むつき
DONEシンノウ+ヨリトモ+主人公雪山のリゾート施設で軍医するシンノウ先生、グランピングテントを医務室として使っていてほしいという願望
グランピング医務室 突如として決定した冬のレジャー――ギルド対抗の雪合戦――のため、「臨時」の医務室を用意したと聞いた時には、さてどんなプレハブ小屋か手狭な部屋があてがわれるかと内心身構えたのだ。必要な薬品や機材の詰まった巨大なトランクを携え、指定された場所へ向かったシンノウを迎えたのは、見上げるほどに大きな半球型のドームテントだった。
真っ白な雪原の中に建てられているはずが、中は驚くほどに温かい。テントの素材がいいのか、焚かれているストーブが強力なのか、あるいはその両方なのだろう。大きなソファベッドやたっぷりとしたカーテン、木製のしゃれた戸棚は、温かな印象を与えると同時に装飾的で、殺風景な灰色の調度品やパイプベッドを見慣れた身には少し戸惑う。やわらかな色合いに灯る照明、心地良さを演出する空間。良くも悪くも、ここはリゾート施設なのだ。
3641真っ白な雪原の中に建てられているはずが、中は驚くほどに温かい。テントの素材がいいのか、焚かれているストーブが強力なのか、あるいはその両方なのだろう。大きなソファベッドやたっぷりとしたカーテン、木製のしゃれた戸棚は、温かな印象を与えると同時に装飾的で、殺風景な灰色の調度品やパイプベッドを見慣れた身には少し戸惑う。やわらかな色合いに灯る照明、心地良さを演出する空間。良くも悪くも、ここはリゾート施設なのだ。
むつき
DONEタネトモ+主人公(+ヨリトモ)バレンタインスノーファイトイベントの頃
その者の器 あちらの山を眺めてもこちらの足元を確かめても、見事なまでに白一色だった。一向に溶けない雪の上、雪は新たに降り積もり、リゾート施設へやってきた者たちの心を浮き立たせる。
「貴方様は、将の器に生まれながら……」
言葉を乗せてこぼれた息は、たちまちのうちに白く凍っていった。慣れないスノーウェアを身に着けているのは二人とも同じだ。タネトモの言葉を受けた彼は、ファーのついた襟になかば口元を埋めながら顔を輝かせた。
「将の器? ほめてくれて嬉しいな。じゃあ俺、将を目指そうかな」
彼の眼差しは澄み切っていて、目の前の参謀を試しているようには見えなかった。周囲からは破天荒と評されつつも、自ら立てた計画を完遂する彼の力には目を見張るものがある。やるといえばいかに無謀であってもやってのける、その気概と能力を備えている人物だった。
1130「貴方様は、将の器に生まれながら……」
言葉を乗せてこぼれた息は、たちまちのうちに白く凍っていった。慣れないスノーウェアを身に着けているのは二人とも同じだ。タネトモの言葉を受けた彼は、ファーのついた襟になかば口元を埋めながら顔を輝かせた。
「将の器? ほめてくれて嬉しいな。じゃあ俺、将を目指そうかな」
彼の眼差しは澄み切っていて、目の前の参謀を試しているようには見えなかった。周囲からは破天荒と評されつつも、自ら立てた計画を完遂する彼の力には目を見張るものがある。やるといえばいかに無謀であってもやってのける、その気概と能力を備えている人物だった。
むつき
DONEヨリトモ+主人公過去の話、或るループの話
過去の別世界で弟の首実検をしたヨリトモが、東京でのループで主人公くんちゃんを見つけるたびに首実検の答え合わせをさせられる話
ヨリトモが選んだ弟の顔と、プレイヤーが選んだ主人公くんちゃんの顔が同じだといいなというやつ
首実検「謀反人、源義経を討ち取れ!」と言った者がある。
「生け捕りは無用である」と叫んだ者がある。
「首を持ってきた者には褒美を取らす」と付け加えた者がある。
勇ましい足音を響かせながら皆が出て行ったのを見送ったのち、小生は安堵していた。これだけの人数を出したのだ。小生が手を下さずとも、じきに我が弟は物言わぬむくろとなり、遠き世界へひとり旅立つであろう。
もうあの瞳に射すくめられることはない。あの声に心震わされることもない。あの体の熱に、あの笑みに。
あとはこの御所の奥でただじっと構えているのみが、小生の当座の仕事なのだ。
後刻、閑散とした部屋に届けられた首桶の数は、五つであった。
「……これはどうしたことかな」
2716「生け捕りは無用である」と叫んだ者がある。
「首を持ってきた者には褒美を取らす」と付け加えた者がある。
勇ましい足音を響かせながら皆が出て行ったのを見送ったのち、小生は安堵していた。これだけの人数を出したのだ。小生が手を下さずとも、じきに我が弟は物言わぬむくろとなり、遠き世界へひとり旅立つであろう。
もうあの瞳に射すくめられることはない。あの声に心震わされることもない。あの体の熱に、あの笑みに。
あとはこの御所の奥でただじっと構えているのみが、小生の当座の仕事なのだ。
後刻、閑散とした部屋に届けられた首桶の数は、五つであった。
「……これはどうしたことかな」
むつき
DONEタネトモ+主人公ヨリトモの話をする二人
支度 廊下の先、細く開いた扉の向こうからは、温かなみかん色の光がこぼれている。肉や野菜を煮た食欲を誘う香りも漂ってきて、タネトモはふと足を止めた。
軍の幹部たちが食事をとるための小さな一室だが、階下にある大食堂でも同じように食事の支度がなされているに違いない。あたたかな料理の香りは直に廊下を伝って広がり、宿舎にいる者たち皆の元へと届くだろう。
