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    東間の保管庫

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    東間の保管庫

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    聖闘士星矢LCのテンマとレグルスが、可愛いなーっていう妄想が暴走しました…。

    #聖闘士星矢LC
    saintSeiyaLc
    #レグルス
    #テンマ
    tenma
    #レグテン
    leghten

    vo-no獅子宮から人馬宮に行くには3つの宮を通過しなくてはならない。シジフォスに用があって石の階段を登っていく途中の天秤宮で足をとめた。いつも賑やかな童虎の声に混じり子供の声がする。ここは聖域の奥なのだから子供の声などするはずかないと不思議に思った。
    聖闘士候補生だろうか。
    少し前までの自分のいた立場を考えて、それを否定する。とてもではないが候補生がこんな奥まで来るはずがない。いや、来られるはずもない
    「童虎?」
    ちょっと通らせてもらうぞ、と声をかけてレグルスは中に入る。話し声はするのに返事がないの、どうしようかと考えているとひょこりと出てきた顔に声をあげそうになった。
    「わぁっ!」
    レグルスが声を上げるより先に、向こうが声を上げる。
    「ビックリした」
    「…お前誰だ」
    自分と同じ年ほどの少年を珍しそうに見ると、向こうもそうなのだろうか、少し腰を屈めてレグルスを見る。
    その仕草は本当に子供のようでレグルスは首を傾げた。本当に誰なのだろうか、と。
    「なんじゃ、レグルスではないか」
    「いるんなら返事ぐらいしてくれよ。シジフォスに用があるから通りたいんだ」
    「構わんさ。好きに通ってくれ。っと、お主はダメじゃ。これ、テンマ!」
    レグルスの横をすり抜けようとした少年を童虎は襟首を掴んで持ち上げた。
    「苦しい!」
    「やかましいわ。まったく。怪我ばかりしおって!修行がたらん」
    「これ、ぜーんぶ童虎のせいなんだけど」
    持ち上げられたまま腕のあざを見せる。そうか、そうか、と豪快に笑った童虎にテンマと呼ばれた少年は溜息をついた。
    「いつか負かすからな!」
    「おお。楽しみにしておるわ」
    からから笑う童虎にレグルスは開いた口を閉じることができなかった。黄金聖闘士と小生意気な子供の組み合わせが不思議でならない。
    「そうじゃ、そうじゃ。レグルス、こ奴はわしの弟分のテンマじゃ。お主と年も近かろう?」
    「テンマ?」
    聞き慣れない響きの音にテンマを覗きこむと、テンマも同じように覗きこんできた。
    「レグルス?」
    「そうじゃ。最近獅子座の黄金聖闘士になったばかりじゃから、お主は面識がないだろうよ」
    「よろしく。レグルスだ」
    「俺はテンマ。お前、凄いな。俺と同じ年ぐらいなのに黄金聖闘士なんて。俺も負けてらんねぇ!」
    にかっと笑ったテンマにレグルスは目を丸くする。
    同世代の候補生とは全く違う反応に、興味を覚えた。向けられるのは嫉妬と羨望ばかりだったから、テンマのような反応は嬉しくてたまらない。
    「そうじゃ。レグルス、昼飯は食ったか?」
    「いや、まだだ」
    「なら食ってけ。わしらも今から飯じゃ」
    「おい、童虎。勝手に言うなよ!俺が作るんだろうが!」
    「負けた方が昼飯を作る約束じゃ。ほれ、さっさと作らんか」
    ひょいとテンマを台所に押しやって童虎は笑う。
    シジフォスに用はあったが急ぐものでもないので、童虎の言葉に甘えて昼を一緒にすることにした。
    日当たりのいい場所に敷物を敷いて、くだらない話をしていると台所からテンマの声がする。さすがに三人分も料理が乗った皿を持ってくるのはできないらしく、童虎が苦笑しながら腰を上げた。
    「俺も」
    「客は座っとれ」
    「そうか?」
    童虎に言われて浮かしかけた腰をまた戻すと、目の前にドドンと大皿が置かれた。大盛りのパスタと籠に入ったパンが置かれる。
    「テンマ、野菜がないじゃろう」
    「童虎の台所にないものをどうやって料理しろって言うんだよ!」
    レグルスに皿と水を渡してテンマが怒鳴る。童虎とテンマのやり取りを見ながらレグルスは皿からパスタを取り分けてパクリと口に放り込む。
    「あ、美味い」
    「ほんとか?」
    「ああ」
    パクパクと食べていくレグルスにテンマは満足そうに笑い、自分も食べ始める。
    「お主ら、わしの分まで食う気かっ!」
    童虎も大人げなく参加すると、大皿の上のパスタはあっという間になくなった。満足して「ごちそうさま」と言うと、テンマが嬉しそうに笑う。
    「腹いっぱいになったか?」
    褐色の目を細めて笑う姿が可愛くて、キューと胸が締め付けられた。肯いて答えるとさらに笑みが大きくなる。
    「よかった」
    目を閉じて笑うテンマに、ぼっと顔が赤くなった。
    「テンマ」
    「なんだ?」
    「結婚して」
    「…は?」
    「お前、可愛い!なぁ、幸せにするから」
    至近距離にあったテンマの頬にキスをすると、童虎の小宇宙が爆発した。
    そんなことはお構いなしに、驚いて声も出ないテンマの手をぎゅっと握る。
    「な、俺と結婚しよ?」
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