chiocioya18
DONE四心伝2日目鬼族組の撮影前。タケ漣と輝薫がうっすら含まれますがカプなしでも読めるかも…?そうでもないかも…?
公式サイトの紹介文しか情報無い時点で書いてますので追加情報や実際の劇中と矛盾が生じるかもしれません。
赤、赤、赤。飛び込んでくる鮮烈な赤色にぱちぱちと目を瞬いた。
映画『天地四心伝』、315プロの全員が出演する作品の、今日は衣装合わせだ。敢えてなのか偶然なのか、同日撮影の陣営毎に分かれての確認となる。俺たち鬼族は赤基調の衣装に加え、各々赤い角を付けて爪を赤に塗る。この部屋がやけに赤いのはそのせいだ。
「和服か。狩衣は初めて着るな」
「なかなか無いよなー。浴衣とか晴れ着とも違うもんな」
「でもこの角とか、ゲームのキャラみたいでテンションあがらない?」
「それはわかる」
歳が近い奴が多いから自然と話が弾んでしまう。騒がしい俺たちに、年長者の桜庭さんは少し呆れたように言う。
「君たち。盛り上がるのはいいが、早く着替えたらどうだ」
1618映画『天地四心伝』、315プロの全員が出演する作品の、今日は衣装合わせだ。敢えてなのか偶然なのか、同日撮影の陣営毎に分かれての確認となる。俺たち鬼族は赤基調の衣装に加え、各々赤い角を付けて爪を赤に塗る。この部屋がやけに赤いのはそのせいだ。
「和服か。狩衣は初めて着るな」
「なかなか無いよなー。浴衣とか晴れ着とも違うもんな」
「でもこの角とか、ゲームのキャラみたいでテンションあがらない?」
「それはわかる」
歳が近い奴が多いから自然と話が弾んでしまう。騒がしい俺たちに、年長者の桜庭さんは少し呆れたように言う。
「君たち。盛り上がるのはいいが、早く着替えたらどうだ」
kyu_ab
DONE大変遅くなり申し訳ございません…!!リクエスト頂いたクリスさんです!衣装はおまかせとのことでしたので、サイスタ衣装で一番好きなクリスさんにしました!
クリスさんのVi値の高さが、浮世離れした鬼と相性抜群で大好きです…
リクエスト&夏コミの際は差し入れとお手紙ありがとうございました!とても嬉しかったです!!!!!
chiocioya18
DONE雨想。北村宅で初お泊まりの回。雑誌見た感じそらくん自室って和室だよなーと同衾だけで何もしないのかえってエッチなのでは?が合体した話です。
据え膳食わぬは予定時間より少し早くレッスンスタジオに入るとまだ雨彦さんしかいなかった。挨拶もそこそこに雨彦さんは僕を呼び寄せるとわずかに声を潜めて告げる。
「すまん北村。今夜の約束は無しにしてくれ」
今夜の約束。雨彦さん家に泊まる予定のことだ。
そもそも僕が押しかけるような形の一方的な約束なのだし、雨彦さんにだって都合も気分もあるのだから中止にしたって全然構わないのだけど。「うん、わかった」と頷いた僕からなにかを汲み取ったのか雨彦さんは少し早口で付け足した。
「うちのエアコンが壊れちまってな。修理が明後日になるそうだ」
「え、それは大変だねー。雨彦さんどこで過ごすのー?」
「日中は事務所や清掃社に避難するさ。夜は今日明日はホテル泊かね」
3434「すまん北村。今夜の約束は無しにしてくれ」
今夜の約束。雨彦さん家に泊まる予定のことだ。
そもそも僕が押しかけるような形の一方的な約束なのだし、雨彦さんにだって都合も気分もあるのだから中止にしたって全然構わないのだけど。「うん、わかった」と頷いた僕からなにかを汲み取ったのか雨彦さんは少し早口で付け足した。
「うちのエアコンが壊れちまってな。修理が明後日になるそうだ」
「え、それは大変だねー。雨彦さんどこで過ごすのー?」
「日中は事務所や清掃社に避難するさ。夜は今日明日はホテル泊かね」
chiocioya18
DONEタケ漣。浴衣で路地裏でキス。朝顔市イベの浴衣似合ってたね〜からの産物です。時系列は別だと思います。
もう夜に近いとは思えないくらいの明かりと人の群れ。屋台通りはライブとはまた違った熱気で溢れていた。
「すごい人だなあ」