部屋の中には誰かがいるらしく、廊下の壁にこぼれてくる灯りは時折遮られてちらちらと動く。動きと動きの合間に熟慮が入るのか、光の揺らぎは不規則だ。どうも手慣れたスタッフの動きではないと、タネトモは半ば訝しみながら近付いていくと、ドアノブを静かに引き開けた。
食卓の上には、いつもと変わらずほんの数人分だけの食事が用意されようとしている。折敷の上に並べられた椀、艶のある塗り箸。小鉢のひとつを覗き込んで盛り付けを調整しているのは、事もあろうに総大将の弟だった。
2391軍の幹部たちが食事をとるための小さな一室だが、階下にある大食堂でも同じように食事の支度がなされているに違いない。あたたかな料理の香りは直に廊下を伝って広がり、宿舎にいる者たち皆の元へと届くだろう。
部屋の中には誰かがいるらしく、廊下の壁にこぼれてくる灯りは時折遮られてちらちらと動く。動きと動きの合間に熟慮が入るのか、光の揺らぎは不規則だ。どうも手慣れたスタッフの動きではないと、タネトモは半ば訝しみながら近付いていくと、ドアノブを静かに引き開けた。
食卓の上には、いつもと変わらずほんの数人分だけの食事が用意されようとしている。折敷の上に並べられた椀、艶のある塗り箸。小鉢のひとつを覗き込んで盛り付けを調整しているのは、事もあろうに総大将の弟だった。
むつき
DONEヨリトモ+主人公同じギルドに所属しているループの話
花を贈る 弟のことは、隣の部屋に待たせたきり忘れていた。
報告など、どうせ聞かなくても分かっている。戦地に送り出した弟は、今回もまた無事に帰ってきた。そのこと自体がすでに報告――戦は我が方の勝利で終わったという報告――であるのだから。
積み上がった書類へ粛々と目を通し、机の上がおおかた綺麗になった辺りで不意に弟のことを思い出した。他の者を通じて「用事が片付かないからまだ会えない」と返答はしておいたが、帰るようには言っていない。きっと愚直に、通された一室で待ち続けているのだろう。机を片付け、立ち上がった。
応接室を覗けば、案の定弟の丸い頭が視界に映る。背中を向けた恰好で、ソファに腰を下ろしていた。小生が部屋に入るなり飛び上がってこちらを振り向くかと思っていたが、ドアノブを回しても革靴のかかとが音を立てても相手は微動だにしない。おそるおそる近付き、表情を窺う。
1651報告など、どうせ聞かなくても分かっている。戦地に送り出した弟は、今回もまた無事に帰ってきた。そのこと自体がすでに報告――戦は我が方の勝利で終わったという報告――であるのだから。
積み上がった書類へ粛々と目を通し、机の上がおおかた綺麗になった辺りで不意に弟のことを思い出した。他の者を通じて「用事が片付かないからまだ会えない」と返答はしておいたが、帰るようには言っていない。きっと愚直に、通された一室で待ち続けているのだろう。机を片付け、立ち上がった。
応接室を覗けば、案の定弟の丸い頭が視界に映る。背中を向けた恰好で、ソファに腰を下ろしていた。小生が部屋に入るなり飛び上がってこちらを振り向くかと思っていたが、ドアノブを回しても革靴のかかとが音を立てても相手は微動だにしない。おそるおそる近付き、表情を窺う。
むつき
DONEヨリトモ+主人公くん甘味処に行く二人
甘いもの 平日の夕方にも関わらずあちこちの卓に客の姿がある甘味処は、掃除が行き届き空気が澄んでいた。年月を重ねてきたと分かる机はよく拭き上げられ、唐茶色の上に飴のような艶を重ねている。
あんみつとぜんざいの椀が揃った盆を前にして、弟は随分と機嫌が良いようだった。今回のループにおいて、彼はなかなかの甘党であるらしい。品書きを何度も眺め散々迷った挙げ句、どちらかひとつには絞れないと言って二つとも頼む辺り、余程のものだった。
「ヨリトモのも、おいしそうだよね」
こちらの手元へ視線をやって、じっと考え込むような仕草を見せる。
「そうだね。良ければ君も、別の機会に味わってみるといい」
純朴な弟は、まっすぐな瞳をして素直に頷いた。
2049あんみつとぜんざいの椀が揃った盆を前にして、弟は随分と機嫌が良いようだった。今回のループにおいて、彼はなかなかの甘党であるらしい。品書きを何度も眺め散々迷った挙げ句、どちらかひとつには絞れないと言って二つとも頼む辺り、余程のものだった。
「ヨリトモのも、おいしそうだよね」
こちらの手元へ視線をやって、じっと考え込むような仕草を見せる。
「そうだね。良ければ君も、別の機会に味わってみるといい」
純朴な弟は、まっすぐな瞳をして素直に頷いた。
鈴木清流🔞絵置き場
DONE【放サモプレイ日記:音声ONによる奇襲】ーーヨリトモ、追いかけられていないと追い詰めてくる男。
p1-3 日本語版
p4-6 English ver.
p7-9 中文版
p10-12 文字なし(without lines) 12
鈴木清流🔞絵置き場
DONE【主4ヨリ:とある休日の朝】 !10年後主4捏造注意!p2 日本語版
p3 English ver.
p4 中文版
p5 文字なし(without lines)
補足はツイートの方の一枚目(ALT)をご参照くださいませ!
↓↓↓
https://twitter.com/Suzuki80/status/1637922185741475841 5