jyu_mur
MEMOオーカイが喋ってるだけ。「ねぇ、騎士様はこっちでいいの?」
「こっち?」
「される側」
「…」
「…」
「あー」
「男として、とかないの?」
「ない訳じゃない」
「ふぅん。じゃあなんでいつもされてるの?」
「…それをお前が聞くのか」
「…」
「うーん、なんでって聞かれると難しいな」
「…我慢してるの」
「してないしてない!そうだな…俺は」
「…」
「俺はほら、前にも言ったろ?お前の事が知りたいって」
「…忘れた」
「えぇ…ま、いいさ。俺はお前のことが知りたいんだ」
「そんなの知ってどうするの」
「知って、応えたい」
「…」
「俺でできる事なら、応えたいと思ってる」
「なにそれ言いなりって事?オマエの意思はないわけ?」
「言いなりじゃないぞ。俺はそうしたいからそうしてる」
520「こっち?」
「される側」
「…」
「…」
「あー」
「男として、とかないの?」
「ない訳じゃない」
「ふぅん。じゃあなんでいつもされてるの?」
「…それをお前が聞くのか」
「…」
「うーん、なんでって聞かれると難しいな」
「…我慢してるの」
「してないしてない!そうだな…俺は」
「…」
「俺はほら、前にも言ったろ?お前の事が知りたいって」
「…忘れた」
「えぇ…ま、いいさ。俺はお前のことが知りたいんだ」
「そんなの知ってどうするの」
「知って、応えたい」
「…」
「俺でできる事なら、応えたいと思ってる」
「なにそれ言いなりって事?オマエの意思はないわけ?」
「言いなりじゃないぞ。俺はそうしたいからそうしてる」
kawatany_san
PROGRESSオーカイ R18小説導入部分。尻叩きのためにあげるので、反応頂けると励みになりますー!
「熱砂のオアシスに勇者の歌を」のセトの楽園が舞台です。ネタバレは無いはずですが、気になる方は回避してください。
8/6オーカイ オンラインイベント原稿火照った肌が少しづつ冷やされていく感覚にほっと息を漏らす。
任務で赴いた砂の街の太陽に容赦なく肌を焼かれ続け、湖から宿に辿り着いた頃には触れると熱を持っているのが分かる程になっていた。
やや赤くなった肌に気付いたラスティカが魔法をかけてくれようとしたものの、今更のように持て余す。時間が経てば落ち着くだろうと断ったそれは、そろそろ寝ようかと思ったカインを中々寝付かせてくれなかった。
素直に仲間の厚意を受け取っておけばよかったと後悔したところですでに遅く、他の仲間たちもすでに部屋に戻ってしまっている。声をかけるには遅い時間に、カインが考えた対処法は至ってシンプルだった。
一人部屋のとれた今回は、更に運のよいことに小さな浴室が備え付けられていた。聞けば砂漠を越えてきた旅人にとって、何よりの労いは冷えた果実水と、水浴びだから、というこの街ならではの気遣いなのだという。
2339任務で赴いた砂の街の太陽に容赦なく肌を焼かれ続け、湖から宿に辿り着いた頃には触れると熱を持っているのが分かる程になっていた。
やや赤くなった肌に気付いたラスティカが魔法をかけてくれようとしたものの、今更のように持て余す。時間が経てば落ち着くだろうと断ったそれは、そろそろ寝ようかと思ったカインを中々寝付かせてくれなかった。
素直に仲間の厚意を受け取っておけばよかったと後悔したところですでに遅く、他の仲間たちもすでに部屋に戻ってしまっている。声をかけるには遅い時間に、カインが考えた対処法は至ってシンプルだった。
一人部屋のとれた今回は、更に運のよいことに小さな浴室が備え付けられていた。聞けば砂漠を越えてきた旅人にとって、何よりの労いは冷えた果実水と、水浴びだから、というこの街ならではの気遣いなのだという。
*舞彩*
DONEオーカイWebオンリおめでとうございます!綺麗な教会があるため結婚事業で盛り上がっているとある中央の街から、結婚式の最中に教会の中で雨が降る異変があるのだと依頼が来る。異変解決のため、カインが新郎姿で結婚式をとり行うことになり――。
花森衣装をもう一回着て欲しかった話です。
※オーエン魔女化があります
