すばる
DONE斎土です。まだはじめちゃんの片想い。はじめちゃんが綱さんに相談したり、斎土がつるんで煙草を吸ったり、ヒッジが自分の顔のよさを自覚していたりしています。綱さんには特定の相手はいないはず。綱さんと「ありがとう」
僕の言葉に、綱さんは手を振って送り出してくれる。少し保護者っぽいと感じるのは、生まれた時代の違いのせいだろうか。
副長は、涼しい顔で煙草を吸っていた。マスターちゃんから言われた通り、携帯灰皿に吸い殻を押しつけ、今気づいたという風に僕を見る。
「話は終わったのか」
「はい」
「まさか、あの渡辺綱と話ができるたぁなぁ」
僕らの時代、綱さんは舞台によくかかるヒーローだったのだ。マスターちゃんにはあまりピンと来ないみたいで、「わたしたちの時代だと、新選組の方がヒーローだよ!」と言ってくれる。自分たちがそんな評価を受けているのが、いまいち信じがたい。
綱さんとは、だいたい同時期にカルデアへやって来た縁でよく話させてもらっている。
927僕の言葉に、綱さんは手を振って送り出してくれる。少し保護者っぽいと感じるのは、生まれた時代の違いのせいだろうか。
副長は、涼しい顔で煙草を吸っていた。マスターちゃんから言われた通り、携帯灰皿に吸い殻を押しつけ、今気づいたという風に僕を見る。
「話は終わったのか」
「はい」
「まさか、あの渡辺綱と話ができるたぁなぁ」
僕らの時代、綱さんは舞台によくかかるヒーローだったのだ。マスターちゃんにはあまりピンと来ないみたいで、「わたしたちの時代だと、新選組の方がヒーローだよ!」と言ってくれる。自分たちがそんな評価を受けているのが、いまいち信じがたい。
綱さんとは、だいたい同時期にカルデアへやって来た縁でよく話させてもらっている。
ror0i
PAST坂本さんと以蔵さんが話してる話です北風も太陽も「僕はねぇ、風にも太陽にも雨にもなりたくなかったんだ」
「ほうか」
「そうなんだよ」
「で、お前が今なったはなんじゃ」
「なんだろうねぇ…」
龍馬は星を見上げている。少なくとも、坂本龍馬は星にはなれなかった。ただ人々の目に写り、時折導いていく存在では決してなかった。
「以蔵さんは何になりたかったの」
「わしかぁ?」
「うん」
「わしは…」
以蔵にはなりたいものはなかった、何かになりたいという大志を抱くには、彼は愚かであったし、また、何かになれると思えないほどに頭がよかった。
「わしは剣の天才や、何かになりたい思う必要はない」
「そうか…僕もそうだったらよかったな」
「馬鹿にしちゅーのか」
「えっ、なんで怒るの」
「嫌味なやつめ」
609「ほうか」
「そうなんだよ」
「で、お前が今なったはなんじゃ」
「なんだろうねぇ…」
龍馬は星を見上げている。少なくとも、坂本龍馬は星にはなれなかった。ただ人々の目に写り、時折導いていく存在では決してなかった。
「以蔵さんは何になりたかったの」
「わしかぁ?」
「うん」
「わしは…」
以蔵にはなりたいものはなかった、何かになりたいという大志を抱くには、彼は愚かであったし、また、何かになれると思えないほどに頭がよかった。
「わしは剣の天才や、何かになりたい思う必要はない」
「そうか…僕もそうだったらよかったな」
「馬鹿にしちゅーのか」
「えっ、なんで怒るの」
「嫌味なやつめ」
ror0i
PAST以蔵さんと荊軻がお酒を飲みながら話している話です除けて通せ酒の酔い「私は失敗した人間さ、残り十歩、必ず殺せた」
酒でへべれけとなった女が話しだした。男と聞いていたが、女であったとは。髪が酒につきそうになるのをかき上げる仕草などは、なるほど、確かに女だと以蔵は思った。
「残り十歩、なんて遠き道だっただろうか、随分、私は遠くまで来たと思った」
「残り十歩、どいて失敗したんや」
「さぁ…」
酒を飲み干し、わずかに残った水面に映る月をじっと見ている。以蔵は月を見たことなどなかった。暗ければ暗いほどよかった。常に劣等感に苛まれてきた頭が、天誅のときは驚くほど冴え渡った。世界が美しく見えた、よく見ようとも思わなかったが。
「私は考えすぎた、どうすれば殺せる、どうして殺す、その意味を私のものにしたくて、考えていた…、いつまでも…いつまでも…」
522酒でへべれけとなった女が話しだした。男と聞いていたが、女であったとは。髪が酒につきそうになるのをかき上げる仕草などは、なるほど、確かに女だと以蔵は思った。
「残り十歩、なんて遠き道だっただろうか、随分、私は遠くまで来たと思った」