隣で円城寺さんが呆れ半分はしゃぎ半分といった呟きを漏らす。撮影の仕事の後、近くで祭りがあると聞いて立ち寄ってみたところだった。「せっかくだから」とプロデューサーが衣装を買取りしてくれて、撮影に使った浴衣をそのまま着ている。悪目立ちするかと思ったが、この人混みではアイドルが数人紛れていてもわからないだろう。
「うじゃうじゃしやがって。食いもん買うのもメンドーじゃねえか」
「ちょっと覗くだけのつもりだったが、甘くみていたかな」
「屋台を回ろうにも、下手に動くとはぐれそうだな」
「そうだなあ。なるべく固まっていこうか。漣、どの店が気になる?…あれ!?」
2164「すごい人だなあ」
隣で円城寺さんが呆れ半分はしゃぎ半分といった呟きを漏らす。撮影の仕事の後、近くで祭りがあると聞いて立ち寄ってみたところだった。「せっかくだから」とプロデューサーが衣装を買取りしてくれて、撮影に使った浴衣をそのまま着ている。悪目立ちするかと思ったが、この人混みではアイドルが数人紛れていてもわからないだろう。
「うじゃうじゃしやがって。食いもん買うのもメンドーじゃねえか」
「ちょっと覗くだけのつもりだったが、甘くみていたかな」
「屋台を回ろうにも、下手に動くとはぐれそうだな」
「そうだなあ。なるべく固まっていこうか。漣、どの店が気になる?…あれ!?」
chiocioya18
DONE雨想。レッスン後で汗かいてる話。うろたえる雨彦さんが書きたかった。
今日のダンスレッスンは一段とハードだった。息が整わなくて、立っているのがやっとな始末。コーチの先生が帰ったのを見送ると、気が抜けたのか僕はその場にずるずると蹲ってしまう。
「想楽!大丈夫ですか」
「うん…なんとかー…」
「水分補給しな。水はあるかい?」
「あー…さっき飲みきっちゃったー…」
「私が買ってきます。雨彦、想楽を頼みますね」
クリスさんはレッスン室の外の自販機へと向かった。ぐったり座り込んだ僕の横で、雨彦さんが書類を挟んでいたファイルを扇いで風を送ってくれる。生ぬるい風はあまり汗を引かせてはくれなかった。
「…これでも、体力ついてきたと、思ってたんだけどなー…」
「安心しな。今日のは俺でもきつかった。ついてこれるなら大したもんさ」
1248「想楽!大丈夫ですか」
「うん…なんとかー…」
「水分補給しな。水はあるかい?」
「あー…さっき飲みきっちゃったー…」
「私が買ってきます。雨彦、想楽を頼みますね」
クリスさんはレッスン室の外の自販機へと向かった。ぐったり座り込んだ僕の横で、雨彦さんが書類を挟んでいたファイルを扇いで風を送ってくれる。生ぬるい風はあまり汗を引かせてはくれなかった。
「…これでも、体力ついてきたと、思ってたんだけどなー…」
「安心しな。今日のは俺でもきつかった。ついてこれるなら大したもんさ」
chiocioya18
DONEタケ漣。タケルの寝顔を見つめる漣の話。これ自体に描写はないので年齢指定してませんが、タケル家の同じベッドで寝ているということは〜??お察しください。
朝までの10カウント柔らかなベッドの上で目を覚ます。漣の視界を占めていたのはタケルの寝顔だった。
珍しい、とまず思う。事務所でも仕事の移動中でもよく寝ているのは漣の方で、今日のように同じベッドで眠るような時も大抵は漣が先に眠って後から起きるから、漣がタケルの寝ている姿を見ることはあまりない。閉じられたカーテンの隙間から漏れるのはまだ薄明かりで、いつもタケルが起き出す時刻には早い。漣は黙って目の前の顔を見つめた。
小さい顔。その中の鼻も、口も小さい。今伏せられている目だけがタケルの中ではとびきり大きく出来ているのだ。その大きな目に真っ直ぐ捕らえられると、漣はたちまち気分が良くなる。案外長い睫毛を意味無く数えはじめて、この目が開かないのはつまらない、とすぐに飽きてしまった。
1088珍しい、とまず思う。事務所でも仕事の移動中でもよく寝ているのは漣の方で、今日のように同じベッドで眠るような時も大抵は漣が先に眠って後から起きるから、漣がタケルの寝ている姿を見ることはあまりない。閉じられたカーテンの隙間から漏れるのはまだ薄明かりで、いつもタケルが起き出す時刻には早い。漣は黙って目の前の顔を見つめた。
