寂しさを乗せたような落胆の声をお互いに口にして。ブラッドリーとレノックスは、相手の赤色の瞳を覗き込み合う。何を考えて、何を望んでいるのか。酒に酔って、しかし酔い切れなくて、愉しさと物足りなさとが綯交ぜになったそれらを感じ取りながら、先に言葉を発したのはレノックスの方である。
    「他に酒はあるのか?」
     ふっと、ブラッドリーのロゼ色の瞳が細められた。白い頬には、その瞳と同じ色が化粧のようにわずかに混ざり、消さない勲章の傷跡も普段より存在感を強めている。「あるぜ」と答え、彼は大きく指を鳴らす。途端にふわりと浮き上がったのは、部屋に鎮座する宝飾品たちと並んで飾られたブラッドリーのお気に入りの美酒たちだ。
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    8kawa_8

    DONEブラレノです。
    マーキングされるブラレノというお題でしたが、多分お題をくださった方の意図していない男にマーキングをされています。すみません。筆が乗ってしまった。
    NTRを書こうと意気込んだわけではないのですが、略奪的なテーマが含まれている不思議な話になっちゃいました。
    【朗報!】ボスが羊飼いを口説き落とすのに成功してお付き合いしてる世界線
    【ブラレノ】残滓は捨てて、飲み干した げぇ、と。言葉を口にしたわけではなかったが。きっとその表情に台詞を当てるとなったら、そんな音が適切だろう。
     眉間に皺を寄せて、如何にも不快感を露わにしたブラッドリーを至近距離で見つめながら。そんなに嫌だっただろうかと、レノックスは問いかける。その問いかけにブラッドリーの眉間の皺はますます深まり、「おまえ、本気でそれを言ってるのかよ……」とかぶりを振った。
     単刀直入に言うならば。レノックスから、フィガロの魔力の気配がしたのだ。


     フィガロといえば、現在は南という厚すぎる皮を被っている、北の国の魔法使いだ。ブラッドリーよりも千年以上もの長い時を悠に生きる魔法使いで、多くの北の魔法使いにとってはオズや双子に並んでの天敵ともいえる。単純な魔力の強さを測ればオズほどに圧倒的なものを持っているわけでもないので、たとえばミスラを味方につけたブラッドリーであれば勝機は見えるのかもしれない。しかし実際にはミスラを手玉に取って意のままに操りながら、フィガロの智謀の裏を掻く必要があるわけなので、その勝利の仮定はあまりに現実的なものではなかったのだ。
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