降る日ふわりと、花びらが目の現れる。ひらりひらりと揺らいではゆっくりと降下して、既に床一面に広がっていた花の上に優しく落ちる。もう一度顔を上げると、今度は花びらだけじゃなく、色鮮やかな花がたくさん降ってきた。真一郎は花に囲まれた場所で微笑んだ。
「すげーな、今日は。こんなのは年に1回くらいしか……あ」
そういえば、と手を叩く。たぶん、今日は俺の誕生日。だからか。
真一郎は1人納得した。そう考える間にも、雲ひとつない真っ青な空から降り注ぐ花は耐えない。この幻想的な景色は何度見ても感動モノだった。見る度に「おお……」と声が漏れる、手を差し出せば、またそこにゆっくりと花びらが乗っかった。
「んー。……これはエマと万次郎!」
3809