小さい顔。その中の鼻も、口も小さい。今伏せられている目だけがタケルの中ではとびきり大きく出来ているのだ。その大きな目に真っ直ぐ捕らえられると、漣はたちまち気分が良くなる。案外長い睫毛を意味無く数えはじめて、この目が開かないのはつまらない、とすぐに飽きてしまった。
chiocioya18
DONE雨想。はじめてのちゅう。ピュア村くんと甘彦さんです。説明になってるかなこれ。
引用した歌は万葉集の石川郎女です。古典文学詳しくないのでググりました。雨想を書ける教養がほしい。
おとなになれない「北村。目を」
閉じちゃくれないか、と雨彦さんが言い終わる前に瞑ってしまった。期待していなかったと言えば嘘になる。
僕と雨彦さんはお付き合いをしている。告白して同意を得て、たまに見つめあったり、手を繋いだり。成立してから数ヶ月経つけれど至って折り目正しい交際。お互いアイドルなので世間の目には大変に気を遣う必要もあり、ろくにデートにも行けない。だから僕らの密会場所は専ら、僕の帰宅を送ってくれる雨彦さんの車の中だ。
今夜も例に漏れず雨彦さんに兄さんのマンションの近くまで送ってもらって、でもすぐに車を降りたくないななんて考えながらサイドブレーキに置かれた雨彦さんの手に自分の手を重ねてみたりして。そうしたらその手を雨彦さんにとられて、顔を上げたらびっくりするくらい優しい目をした雨彦さんに、そう、せがまれた。
1243閉じちゃくれないか、と雨彦さんが言い終わる前に瞑ってしまった。期待していなかったと言えば嘘になる。
僕と雨彦さんはお付き合いをしている。告白して同意を得て、たまに見つめあったり、手を繋いだり。成立してから数ヶ月経つけれど至って折り目正しい交際。お互いアイドルなので世間の目には大変に気を遣う必要もあり、ろくにデートにも行けない。だから僕らの密会場所は専ら、僕の帰宅を送ってくれる雨彦さんの車の中だ。
今夜も例に漏れず雨彦さんに兄さんのマンションの近くまで送ってもらって、でもすぐに車を降りたくないななんて考えながらサイドブレーキに置かれた雨彦さんの手に自分の手を重ねてみたりして。そうしたらその手を雨彦さんにとられて、顔を上げたらびっくりするくらい優しい目をした雨彦さんに、そう、せがまれた。
chiocioya18
DONE年齢+3 タケル20歳(!?) 漣21歳(!??)注意※タケルが漣の名前呼びます。この注意書き虎牙道界隈でしか使わないだろうな。
タケ漣のつもりですが恋愛感は薄いです。どっちかというと家族愛。道流(27)も出ます。
飲酒シーンのために3年経過させましたが基本なんにも変わっておりません。道流がラーメン屋してるからビルは買い戻せたかもしれない。
タケルが初めてお酒を飲む話もともと、あまり酒には興味がなかった。まわりにそこまで酒を飲む人がいなかったこともあるだろう。円城寺さんは強いとは噂に聞いたが、俺たちの前で飲むことはほとんど無かった。大人たちの飲み会の話を聞いて楽しそうだと思うことはあれど、それで酒に魅力を感じたりはしなかったし、居酒屋の少量でちまちま運ばれてくる飯より大盛ラーメンの方が腹も満たされる。だから二十歳の誕生日を迎えてもまだ、しばらく酒には手を出さずにいるつもりだった。
「おいチビ。場所空けろ」
「なんだそれ。酒か?」
いつものことながらいきなり俺の家に上がり込んできたヤツは、手にしたビニール袋の中身を次々にテーブルに並べていく。缶、缶、缶。全部飲料缶だ。それもビールやチューハイ、全部アルコール入りだった。
3040「おいチビ。場所空けろ」
「なんだそれ。酒か?」
いつものことながらいきなり俺の家に上がり込んできたヤツは、手にしたビニール袋の中身を次々にテーブルに並べていく。缶、缶、缶。全部飲料缶だ。それもビールやチューハイ、全部アルコール入りだった。
kyu_ab
DOODLEパバステ5のサークルカットとペーパーでした~!カットありきのネタを描いてしまいなんのこっちゃですみません
Pの「3人で写真撮ろっか」からの
「負けた人がカワイイの刑ね~」みたいな流れになったとこで
満を持してじゃんけんに負けた秀です(?)
