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    しおん

    🪄(ブラネロ|因縁|東と北)

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    しおん

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    漫才師パロ(冒頭のみ)|絶対にネ以外と組みたくなくて相方の帰りを待つブと、猫好きの友人とゲーム実況してみたらなんかなんか出てきて困ってるネの話。因縁は同期。

    ※2024/01/07インテ無配です。

    #ブラネロ
    branello

    再再再解散 日頃の猫背が嘘のように姿勢がよく、やけに真面目な面で切り出すものだから、なるほど次はそのネタでいくのかと思った。惜しくも優勝を逃したグランプリ決勝戦を引き摺っていない。次の目標、新人コンテストに向けてすでに思考を切り替えているようだ。
     いいんじゃねえかと頷くと、相方は目を見開いた。なんだその反応。自分から言い出した癖に「いいのか?」「本当だな?」と念を押してくるので眉を寄せる。
    「だから、いいって言ってんだろ」
    「……本当に、本当だな?」疑り深い眼差しで見据えてくるのだった。「後からひっくり返すなよ」
    「ンだよ、しつけえなあ。何回も確かめんじゃねえよ」
    「だって……あんた、これまでずっと『解散はしねえ』の一点張りだったろ」
     今回は本気で殴り合うつもりだったから、と相方の男、ネロは脱力したように息を吐いた。纏っていた固く張り詰めた空気がたちまちほどけていく。
     凪いだ面持ちで微笑まれた瞬間、ブラッドリーは自分たちの会話が噛み合っていなかったことに気づいた。すっかり寛ぎ始めたネロとは逆に、ブラッドリーの機嫌は急降下していた。清々しい表情の相方を信じられない思いで見つめる。
     妙に嫌な予感がした。ネロが癇癪を起こすのはいまに始まったことではない。これまで通り宥めすかして、丸め込めばいいだけのこと。そう思うのに、てのひらに汗が滲んだ。
    「てめえ……何遍、同じこと言わせりゃ気が済むんだ。解散は絶対にしねえからな」
    「はあ?」ネロは瞬く間に剣呑な顔つきになった。「さっき、あんたも了承したじゃねえか。ふざけんなよ」
    「コンテスト用の新しいネタだと思ったからに決まってるだろうが。本気の解散話だってわかってたら頷かねえよ。何回もやったろ、このやりとり」
     強引に言うことを聞かせようとすると余計に頑なになるやつだ。上から押さえつけるより、甘えられるのに弱い。ブラッドリーはネロを片腕で抱き寄せ、猫撫で声を出す。
    「なあ、冗談でも言うなよ。寂しくなるだろ」
     切り札の「寂しい」を前にしても、ネロは今度ばかりは少しも揺らがなかった。それどころか殺気立った目で睨みつけてくる。
    「俺は冗談で解散を切り出したりしねえよ」
     ブラッドリーの腕を振り払って立ち上がると、「これまでもずっと本気で言ってた」とネロは絞り出すように言った。
    「ネロ、待てって」
    「あんたって、肝心な話は全然聞いてくれないよな」
     マネージャーにも軽く話してるから後はよろしく、と一方的に告げ、ネロは出て行った。二人で住んでいたアパートの部屋から。

