Alino
MAIKING玉阪座に入った3人を待ち構える新人公演。従来、伝統的な演目が選定される事が多い中、今年の演目はウィークエンド・レッスンの改変版だという。
異例の演目を選定した先輩と根地の狙いが見えない中、表向きは順調に公演準備に取り掛かる主演のフミとカイ。
だが、一度解散したパートナーシップを再構築することは簡単な事ではなかった…。
⚠︎キサ√想定
⚠︎オリジナル要素あり
⚠︎司の進路に誤りあり(申し訳ないです 61
MonoCloTone
MAIKING羞恥心を知ったフミの付き合ってるカイフミ(未完成)恥ずかしいの初心者幼い頃から舞台に立ってきて、無縁だったものがある。
緊張やプレッシャー、それと羞恥心。
本番で新しいことをやろうとしたときも、そして失敗したときも、楽しさや達成感はあれどそれらの感情はなかった。
だから、この感情に名前をつけることができない。
〈恥ずかしいの初心者〉
──やらかした。
自室のソファに倒れ込むようにしてうつ伏せになったフミは、クッションに顔を沈めながら自責の念に駆られる。
あんな失敗をするのは、今日日初めてだ。
目を閉じて思い返されるのは、玉坂座での今日の稽古の様子。稽古は立ち稽古の段階に入り、フミともう一人、カイとのペアダンスの合わせがあった。
***
左手を差し出され、自分の右手がそれに応える。腰に手を回され、曲が始まると同時に導かれるように引き寄せられた。軽いステップを繰り返し、最後に顔を上げ見つめ合う──。
3855緊張やプレッシャー、それと羞恥心。
本番で新しいことをやろうとしたときも、そして失敗したときも、楽しさや達成感はあれどそれらの感情はなかった。
だから、この感情に名前をつけることができない。
〈恥ずかしいの初心者〉
──やらかした。
自室のソファに倒れ込むようにしてうつ伏せになったフミは、クッションに顔を沈めながら自責の念に駆られる。
あんな失敗をするのは、今日日初めてだ。
目を閉じて思い返されるのは、玉坂座での今日の稽古の様子。稽古は立ち稽古の段階に入り、フミともう一人、カイとのペアダンスの合わせがあった。
***
左手を差し出され、自分の右手がそれに応える。腰に手を回され、曲が始まると同時に導かれるように引き寄せられた。軽いステップを繰り返し、最後に顔を上げ見つめ合う──。
satorinokifm
TRAININGめっちゃ書きたいとこだけ。息をするようにカイフミ。うちのフミは人に塗られたネイルをわざと落とさず帰ってきて、カイに見せつけるんだ~ゾ。 赤い指が身体を滑る。首から腕、胸、腹。じわじわと追い立てられ、カイは小さく息を吐いた。
「なぁ、カイ」
ゆったりとしたいつものリズムは崩さない。それでも色が滲む。抗えない、目をそらせない、艶めかしい声。
「……フミ」
「これ、嫌だった?」
フミが、指に纏う赤を見せつけるように手を差し出した。白く細くしなやかで、それでいてしっかりと強さのある男の手。
カイはその先にある赤を見た。深く深く、人を引きずり込む赤。俺から、フミを見えなくする赤。
「あぁ……、嫌だ」
やっと言える、と思った。息が苦しくて仕方なかった。フミの鮮やかで深い瞳とはまるで違う、その人工的な赤色を見た時からずっと。
「誰かがお前の手に触れたというのも、誰かの色がお前を隠しているのも、嫌だ」
358「なぁ、カイ」
ゆったりとしたいつものリズムは崩さない。それでも色が滲む。抗えない、目をそらせない、艶めかしい声。
「……フミ」
「これ、嫌だった?」
フミが、指に纏う赤を見せつけるように手を差し出した。白く細くしなやかで、それでいてしっかりと強さのある男の手。
カイはその先にある赤を見た。深く深く、人を引きずり込む赤。俺から、フミを見えなくする赤。
「あぁ……、嫌だ」
やっと言える、と思った。息が苦しくて仕方なかった。フミの鮮やかで深い瞳とはまるで違う、その人工的な赤色を見た時からずっと。
「誰かがお前の手に触れたというのも、誰かの色がお前を隠しているのも、嫌だ」