仕事であれば需要に対して応えるけども
この2人に挟まれてカワイイの刑は…ぴよぴよに見えてしまう…
みたいな葛藤の結果SNSに上げるのはナシになりました 2
kyu_ab
DONE遅くなってすみません!!リクエストありがとうございます~!鋭心と百々人です!
珍しい果物ってググったら出てきた記事の…キウイが…綺麗だったのでキウイにしました…
リクエスト頂けて嬉しかったです!改めてありがとうございました~~!!;;
kyu_ab
DONE遅くなってすみません!!サークルカットお褒め頂けて嬉しいです;;
リクエストも嬉しいです!!喜んでいただけたら嬉しいです~!!
この二人の自撮りってめちゃくちゃクオリティ高そうですね…
改めてありがとうございました!
kyu_ab
DOODLE【パバステ5展示】「人生で(恐らく)初めての補習を食らう鋭心先輩」
※エピゼロ前に切ったネームなので色々温かい目で見てください
このあとの話に秀出てくるんで…ごめん秀…お待ちください…
シュンてしてる鋭心先輩見たいよね 3
chiocioya18
DONEタケ漣。事故チューしたらキレられたタケルがモヤモヤする話。この二人はずっとお互いなに考えてるかわからないと思ってたらいいと思います。
謝ったって許してやらない。アイツとキスをした。
いつものようにロードワーク中に突っ掛かってきたから、文句を言おうと振り返ったら思っていたより近くにアイツの顔があった。バランスを崩してそのままぶつかって、倒れ込んだ拍子に、唇同士がかすった。たった、それだけだった。
俺はとにかく驚いて、状況を頭が理解する前に「わるい」と口に出していた。
「あァ!?」
そうしたら、アイツがキレてきた。手か足か、なにか飛んでくると予想して身構えたが、「…チッ」と大きな舌打ちだけ寄越して行き先も告げずに去っていった。
それから一週間、アイツに会っていない。
最近では個人や他のユニットの人との仕事なんかもあるから、このくらいの期間会わないのは別におかしなことではない。たまたま事務所でも男道らーめんでも、俺がいないときにアイツがいてアイツがいないときに俺がいる。たぶん、それだけだ。
1979いつものようにロードワーク中に突っ掛かってきたから、文句を言おうと振り返ったら思っていたより近くにアイツの顔があった。バランスを崩してそのままぶつかって、倒れ込んだ拍子に、唇同士がかすった。たった、それだけだった。
俺はとにかく驚いて、状況を頭が理解する前に「わるい」と口に出していた。
「あァ!?」
そうしたら、アイツがキレてきた。手か足か、なにか飛んでくると予想して身構えたが、「…チッ」と大きな舌打ちだけ寄越して行き先も告げずに去っていった。
それから一週間、アイツに会っていない。
最近では個人や他のユニットの人との仕事なんかもあるから、このくらいの期間会わないのは別におかしなことではない。たまたま事務所でも男道らーめんでも、俺がいないときにアイツがいてアイツがいないときに俺がいる。たぶん、それだけだ。
chiocioya18
DONE雨想。体温が低い雨彦さん。たぶん1ラウンド終えてのインターバル中のお喋りです。けっこうイチャついている。
爬虫は愛で火傷する「雨彦さん、爬虫類みたいって言われたことないー?」
寝台の上での北村からの突拍子もない質問に無言の間をあけてしまった。狐ならたまに例えられるが、ヘビやトカゲはあまり縁がなかった気がする。
「いいや、ないな。なぜだい?」
「だってこんなに体温低いから。手とか足が冷え症って人はいるけど、ほとんど全身ひんやりしてるよー」
そう言って珍しげに俺の腕や腹を触ってくる北村の手は確かに温かい。そういえば先ほどまで触れていた胸や背中はもっと温かかったと思い返して、ククと喉が鳴ってしまった。
「そりゃあ。俺の全身に触ったことがあるやつしか知りようがないんじゃないか?」
この時の北村ときたら。思いっきり口をへの字に曲げて耳を真っ赤にしていた。
632寝台の上での北村からの突拍子もない質問に無言の間をあけてしまった。狐ならたまに例えられるが、ヘビやトカゲはあまり縁がなかった気がする。
「いいや、ないな。なぜだい?」
「だってこんなに体温低いから。手とか足が冷え症って人はいるけど、ほとんど全身ひんやりしてるよー」
そう言って珍しげに俺の腕や腹を触ってくる北村の手は確かに温かい。そういえば先ほどまで触れていた胸や背中はもっと温かかったと思い返して、ククと喉が鳴ってしまった。
「そりゃあ。俺の全身に触ったことがあるやつしか知りようがないんじゃないか?」
この時の北村ときたら。思いっきり口をへの字に曲げて耳を真っ赤にしていた。
チョリソーヘビ
MEMO九十九父ネット記事の文章九十九父ネットレビュー記事■4/17(日)発売の九十九**新作『仮題の輪郭』が、各所から絶賛!
