fukuske5050
MOURNING本誌済み真とワカとマ
※マは本誌の病状です さすったりしてます こういうことをしてよいのか悪いのか、調べていません
顔色が悪いのは真一郎の方だ。僅かに自由になる時間さえも、病室でひとり横たわり、管に繋がれたまま意識のない弟の傍らから離れない。ただ生き永らえているだけのそれから離れない。医療も奇跡もまやかしも、真の最愛にできることはそれだけしかないからだ。
万次郎のため。そのために真一郎の生活は費やされ自分のための時間は皆無に等しい。食べることも、眠ることも惜しいのだ。怖いのだ。少しでも目を離した隙に呼吸を漏らした隙に、必死に抱えた腕の中からサラサラと流れ落ち、万次郎が失われていく。
蝕まれているのは真一郎の方だ。若狭にはそう思えてならなかった。
職務の休憩時間に万次郎を見舞う真一郎に合わせて万次郎の病室を訪れる。それは万次郎のためではない。真一郎のためだ。若狭にできるのはその程度でしかない。訪れた若狭の呼び掛けに答えた真の声は枯れて夜明けのカラスのようだった。ギャアと鳴いてみせるのは威嚇なのか懇願なのかはわからない。せめて水を、そう思って席を外し、帰ってきた病室で見たものは。
1853万次郎のため。そのために真一郎の生活は費やされ自分のための時間は皆無に等しい。食べることも、眠ることも惜しいのだ。怖いのだ。少しでも目を離した隙に呼吸を漏らした隙に、必死に抱えた腕の中からサラサラと流れ落ち、万次郎が失われていく。
蝕まれているのは真一郎の方だ。若狭にはそう思えてならなかった。
職務の休憩時間に万次郎を見舞う真一郎に合わせて万次郎の病室を訪れる。それは万次郎のためではない。真一郎のためだ。若狭にできるのはその程度でしかない。訪れた若狭の呼び掛けに答えた真の声は枯れて夜明けのカラスのようだった。ギャアと鳴いてみせるのは威嚇なのか懇願なのかはわからない。せめて水を、そう思って席を外し、帰ってきた病室で見たものは。
fukuske5050
MOURNING真一郎を忘れない若狭とわかってる慶三いいわけ 冗談みたいな話なんだけど。夜の渋谷で人通りから外れたところ、酔っぱらいに絡まれてたオンナノコを助けたら、どうしてだかそのコに見初められた。
ふわふわの髪に控えめなメイクに華奢なライン、どこにでもいる普通のお嬢さんてヤツ。それが意外にも強く出られて礼だなんだと押しきられて連絡先も居場所さえ突き止められた。イヤ、それ見栄えが良いだけの新手のストーカーだろうが。
野郎相手は手加減無しベンケイも、オンナノコ相手じゃカラキシだ。
メールは無視されるのがわかってて、ジムの終わりに合わせて電話してくるような手合いなんて相手にしなきゃいい。律儀に出たりするから取っ捕まっちまう。
今日はいつもの居酒屋の月イチの飲み放題。終わらねぇ電話にイライラしながら時計を睨む。
1777ふわふわの髪に控えめなメイクに華奢なライン、どこにでもいる普通のお嬢さんてヤツ。それが意外にも強く出られて礼だなんだと押しきられて連絡先も居場所さえ突き止められた。イヤ、それ見栄えが良いだけの新手のストーカーだろうが。
野郎相手は手加減無しベンケイも、オンナノコ相手じゃカラキシだ。
メールは無視されるのがわかってて、ジムの終わりに合わせて電話してくるような手合いなんて相手にしなきゃいい。律儀に出たりするから取っ捕まっちまう。
今日はいつもの居酒屋の月イチの飲み放題。終わらねぇ電話にイライラしながら時計を睨む。
nanase_n2
DOODLE真ワカ「ファーストキッス・シンドローム(1)」の続きです。https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17652520
※真ちゃんバツイチアラサー設定です
続)ファーストキッス・シンドローム※前作「ファーストキッス・シンドローム」の続きです。
若狭は真一郎と恋人として付き合うようになって以来、二人で出かける行為をデートと呼ぶようになった。
何事も形から入った方がいいだろうし、友達としての付き合いが長かったから切り替えも大事だ。
それもほとんどは若狭自身の言い訳で、何となくそう呼ぶ方が素敵な気分になるからだ。
デートと言っても、仕事終わりに一緒にバイクで走りに行くとかその程度のことだ。
まだ人前でいちゃつけるのほどの度胸は若狭にはない。
それでも、二人きりで海沿いを走るのはとてもいい気分だった。
初代黒龍時代に、チームのみんなで真一郎の背中を見て走った。当時はみんなの真一郎だった。
それを今、独り占めできるのだと思うと、若狭の胸は高鳴る。
1784若狭は真一郎と恋人として付き合うようになって以来、二人で出かける行為をデートと呼ぶようになった。
何事も形から入った方がいいだろうし、友達としての付き合いが長かったから切り替えも大事だ。
それもほとんどは若狭自身の言い訳で、何となくそう呼ぶ方が素敵な気分になるからだ。
デートと言っても、仕事終わりに一緒にバイクで走りに行くとかその程度のことだ。
まだ人前でいちゃつけるのほどの度胸は若狭にはない。
それでも、二人きりで海沿いを走るのはとてもいい気分だった。
初代黒龍時代に、チームのみんなで真一郎の背中を見て走った。当時はみんなの真一郎だった。
それを今、独り占めできるのだと思うと、若狭の胸は高鳴る。