雨のち晴れのち結婚※くっついてない多分これからの二人。
※勝手に作った街がある。
※まほやく世界の結婚式とか、その他にも色々とイベストとか調べようと思ったけど時間がなかったので、記憶と雰囲気で書いてます。間違っていたらすいません。
◯ ◎ ◯ ◎ ◯
「新郎新婦の、入場です」
高らかに上げられた声に、教会入り口の扉が開け放たれる。
現れたのは花をあしらった白いタキシード姿の赤髪の男性と、真っ白な肌に映える純白のドレス姿の女性。
女性の顔はベールに覆われていて、その下を見ることは叶わない。
その二人は同時に足を踏み出し、赤い絨毯の上を歩く。
天井一面を彩るステンドグラスからは色とりどりの光が降り注ぎ、真っ白な衣装というキャンパスの上に、色彩をのせる。
6754※勝手に作った街がある。
※まほやく世界の結婚式とか、その他にも色々とイベストとか調べようと思ったけど時間がなかったので、記憶と雰囲気で書いてます。間違っていたらすいません。
◯ ◎ ◯ ◎ ◯
「新郎新婦の、入場です」
高らかに上げられた声に、教会入り口の扉が開け放たれる。
現れたのは花をあしらった白いタキシード姿の赤髪の男性と、真っ白な肌に映える純白のドレス姿の女性。
女性の顔はベールに覆われていて、その下を見ることは叶わない。
その二人は同時に足を踏み出し、赤い絨毯の上を歩く。
天井一面を彩るステンドグラスからは色とりどりの光が降り注ぎ、真っ白な衣装というキャンパスの上に、色彩をのせる。
jaen_ot
DONEオーカイWebオンリー限定公開~オーエンPart.去年公開した漫画です/修正前
.passは同じ
[カインpart: https://poipiku.com/6130622/8851481.html] 13
jaen_ot
DONEオーカイWebオンリー限定公開.カインPart
[オーエンPart: https://poipiku.com/6130622/8851495.html]
オンリー開催おめでとうございます!!! 7
まどろみ
DONE傷オーカイ 全年齢傷オエ→カなお話です。最後の方にオエが出てきます。時間軸は1周年のあとのどこか。
コンフィズリーに出てきたシュガーのおまじない可愛いなーと思って書き始めたのにあんまり関係ないお話になってしまいました。 3769
こにし
MOURNING『Please give me your passion, instead of the mercy.』2022.5.4発行 オーカイ本の再録です
ふたりが雪山で遭難するお話です オーエンの傷について取り扱います 39
ゆん。
DOODLEフォロワーに書いたオーカイ。オーカイ.
「ああ……どうぞ」
気怠げで淡々とした声が傍でしたかと思うと、手が触れた。途端、相手の姿が現れる。たくさんの指輪が嵌められた手。その手は大きかった。
「おはよう、カイン」
楽しげな声と、微かに消毒液の匂いがした。そのまま温かな手が軽く触れる。現れたのは愛想の良い笑顔と、節くれ立った指。
「……ああ」
素っ気ない挨拶が返ってくる。見えなくても、強大な魔力の流れが分かる気がした。合わさった手は乾いていて、清潔に整えられた爪が見えた。
相手に触れないと見えないカインの一日は、こうして始まる。毎日のことなので皆慣れてしまって、誰も文句は言わない。それは有難くもあり、申し訳なくもあった。
普段、人と話すときに手に注視する者は稀だろう。こうして他の魔法使いたちの手に触れることにより、カインはいつの間にか相手の手を覚えてしまっていた。今のカインなら、手だけで誰か分かる。
2081「ああ……どうぞ」
気怠げで淡々とした声が傍でしたかと思うと、手が触れた。途端、相手の姿が現れる。たくさんの指輪が嵌められた手。その手は大きかった。
「おはよう、カイン」
楽しげな声と、微かに消毒液の匂いがした。そのまま温かな手が軽く触れる。現れたのは愛想の良い笑顔と、節くれ立った指。
「……ああ」
素っ気ない挨拶が返ってくる。見えなくても、強大な魔力の流れが分かる気がした。合わさった手は乾いていて、清潔に整えられた爪が見えた。
