huxaora
MOURNING終着点 (スレライ)風が、色とりどりの花々が咲き乱れる草原を優しく通り抜けて行く。
自分の手をみればその手は若き頃のモノで、老いた体ではないという事はつまりそういう事で、体から不思議と力が抜けた気がした。
今思えば長い、気の遠くなる様な旅路だった。
意思を引き継ぎ、旅に旅を重ね、そして次の世代に全てを託してきた。
旅の終着点は初めから決まっていたのかもしれない。
真っ直ぐと、草原の先を見据えればそこには懐かしくも愛おしい後ろ姿。ずっと秘めてきた思い。もう、遮る必要などなかった。
「ライラ」
その名を呼べばゆっくりとこちらに振り向く。
あの時と同じ柔らかで照れたような表情で微笑み返してくる。
「遅かったわねスレイ。もちろんお土産話、たくさんもってきたんでしょうね?」
510自分の手をみればその手は若き頃のモノで、老いた体ではないという事はつまりそういう事で、体から不思議と力が抜けた気がした。
今思えば長い、気の遠くなる様な旅路だった。
意思を引き継ぎ、旅に旅を重ね、そして次の世代に全てを託してきた。
旅の終着点は初めから決まっていたのかもしれない。
真っ直ぐと、草原の先を見据えればそこには懐かしくも愛おしい後ろ姿。ずっと秘めてきた思い。もう、遮る必要などなかった。
「ライラ」
その名を呼べばゆっくりとこちらに振り向く。
あの時と同じ柔らかで照れたような表情で微笑み返してくる。
「遅かったわねスレイ。もちろんお土産話、たくさんもってきたんでしょうね?」
huxaora
MOURNING思い (スレイ→ライラ)思い
人は何と儚く散りゆくものなのか。
真新しい墓を目に映し思う。
流れ星の様に消え去ったキミよ。
思いも言葉も全て届けることは叶わずキミは旅立った。
側にあった岩に腰掛ければ、失った心が強く、強く痛みを発して苛まれた。
「あぁ……」
乾いた頬を何かが滑り落ちていく。
使命を優先させるために、心に秘めたこの思い。
溢れて手のひらからこぼれ落ちる砂の様にサラサラと。
止める事はなど出来なくて。
ただ静かに、流れ落ち着く。
音の消え失せたこの場所に夜の帷が落ちる。
わずかばかりに差し込む星の光だけが。
冷え切ったその背に寄り添う淡い幻影を見つめていた。
303人は何と儚く散りゆくものなのか。
真新しい墓を目に映し思う。
流れ星の様に消え去ったキミよ。
思いも言葉も全て届けることは叶わずキミは旅立った。
側にあった岩に腰掛ければ、失った心が強く、強く痛みを発して苛まれた。
「あぁ……」
乾いた頬を何かが滑り落ちていく。
使命を優先させるために、心に秘めたこの思い。
溢れて手のひらからこぼれ落ちる砂の様にサラサラと。
止める事はなど出来なくて。
ただ静かに、流れ落ち着く。
音の消え失せたこの場所に夜の帷が落ちる。
わずかばかりに差し込む星の光だけが。
冷え切ったその背に寄り添う淡い幻影を見つめていた。
tall_zelkova
DONEずっと頭の中にあったものをテキスト化してみた。けどTwitterに載せるのが気恥しいのでここにUpしてみる。千年紀の終りに 前日譚ガルフを見送った日は、どこまでもどこまでも青い空が広がる、晴れた日だった。
「オレが死んだからって、湿っぽいのはナシだぜ!」
生前にガルフが言っていたのを思いだす。
泣いたらもうとまらない気がして、余計な事を考えないように、思い出さないように、ギルドで依頼を次々に受けて、アイードの家にはしばらく帰ってなかった。
「あ、ライラさん、良かったー!ハンターライセンスの更新が明日までなんですけどー!」
何回目かの依頼を終えて、ギルドに戻った時に受付嬢がそう伝えてきた。更新に必要な書類は自宅だ。もちろん事前に聞いてはいたが、その頃には大丈夫になってるだろう、なっていて欲しい、と一縷の望みを託していた。…が、大丈夫ではなさそうだ…。
761「オレが死んだからって、湿っぽいのはナシだぜ!」
生前にガルフが言っていたのを思いだす。
泣いたらもうとまらない気がして、余計な事を考えないように、思い出さないように、ギルドで依頼を次々に受けて、アイードの家にはしばらく帰ってなかった。
「あ、ライラさん、良かったー!ハンターライセンスの更新が明日までなんですけどー!」
何回目かの依頼を終えて、ギルドに戻った時に受付嬢がそう伝えてきた。更新に必要な書類は自宅だ。もちろん事前に聞いてはいたが、その頃には大丈夫になってるだろう、なっていて欲しい、と一縷の望みを託していた。…が、大丈夫ではなさそうだ…。