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    fukuske5050

    たまに文章書きます
    その時その時でだーーーーって書きたい部分だけ書いているので突然始まって、突然終わります…
    ▪️書いてるもの
    ・どらまいどら(のつもり)

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    POIPOI 27

    fukuske5050

    MOURNING本誌済み
    真とワカとマ
    ※マは本誌の病状です さすったりしてます こういうことをしてよいのか悪いのか、調べていません
     顔色が悪いのは真一郎の方だ。僅かに自由になる時間さえも、病室でひとり横たわり、管に繋がれたまま意識のない弟の傍らから離れない。ただ生き永らえているだけのそれから離れない。医療も奇跡もまやかしも、真の最愛にできることはそれだけしかないからだ。
     万次郎のため。そのために真一郎の生活は費やされ自分のための時間は皆無に等しい。食べることも、眠ることも惜しいのだ。怖いのだ。少しでも目を離した隙に呼吸を漏らした隙に、必死に抱えた腕の中からサラサラと流れ落ち、万次郎が失われていく。
     蝕まれているのは真一郎の方だ。若狭にはそう思えてならなかった。

     職務の休憩時間に万次郎を見舞う真一郎に合わせて万次郎の病室を訪れる。それは万次郎のためではない。真一郎のためだ。若狭にできるのはその程度でしかない。訪れた若狭の呼び掛けに答えた真の声は枯れて夜明けのカラスのようだった。ギャアと鳴いてみせるのは威嚇なのか懇願なのかはわからない。せめて水を、そう思って席を外し、帰ってきた病室で見たものは。
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    fukuske5050

    MAIKING着地点を失ったムサン…😖あきらめたから途中からメモだよ🎵
     扉を開けると正面には板張りの台所。隅に寄せた古い冷蔵庫の中には缶ビールと水とヨーグルト。ヨーグルトは昨日買ったばかりの3連パック。ひとつずつ分けて残ったひとつは半分個にしようと言ったばかりなのに。そんなことは忘れ去られ言葉少なく押し黙ったまま水の一滴も通らず渇いている。
     縦長の間取りの狭いこの部屋の隅から隅まで隊長の匂いがして居心地が良くて。居着いたオレに一言二言咎めたのは最初の内だけで、今じゃオレの着替えもドライヤーまで定位置と決めた場所で当たり前の顔をしているのに。今日に限って家主の心持ちに従うように急に居心地の悪さが這い上がる。
     ぞんざいに手渡されたのは茜色の特攻服。オマエの分だ。隊長はそう短く告げてベランダの外へと視線を向ける。どうせ外に興味があるわけじゃない。オレの顔色を確かめる気もないってことだ。オレが隊長に従わないなんてこと、きっと考えてもいないんだろう。それとも興味すらないのかもしれない。隊長にとって、オレは外の曇り空と同じぐらい興味がない。隊長の頭の中なんて、どうせ1から10まで「イザナ」のことばっかりだ。
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    fukuske5050

    REHABILIエマちゃんとマがいちごを煮てるだけ
    途中からなにを書いているのか…🤔自分でできない料理ネタはもう二度と手を出さないと決めました…

    ちょこっとドラマイドラ
    いちご リズミカルな鼻歌が台所から聞こえてくる。最近エマがよく聞いている曲だ。歌詞のここが好きだとか声がいいだとか。それは何度も何度も聞かされた。気にいった同じ部分を繰り返し耳にしているうちにいつの間にか覚えてしまっていたけれど、万次郎が知っているのはエマによって切り取られたその部分だけ。そういえばそれが誰のなんという曲なのかさえ知らないことに気がついた。
     鼻をくすぐる甘い匂いに誘われて万次郎は台所を覗き込む。流し台に立つエマの後ろ姿は変わらず同じフレーズを繰り返す。リズムに合わせて手慣れた手つきで調理するエマは様子を伺う万次郎に気づかない。
     食卓には大ぶりなボウルを真ん中に幾つか皿が置かれている。1番大きいものには砂糖をまぶした大量の苺。万次郎も昨晩ヘタを取るのを手伝わされた。潰さないで、傷つけないで、とうるさく言われながら手伝って、ぽいと口にほおりこんだたったひとつにこっぴどく叱られた。水にさらしただけの苺をサクリと噛めば口の中は初夏の味がする。
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    fukuske5050