「残り十歩、どいて失敗したんや」
「さぁ…」
酒を飲み干し、わずかに残った水面に映る月をじっと見ている。以蔵は月を見たことなどなかった。暗ければ暗いほどよかった。常に劣等感に苛まれてきた頭が、天誅のときは驚くほど冴え渡った。世界が美しく見えた、よく見ようとも思わなかったが。
「私は考えすぎた、どうすれば殺せる、どうして殺す、その意味を私のものにしたくて、考えていた…、いつまでも…いつまでも…」
すばる
DONE斎土前提のなぎかおです。香子さんは土斎だと思ってて、なぎこさんは斎土だと言い当ててるシチュエーションが好きです。なぎこさん、恋愛がよくわからなければいいなぁ(ややこしいクソデカ感情)斎土前提のなぎかおあたしちゃんが言うのも何だけど、ヒッジとちゃんハジがいちゃついてるつもりがないんだとしたら、沖田っちは説教でもした方がいいと思う。
「どうして紅鮭定食のシャケをまるまる残すんですか」
「沢庵以外に用はねぇ。本来サーヴァントに食事はいらねぇだろ」
「食べて! 僕の精神衛生に悪いから食べてください!」
かおるっちは、言い争う二人をうっとりと見つめる。
「なんと仲睦まじい…きっと土方様は夜も激しくていらっしゃるのでしょうね…」
かおるっち、強引な男が好きだからな(ただし二次元に限る)。
しかし。
あたしちゃんには恋愛がわからぬ。けれども他人のクソデカ感情については、人一倍敏感であった。
「確かにヒッジ、夜も激しいだろうね…」
377「どうして紅鮭定食のシャケをまるまる残すんですか」
「沢庵以外に用はねぇ。本来サーヴァントに食事はいらねぇだろ」
「食べて! 僕の精神衛生に悪いから食べてください!」
かおるっちは、言い争う二人をうっとりと見つめる。
「なんと仲睦まじい…きっと土方様は夜も激しくていらっしゃるのでしょうね…」
かおるっち、強引な男が好きだからな(ただし二次元に限る)。
しかし。
あたしちゃんには恋愛がわからぬ。けれども他人のクソデカ感情については、人一倍敏感であった。
「確かにヒッジ、夜も激しいだろうね…」
すばる
DONE推しがちゃんハジを演じていたことを思い出して頭をぐねぐねさせた結果生まれた、タトゥー斎×一般人土の斎土。へらへら顔の下にタトゥーびっしりなちゃんハジ…すき…中の人(13年)ネタこの季節にジャケットも脱がない時点でおかしいと思うべきだった。藤田と名乗った男の上半身には、びっしりとタトゥーが彫られていた。
「引かないでくださいよ」
これを引くなという方が無理だ。
「土方さんも写真よりずっと顔怖いじゃないですか、そっち系みたい」
「俺は顔が怖ぇだけだ。てめぇみてぇにカタギを騙したりはしねぇ」
「やだな、僕だってヤクザなんかじゃないですよ。ただ彫りすぎただけ」
へらへら笑いにどこか重いものが混じったと感じるのは気のせいだろうか。藤田は上半身裸のまま、ベッドに乗り上げて俺の顎を取った。
「怖いなら帰ります? 僕はそれでいいですよ」
正直、話が違うと約束を反故にすることも考えていた。しかし、そういう言い方をされたら男として退けない。
393「引かないでくださいよ」
これを引くなという方が無理だ。
「土方さんも写真よりずっと顔怖いじゃないですか、そっち系みたい」
「俺は顔が怖ぇだけだ。てめぇみてぇにカタギを騙したりはしねぇ」
「やだな、僕だってヤクザなんかじゃないですよ。ただ彫りすぎただけ」
へらへら笑いにどこか重いものが混じったと感じるのは気のせいだろうか。藤田は上半身裸のまま、ベッドに乗り上げて俺の顎を取った。
「怖いなら帰ります? 僕はそれでいいですよ」
正直、話が違うと約束を反故にすることも考えていた。しかし、そういう言い方をされたら男として退けない。
すばる
DONEヒッジを掴むための斎土練習featuring推し。推しどっちもおっぱいが立派なので困ります(困らない)十二単はさぞ窮屈だったでしょうね(ゲス顔)乳の話斎藤が、「なぎこさんと式部さんの乳だったらどっちが好みですか?」と聞いてきた。愚問だ。女学生に擬態しても乳を隠せない女と、慎ましやかに見せて乳を誇る女。どちらもどちらなりの趣がある。
そう答えれば、斎藤は眉根を曇らせて笑った。
「含蓄深いですよねぇ」
俺は腕を伸ばして着痩せする身体を抱き寄せる。え、ここ廊下なんですけど、と斎藤は動揺するが、そもそも廊下で乳の話を始めたてめぇもどうかと思う。
「てめぇも豊胸してやろうか」
「え、いや、でも副長がそう言うなら…」
俺の腕の中で赤面する斎藤は可愛い。ぱっと手を離して、斎藤を解放する。