     結果的に直感は正しかった。ネロは未だに帰ってこない。電話には出ないが、メッセージは内容次第では返信が来る。他愛のない話題なら返ってくるものの、ブラッドリーが本当に知りたいことには一切応じないので、どこで何をしているのかはわからない。
     仕方がないので一人でこなせる仕事だけ受けた。相方に関しては体調不良と濁し、モデル業や俳優業など、本業からは離れたものばかりを淡々とこなす。いつでもあいつが帰ってこれるように、芸能界で居場所を失うわけにはいかない。
     同期の家に身を寄せている可能性を考えた。あいつは気が利くし料理が上手いから、「いつまでもいてくれていいから」と喜んで迎え入れられているのは容易く想像がつく。
     しかし、ネロが頼るとしたらこの辺りか、と見当をつけた連中はみな首を横に振った。世間的には「一時的に活動休止」ということになっているので、事情を知ったやつらはそれぞれ驚いたり、呆れたりしている。
    「そんなことになってたんだな」カインはよほど信じ難いのか、腕を組んで唸っている。「あんたたち、仲がいいイメージしかないからなあ。喧嘩の弾みで、つい『解散』って言葉が口から出ただけじゃないか?」
    「馬鹿じゃないの」
     カインの見解に同意する前に、オーエンがばっさり切り捨てた。
    「ネロはもうだいぶ限界だっただろ。おまえがあいつのしんどいって気持ちに向き合わなかったからこうなってる。自業自得だよ」
     突きつけられたスマートフォンからは目を逸らした。底意地の悪いこの男のことだ。どうせどこかの三流雑誌が、ブラッドリーたちのことを騒ぎ立てている記事でも見せるつもりだろう。
    『え、あれ、先生……? これさ、また戻ってない?』
    『本当だ……今度は何を見落としたんだろう』
     唐突に聞こえた馴染みのある声に顔を上げた。オーエンのスマートフォンを食い入るように見つめる。この手の動画に疎いブラッドリーが首を傾げていると、カインが「ああ」と思い出したような声をあげた。
    「そういえばネロ、たまに友達とゲーム実況してたな。これはちょっと前に流行ったやつだ」
    「は?」
     オーエンのスマートフォンを操作し、「このシリーズが俺は特に好きだな」とカインは呑気に勧めてくる。が、思考が全く追いつかない。
    「最近は人気が出てきたから、芸人辞めて本格的に実況者になるんじゃないかって噂されてるけど。こいつ」
     まあ、ネロもファウストも有名になりたかったわけじゃないから、いまの状況、ちょっと困ってるみたいだけど。至極どうでもよさそうにオーエンは付け足した。
    「は……」ブラッドリーは一瞬、くらりと眩暈がした。「はあ?」
     人の気も知らずに、何やってんだてめえは。自分にも何か悪いところがあったのかもしれないと、これでも多少は過去の言動を省みていたのだ。それなのにあの野郎。ブラッドリーは舌打ちする。もう少し待ってやるつもりでいたが、やめた。今すぐ絶対に引き摺り戻す。
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    44_mhyk

    SPOILERイベスト読了!ブラネロ妄想込み感想!最高でした。スカーフのエピソードからの今回の…クロエの大きな一歩、そしてクロエを見守り、そっと支えるラスティカの気配。優しくて繊細なヒースと、元気で前向きなルチルがクロエに寄り添うような、素敵なお話でした。

    そして何より、特筆したいのはリケの腕を振り解けないボスですよね…なんだかんだ言いつつ、ちっちゃいの、に甘いボスとても好きです。
    リケが、お勤めを最後まで果たさせるために、なのかもしれませんがブラと最後まで一緒にいたみたいなのがとてもニコニコしました。
    「帰ったらネロにもチョコをあげるんです!」と目をキラキラさせて言っているリケを眩しそうにみて、無造作に頭を撫でて「そうかよ」ってほんの少し柔らかい微笑みを浮かべるブラ。
    そんな表情をみて少し考えてから、きらきら真っ直ぐな目でリケが「ブラッドリーも一緒に渡しましょう!」て言うよね…どきっとしつつ、なんで俺様が、っていうブラに「きっとネロも喜びます。日頃たくさんおいしいものを作ってもらっているのだから、お祭りの夜くらい感謝を伝えてもいいでしょう?」って正論を突きつけるリケいませんか?
    ボス、リケの言葉に背中を押されて、深夜、ネロの部屋に 523

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    44_mhyk

    MEMOネの裏切りと、フィが彼に与えた『制裁』と魔法舎に来てからの『赦し』それによる苦しみについて(妄想走り書き、ブラネロ仕様)「ありがとう、君の手引きのおかげでようやく彼をとらえられそうだよ」
     フィガロがうっそりと笑う。柔和な微笑みの、目の奥が笑っていない。無表情でにらみつけられるよりよほど怖い。
     ネロは震えた。震えは、眼前の男への恐怖でもあり、また、己のしでかしたことへの恐怖でもあった。
     限界だった、もう死の気配に震えながら彼を見つめるのは。
     それから逃げることを許されないのは。
     だから手を取った。簡単な話だ。もう限界を超えていたネロの意識は、彼が……ブラッドリーが、生きてさえいればいい、という極論をはじき出した。
     たとえそれが彼の生きがいと言ってもいい、自由と暴力を奪おうとも。
     ただ、生きてさえいてくれればと。
     それは、ただの自己満足で、自己防衛だった。そのことに、ここまできてしまってから気が付いてしまった。
     ああ、もう、だめだ。
     これで楽になれる、自由になれるとかろうじて割れずに保たれていた何かが、パキンと音をたてた。
    「何か、お礼がしたいなあ。何か希望はない?」
    「希望……、ははっ! 罠にかけなきゃあいつ一人捕らえられないようなあんたに、何を望むって?」
     怖い。
     唇がカタカタと 1668