21歳、彼らの憂鬱「や、トゥニャ」
「……………テメェ、何の用だよ、野望野郎」
ヌビア学研究所、その蔵書室の一角のソファ。
意気揚々と、トゥニャ愛用のその隣に腰掛けたのは、ハトラだった。
「何の用、なんて酷いな〜。貴重な同い年の友達だよ〜?もうちょっと愛想よくして欲しーもんだね」
「いつからテメェがオレの友達になった」
「あは〜。ヌビアの子として生まれた時、じゃない?」
「殴るぞ」
トゥニャは不快感を隠しもせず、尖った歯を見せた。ハトラの方はと言うと、ビビットピンクの眼を爛々と輝かせ、ケラケラ笑っている。
「は〜、いいね、トゥニャ。キミはからかい甲斐がある」
「ざけんなよ、テメェ」
トゥニャがいよいよ拳を固くした、その瞬間、彼の体は硬直したように止まった。トゥニャは一瞬驚いたように唇を開いたあと、チッ、と舌打ちをする。
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