「冗談だ、真に受けんな」
斎藤の頬がますます赤くなる。ついばむと熱い。
「ほんと、ほんとに…あんたって人は…!」
389そう答えれば、斎藤は眉根を曇らせて笑った。
「含蓄深いですよねぇ」
俺は腕を伸ばして着痩せする身体を抱き寄せる。え、ここ廊下なんですけど、と斎藤は動揺するが、そもそも廊下で乳の話を始めたてめぇもどうかと思う。
「てめぇも豊胸してやろうか」
「え、いや、でも副長がそう言うなら…」
俺の腕の中で赤面する斎藤は可愛い。ぱっと手を離して、斎藤を解放する。
「冗談だ、真に受けんな」
斎藤の頬がますます赤くなる。ついばむと熱い。
「ほんと、ほんとに…あんたって人は…!」
すばる
PROGRESS土近🚺を書こうと思ったらその前のなぎかおのパートとが膨大になってしまったので一旦区切ります。ひたすらなぎこさんをageてエミヤさんを添えるだけの話です、現状。ぐだぐだ文学草子~法師陰陽師と台所のアーチャーを添えて~(未完)(ンンンン――紫式部殿、藤原香子(ふじわらのかおるこ)殿――ンンンンンン――)
嗤いとも嘆きとも叫びともつかない、蓬髪の法師陰陽師の奇声が耳に蘇る。
蘆屋道満は、かつて平安京にて、マスター・藤丸立香率いるカルデアに挑戦して敗れた。その後カルデアの術式で召喚されても、多くのサーヴァントがその動向を警戒し続けている。
香子も決して心を許しているわけではないのだが、なぜかこの巨躯の陰陽師は結構な頻度で香子に話しかけてくる。
それは香子が師と仰ぐ安倍晴明が関係しているのだと理解してはいるものの、正直かの最優陰陽師が絡んだ時の道満は実に面倒くさい。
晴明から己のことを何か聞いていないかと問われても、聞いていないものは聞いていない。正直にそう答えれば、露骨に強がってンンンと嗤う。
3501嗤いとも嘆きとも叫びともつかない、蓬髪の法師陰陽師の奇声が耳に蘇る。
蘆屋道満は、かつて平安京にて、マスター・藤丸立香率いるカルデアに挑戦して敗れた。その後カルデアの術式で召喚されても、多くのサーヴァントがその動向を警戒し続けている。
香子も決して心を許しているわけではないのだが、なぜかこの巨躯の陰陽師は結構な頻度で香子に話しかけてくる。
それは香子が師と仰ぐ安倍晴明が関係しているのだと理解してはいるものの、正直かの最優陰陽師が絡んだ時の道満は実に面倒くさい。
晴明から己のことを何か聞いていないかと問われても、聞いていないものは聞いていない。正直にそう答えれば、露骨に強がってンンンと嗤う。
shiki
DOODLE高杉社長そんな髪型でつまらなそうな顔をしないでくれ大変好みです
イベント終わったのでワンクッションとネタバレはずしました。
SAITAMAおもしろかった!!!!
Twitterに投げた最初の楽書きも2枚目に追加しました 2
すばる
PROGRESSえっちな斎土を書いていたら途中で詰まったので、現状の半分くらいを上げます。ちょっとしたえろを、と思っていたのに…なんとかして続きを書きたい。
聖杯戦争もカルデアもない現パロ設定です。
斎土はじめて物語(仮) つき合い始めて四回目のデートは、家デートに決めた。
三度目のデートでは休日の博物館へ行った。土方は刀剣に興味があるらしく、ケース越しに重要文化財の銘刀を見下ろしていた。その赤い目の輝きだけで、斎藤は幸福と劣情を覚えた。
ちょっとランクの高い居酒屋で気分よく酔い、「女じゃねぇんだから」という言葉を振り切って玄関口まで送った。靴を脱いだ土方は上がりかまちで振り返り、屈んで斎藤に触れるだけのキスをした。
「あの、期待してもいいんですか」
「野暮言うな」
からかうような形の笑みを作る土方を、その場で押し倒してしまいそうになったが、斎藤はありったけの自制心を発動して耐えた。
「あの、次は、土曜日に、うちで……」
3409三度目のデートでは休日の博物館へ行った。土方は刀剣に興味があるらしく、ケース越しに重要文化財の銘刀を見下ろしていた。その赤い目の輝きだけで、斎藤は幸福と劣情を覚えた。
ちょっとランクの高い居酒屋で気分よく酔い、「女じゃねぇんだから」という言葉を振り切って玄関口まで送った。靴を脱いだ土方は上がりかまちで振り返り、屈んで斎藤に触れるだけのキスをした。
「あの、期待してもいいんですか」
「野暮言うな」
からかうような形の笑みを作る土方を、その場で押し倒してしまいそうになったが、斎藤はありったけの自制心を発動して耐えた。
「あの、次は、土曜日に、うちで……」