.春涙.
リハビリ土利前提、雑利利は出てきません。利を巡っての土と雑の戦闘シーン。
(いつかどこかで使いたいな、と思いながら供養)
「昨晩、利吉くんを抱きましたよ」
その言葉が落ちた瞬間、空気が弾けた。
土井は言葉も返さず、一閃、忍び刀を抜いて斬りかかる。
鞘を捨てた斬撃は、感情そのもの。怒りが刀を駆けていた。
「おや、冗談が通じませんね」
雑渡はくるりと身を翻し、棒手裏剣を数枚、扇状に投げ放つ。
土井は即座に身を伏せてかわし、地を蹴って斜めに跳び、距離を詰める。
「ふざけるな、貴様……ッ!」
追撃とともに、刀が唸る。雑渡は手裏剣を抜いて防ぎながら、わずかに後退。
金属と金属が激しくぶつかり、火花が飛び散る。
斬撃。回避。打ち合い。足さばきが地を鳴らし、互いの影が交錯する。
雑渡は笑みを浮かべたまま受け、かわし、時折棒手裏剣で牽制を放つ。
その余裕が、土井の怒りをさらに煽る。
580その言葉が落ちた瞬間、空気が弾けた。
土井は言葉も返さず、一閃、忍び刀を抜いて斬りかかる。
鞘を捨てた斬撃は、感情そのもの。怒りが刀を駆けていた。
「おや、冗談が通じませんね」
雑渡はくるりと身を翻し、棒手裏剣を数枚、扇状に投げ放つ。
土井は即座に身を伏せてかわし、地を蹴って斜めに跳び、距離を詰める。
「ふざけるな、貴様……ッ!」
追撃とともに、刀が唸る。雑渡は手裏剣を抜いて防ぎながら、わずかに後退。
金属と金属が激しくぶつかり、火花が飛び散る。
斬撃。回避。打ち合い。足さばきが地を鳴らし、互いの影が交錯する。
雑渡は笑みを浮かべたまま受け、かわし、時折棒手裏剣で牽制を放つ。
その余裕が、土井の怒りをさらに煽る。
MoonLightIsLM
尻を叩く5月インテ大阪の利土(土利)の原稿進捗。たぶん全年齢コピー本になるはず。
間に合えば出ます。
文はまだまだ推敲します。捏造がいっぱい。
山田家の猫「ふむ、だいぶ良くなったようだな。もう起き出しても良いだろう」
それから山田殿は「今朝から一緒に食事を摂ろう」と続けた。今日までの食事は薄粥が主で、私が休んでいるこの室で摂っていた。
あの日から半月以上も経った朝のことだった。
あの日というのは、私が瀕死の重傷を負った日だ。
抜け忍となった私は、かつて仲間だった男に追われ、猛撃から逃れようと崖から足を滑らせた。そこへたまたま野遊山に来ていた一家に出くわしたのだ。彼らが同業であったのは、奇跡のようなめぐりあわせだったと言うほかないだろう。
山田殿と奥方は私の厳しい立場を一目で見抜き、追手を殺さず退けてくださっただけでなく、怪我の手当のために家に運び込んでくださった。
5714それから山田殿は「今朝から一緒に食事を摂ろう」と続けた。今日までの食事は薄粥が主で、私が休んでいるこの室で摂っていた。
あの日から半月以上も経った朝のことだった。
あの日というのは、私が瀕死の重傷を負った日だ。
抜け忍となった私は、かつて仲間だった男に追われ、猛撃から逃れようと崖から足を滑らせた。そこへたまたま野遊山に来ていた一家に出くわしたのだ。彼らが同業であったのは、奇跡のようなめぐりあわせだったと言うほかないだろう。
山田殿と奥方は私の厳しい立場を一目で見抜き、追手を殺さず退けてくださっただけでなく、怪我の手当のために家に運び込んでくださった。