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    zyukuseityu_01

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    #千年紀の終りに
    atTheEndOfTheMillennium

    終着点 (スレライ)風が、色とりどりの花々が咲き乱れる草原を優しく通り抜けて行く。
    自分の手をみればその手は若き頃のモノで、老いた体ではないという事はつまりそういう事で、体から不思議と力が抜けた気がした。
    今思えば長い、気の遠くなる様な旅路だった。
    意思を引き継ぎ、旅に旅を重ね、そして次の世代に全てを託してきた。

     旅の終着点は初めから決まっていたのかもしれない。

    真っ直ぐと、草原の先を見据えればそこには懐かしくも愛おしい後ろ姿。ずっと秘めてきた思い。もう、遮る必要などなかった。
     
              「ライラ」
     
    その名を呼べばゆっくりとこちらに振り向く。
    あの時と同じ柔らかで照れたような表情で微笑み返してくる。

    「遅かったわねスレイ。もちろんお土産話、たくさんもってきたんでしょうね?」

    乾いた心に水を与える様に、その声が、ずっと求めていた陽だまりのような声が届けばもう止まらない。走り、その体を強く、強く抱きしめる。

    「会いたかった」

    柄にないが心から溢れた本心。
    回された腕の暖かさ。もはや言葉はいらなかった。
     
    寄り添う二つの光は  交わり溶け合い
     やがて一対の蝶となって 風の中に消え去っていった。
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