fuu_krsm
MOURNING阿座河村の成人式のあと、資料館での飲み会でシオリと玉置が会話するだけの下り短編『ビール』
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21355084
とマイピク限定公開の続編『ビールの後味』
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21405239
の間の話
⚠捏造設定多め
パス→『ビール』で須賀が飲んでいるもの 1044
fuu_krsm
DONEgumiさんのED4後を描いた短編小説https://privatter.me/page/65e31b7ce8f18
のファンアートです
⚠自殺を想起させるイラストです
(血などの描写はありません)
fuu_krsm
MOURNINGED2のあと何も思い出さなかったしぃちゃんhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21543650
↑の続き(蛇足)
「本当にもうここで……」
「そう?」
頑なに断り続ける彼女の言葉に応じると、露骨にホッとした顔をされた。最寄り駅からずるずると家の近くまで一緒に歩いてきていた。
「……あっごめん、最後にトイレだけ借りていいかな」
「え」
「もう限界でさ、借りたらすぐ帰るからお願い!」
彼女は取引先の担当者の部下だ。こちらをあまり無下にも扱えないのは分かっている。切羽詰まった顔を作って手を顔の前で合わせると、困った顔になったものの作り笑顔で頷いた。
本当に角を曲がってすぐのところに彼女の家はあった。撒くための嘘じゃなかったんだな。今日の飲み会で一人暮らしあるあるを言い合って盛り上がっていたから、てっきりマンション住まいだと思っていたが、案内されたのは二階建ての一軒家だった。
3673「そう?」
頑なに断り続ける彼女の言葉に応じると、露骨にホッとした顔をされた。最寄り駅からずるずると家の近くまで一緒に歩いてきていた。
「……あっごめん、最後にトイレだけ借りていいかな」
「え」
「もう限界でさ、借りたらすぐ帰るからお願い!」
彼女は取引先の担当者の部下だ。こちらをあまり無下にも扱えないのは分かっている。切羽詰まった顔を作って手を顔の前で合わせると、困った顔になったものの作り笑顔で頷いた。
本当に角を曲がってすぐのところに彼女の家はあった。撒くための嘘じゃなかったんだな。今日の飲み会で一人暮らしあるあるを言い合って盛り上がっていたから、てっきりマンション住まいだと思っていたが、案内されたのは二階建ての一軒家だった。
白い米
CAN’T MAKE漫画にする気力がない○
「友だちと一緒に、村に来ようと思ったりは、しないの?」
特に深く考えて出た言葉ではなかった。
ただ、「このまえ釣った魚のことを友だちに話したらすごく驚かれたの」とか、「『シオリの実家、映画に出てきそうな感じでいいね』って言われたんだ」とか、そういったことをしぃちゃんは嬉しそうに話していたから。
「うーん、呼んでほしい?」
だから、質問に質問で返されて、僕は言葉に詰まることになった。
呼んでほしくないとは思わない。しぃちゃんの友だちがどんな人なのか全く興味がないわけではないし、村の良さを知ってもらえたら僕も嬉しい。
でも、ここに来るまでの手間とお金や、この資料館以外に宿泊施設がないことをよくよく考えると、便利で華やかな暮らしをしているであろう人たちに、簡単に「来てほしい」とは言えなかった。しぃちゃん以外の人が泊まることなんてほとんどないから、村の人間として、館の人間として、どうしていればいいのか分からない。
1234「友だちと一緒に、村に来ようと思ったりは、しないの?」
特に深く考えて出た言葉ではなかった。
ただ、「このまえ釣った魚のことを友だちに話したらすごく驚かれたの」とか、「『シオリの実家、映画に出てきそうな感じでいいね』って言われたんだ」とか、そういったことをしぃちゃんは嬉しそうに話していたから。
「うーん、呼んでほしい?」
だから、質問に質問で返されて、僕は言葉に詰まることになった。
呼んでほしくないとは思わない。しぃちゃんの友だちがどんな人なのか全く興味がないわけではないし、村の良さを知ってもらえたら僕も嬉しい。
でも、ここに来るまでの手間とお金や、この資料館以外に宿泊施設がないことをよくよく考えると、便利で華やかな暮らしをしているであろう人たちに、簡単に「来てほしい」とは言えなかった。しぃちゃん以外の人が泊まることなんてほとんどないから、村の人間として、館の人間として、どうしていればいいのか分からない。