cp_is_fixed
TRAINING嵐迅の喧嘩。仲良しだから起こってしまったタイプの喧嘩があったらいいし、周りの19歳組にフォローしてもらってると嬉しい。未完。ふたご あ、まずい。そう思った時には既に遅い。有名なことわざって案外的を得てるよなぁなどと現実逃避する。
その時の迅には、目の前の新緑色がおおきな悲しみと、静かな怒りで色を濃くしていくさまを見ていることしかできないでいた。
事の発端は迅の何気ない発言で、それを聞いた嵐山の堪忍袋の緒がついに切れたようだった。
母を亡くし師を亡くし仲間を亡くし、自暴自棄になっている自覚は多少なりともあった。生まれ持った能力による自身の命の重さを知らないわけではない。けれど、大切に思っていた人たちを喪う辛さを、未来を知りながら何もできなかった無力感を、そう間を空けずして何度も味わってしまえばそういう考えになるのもしょうがないだろう、と迅は思うのだ。
7131その時の迅には、目の前の新緑色がおおきな悲しみと、静かな怒りで色を濃くしていくさまを見ていることしかできないでいた。
事の発端は迅の何気ない発言で、それを聞いた嵐山の堪忍袋の緒がついに切れたようだった。
母を亡くし師を亡くし仲間を亡くし、自暴自棄になっている自覚は多少なりともあった。生まれ持った能力による自身の命の重さを知らないわけではない。けれど、大切に思っていた人たちを喪う辛さを、未来を知りながら何もできなかった無力感を、そう間を空けずして何度も味わってしまえばそういう考えになるのもしょうがないだろう、と迅は思うのだ。
水鳥の
MOURNING初のイコプリSS。大半が十九歳。関西弁は空気で読んでください。 付き合ってからと言うもの、王子は事あるごとに生駒に好きを伝えたがる。「好きだよ、イコさん」
時も場所関係なく伝えられる言葉に、生駒は不思議そうに尋ねたことがある。
「なんや、王子、どないしたん?」
「うーん、何でもないよ。ただ言いたいだけ」
「それなら、ええ」
にこにこといつもと変わらない笑顔を張り付けて、王子は生駒に言う。生駒は、本当にそうなら問題ないな、と頷いた。
「で、今も続いてる、と」
生駒から経緯を聞いていた弓場は、片眉を器用に持ち上げて嫌そうな表情をした。
「そうや」
生駒はいつもと変わらない表情で弓場の問いに答えた。
日差しの気持ちよい午後、ボーダーのラウンジの一角に何故か十九歳組が集まり、何故か近況はどうなのかと言う事になり、何故か、王子と付き合っている生駒の悩み相談が開始された。
「王子も可愛いところあるじゃないか」
嵐山が、どこが悩みなんだ? と不思議そうに言う。
「いや、何回も続くと生駒も鬱陶しいんじゃないのか?」
嵐山の問いに柿崎が答える。
「いや、そんなんないな」
生駒は、当たり前だと言うように柿崎の言葉を否定した。
「ないのかよ」
「 1089