    MOURNINGド誕のつもりで書き始めだけれども…😭下書き状態でだいぶ意味不明ですが…いろいろ無理だった⤵️⤵️
    ドがひとつ年を取るのはマが身を削って頑張った証、と思って書きました
     やっと軌道に乗ったバイク屋の灯りが消えるのがは遅いのは毎晩のこと。営業時間を終えると共に店を営む相棒が先に店を出る。アイツは店にひとり残りデスクに向かい、辺りが暗くなった頃にやっとシャッターに鍵をかけて帰路へと向かう。
     跨るのは丁寧なメンテナンスを繰り返した昔と変わらない愛機。同じ商店街で挨拶ついでに総菜を買うか、遅くまで開いているスーパーで買い物をして帰るのが日課。渋谷の繁華街にある実家を出て、安アパートにひとり移り住んでからは一層堅実に生きている。
     けれどその日だけは閉店作業を終えると早々に店を出る。少しばかり遠回りをして、昔なじみの店で懐かしい味の甘味を2つ。時代に合わせるように改装した小洒落た店構えと女性向のメニュー。いかついツナギ姿の男がひとり、不釣り合いな店に入れば一斉に注目を浴びて少しばかり肩身が狭い。遠慮がちに店員に声をかけると、店員は古参なのか訳知り顔で表情を崩すと店の奥に声をかける。かけられた声にぱたぱたと小走りに姿を現したのは母親のような年代の店の主だ。にこやかに目じりの皺を緩ませて、小さな茶色の包みをアイツに手渡した。
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    fukuske5050

    MAIKINGマサウェイさんが好きで書きました☺️
    生まれ変わる度にマサウェイさんのとこにやってくるド…謎だらけ…ドマ/マド
    バイク屋ドと関マとマサウェイ
     昔から誰とも長く続いた試しがなかった。好きだと言われたから付き合った。せがまれたからキスをした。愛していると言われて頷いた。泣かれたこともあった。思い切り頬をたたかれたこともあった。気が付くと罵られて呆れられて離れていって、いつのまにかひとりになった。けれどひっかき傷にもならない程度のことだった。
     それは終電を逃した夜。酔った頭が重たくて胃が重くて手足も重石のようにずしんと重い。なにもかもが重たくて立ち上がれない。もういいか、なにをあきらめたのかわからずに、シャッターの下りた店先に腰を下ろして蹲っていたところをふたまわりも年上の女に声をかけられた。
     大きく開いた首元に浮き上がる鎖骨の山がきれいだと思った。色素の抜けたきんいろの髪が皺のよった長い首にまとわりついて鉄条網を思わせる。守ってあげると鋭いカミソリを張り巡らせて逃げようとすれば電流を流して感電させる。いちどでも味わったら脳に髄に痛みと恐怖が刻まれて逃げられない。あの突き抜けるような痛みと恍惚が五感を縛る。
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    fukuske5050

    MOURNINGワンライに参加したくて書いていたものです…
    243話の感想みたいなつもりで書きました 
    本誌更新前にUPが目標だったのでいろいろ荒目です
    ドラマイ/マイドラ
    お題「早朝」
    あさ  見上げた夜はもう自分の知るそれとは異なって見えた。見知ったはずの風景も、ほんの少し足が遠のいた間にここはもうお前の街ではないのだと様変わりする。確かにもうこの街には用はない。アイツがこの街から消えたと同時にこの場所の意味は、もう消え去った。

     深夜であればこの街の空には上へ上へと向かう細長いビルが蛍光色のネオンを競う。赤、ピンク、橙、青、緑、紫、白。並ぶネオンの中でひとつだけ、なんどもなんども足を運び、過ごした日々が頭の隅でもやりと霞む。追いやるように目を細めれば、最後の抵抗なのだと瞼のなかまで残像が追いかけてくる。

     空が暗夜から薄あかりへと変わり始めるころにはあれほどに競いあったネオンもひとつふたつと灯りを消して、あたりは飾り気のない姿を現していく。ひとの気配が薄れるこの時間になると男の店も賑やかさが一掃されて静かなものだ。そのタイミングに合わせて男は決まってビルの裏階段から外に出る。目覚まし代わりの一服と朝食代わりの缶コーヒーを買うためだ。咥えタバコで非常階段にもたれるその姿に、その習慣は相変わらずなのだと、男が今も変わらず暮らしているのだと、思う。男が変わらずにいることに、消えることのないアイツのくぐもりが和らげばいい。
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