先日発売された九十九**の2年ぶりとなる新作『仮題の輪郭』がレビュアーや書店員など各所から絶大な評価を得ている。
九十九**は『幸先』にて荒川賞にノミネートされて以来も数作に渡り刊行してきたが、どこか未完成であり迷走の時期と評されてきた。最後に発表された『散り際にて』から2年の期間をあけて発表された『仮題の輪郭』には発売前から密かに注目が集まっていたが、結果としてこれまでの低迷を覆すセラーとなった。
今作は独身会社員の甲斐俊明(かいとしあき)のもとへ、親戚から初対面の少年、ミツグを預けられるところから始まる。家族を作ることを避け独り身を謳歌してきた男と少年が同じ家で違う生活を送る中で、過干渉はせず互いの心地いい距離感を計っていくストーリーとなっている。
857先日発売された九十九**の2年ぶりとなる新作『仮題の輪郭』がレビュアーや書店員など各所から絶大な評価を得ている。
九十九**は『幸先』にて荒川賞にノミネートされて以来も数作に渡り刊行してきたが、どこか未完成であり迷走の時期と評されてきた。最後に発表された『散り際にて』から2年の期間をあけて発表された『仮題の輪郭』には発売前から密かに注目が集まっていたが、結果としてこれまでの低迷を覆すセラーとなった。
今作は独身会社員の甲斐俊明(かいとしあき)のもとへ、親戚から初対面の少年、ミツグを預けられるところから始まる。家族を作ることを避け独り身を謳歌してきた男と少年が同じ家で違う生活を送る中で、過干渉はせず互いの心地いい距離感を計っていくストーリーとなっている。
しとらべ
DONE副題:九十九一希と神楽麗が担当と推しにいる理由についての考察アポローンの娘たちよ秋といえば。食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋。そろそろオフに登山の計画でも立てようか。キノコに紅葉と、秋の山は沢山の自然の恵みでいっぱいである。
そう思って、鞄から手帳を取り出そうとしたところ、腕をイヤホンのコードに引っ掛けた。
途端に耳に流れ込む、音、それから話し声。
がたんごとん、がたんごとん。
「…あのおばさん、事あるごとに口挟んでくるからもう……」
がたんごとん、がたんごとん。
「ねぇお母さん、どの駅で降りるのー?」
「二駅さーき。それより靴をぬーがーなーいーの」
がたんごとん、がたんごとん。
「何、先輩からメールきたの」
「そうそう、ホルンの」
「あー強いとこに行った」
「うんー。あたしもこっちの高校来ないかってさー」
6312そう思って、鞄から手帳を取り出そうとしたところ、腕をイヤホンのコードに引っ掛けた。
途端に耳に流れ込む、音、それから話し声。
がたんごとん、がたんごとん。
「…あのおばさん、事あるごとに口挟んでくるからもう……」
がたんごとん、がたんごとん。
「ねぇお母さん、どの駅で降りるのー?」
「二駅さーき。それより靴をぬーがーなーいーの」
がたんごとん、がたんごとん。
「何、先輩からメールきたの」
「そうそう、ホルンの」
「あー強いとこに行った」
「うんー。あたしもこっちの高校来ないかってさー」