相手に触れないと見えないカインの一日は、こうして始まる。毎日のことなので皆慣れてしまって、誰も文句は言わない。それは有難くもあり、申し訳なくもあった。
普段、人と話すときに手に注視する者は稀だろう。こうして他の魔法使いたちの手に触れることにより、カインはいつの間にか相手の手を覚えてしまっていた。今のカインなら、手だけで誰か分かる。
kawatany_san
DONEmhyk オーカイ 現パロ 年下×年上パロの続きオーエン視点で書いてみた
NoNo,No,Yes「だから、別れてないし、別れるつもりも無い」
一体何度目かも分からない問いかけにうんざりとした表情を浮かべながらも、それでもこの男は律儀に答えを寄越す。自分から訊いておいてなんだけど、もっと適当にあしらえばいいのに、と思いながらも胸のどこかでほっとしている自分がいる。
帰宅した後に、スノウとホワイトに小言を言われることを考えるだけでもうんざりとするのに、それでも週末前の夜に懲りずに足を運んでしまう。長かった高校生活が漸く終わりに近づいた頃、偶々出会ったこの男の初対面の印象は最悪だった。
双子に呼ばれて頼まれものを届けにきたところを運悪く酔っ払いに絡まれていた自分を助けようと思ったのか、この男、カインは一芝居をうったのだ。知人のふりをしてその場から離れられれば充分だった。ところがついていない事というのは重なるのだろうか。尚もしつこくつき纏ってくる酔っ払いにいい加減キレて投げ飛ばしてやろうかと思った瞬間、柑橘系の香りが鼻先をついた。
2848一体何度目かも分からない問いかけにうんざりとした表情を浮かべながらも、それでもこの男は律儀に答えを寄越す。自分から訊いておいてなんだけど、もっと適当にあしらえばいいのに、と思いながらも胸のどこかでほっとしている自分がいる。
帰宅した後に、スノウとホワイトに小言を言われることを考えるだけでもうんざりとするのに、それでも週末前の夜に懲りずに足を運んでしまう。長かった高校生活が漸く終わりに近づいた頃、偶々出会ったこの男の初対面の印象は最悪だった。
双子に呼ばれて頼まれものを届けにきたところを運悪く酔っ払いに絡まれていた自分を助けようと思ったのか、この男、カインは一芝居をうったのだ。知人のふりをしてその場から離れられれば充分だった。ところがついていない事というのは重なるのだろうか。尚もしつこくつき纏ってくる酔っ払いにいい加減キレて投げ飛ばしてやろうかと思った瞬間、柑橘系の香りが鼻先をついた。
kawatany_san
DONEmhyk オーカイ 現パロ 年下×年上の年齢逆転雰囲気SS
No,No,No,…Yes!「ねぇ、もう別れた?」
まるで世間話でも始めるような軽い調子の声が聞こえて、カインはそっと溜息を漏らす。
「……別れてないし、別れるつもりも無い」
「なぁんだ。一人だからやっと別れたのかと思って期待したのに」
隣から覗き込んでくる顔には、言葉にするまでもなく、つまらなさそうな表情が浮かんでいた。
薄暗い店内には落ち着いた音楽が流れていて、漏れ聞こえる客同志の会話が心地良い雰囲気を作り出している。知人の紹介で知ったこの店に足を運ぶうちに、店主とも仲良くなり、一人で飲みたい時にふらりと立ち寄れる場所になっていた。
「俺にだって一人で飲みたい時ぐらいある」
「ふぅん」
「それよりお前、また勝手に入ってきて、大丈夫なのか?」
3805まるで世間話でも始めるような軽い調子の声が聞こえて、カインはそっと溜息を漏らす。
「……別れてないし、別れるつもりも無い」
「なぁんだ。一人だからやっと別れたのかと思って期待したのに」
隣から覗き込んでくる顔には、言葉にするまでもなく、つまらなさそうな表情が浮かんでいた。
薄暗い店内には落ち着いた音楽が流れていて、漏れ聞こえる客同志の会話が心地良い雰囲気を作り出している。知人の紹介で知ったこの店に足を運ぶうちに、店主とも仲良くなり、一人で飲みたい時にふらりと立ち寄れる場所になっていた。
「俺にだって一人で飲みたい時ぐらいある」
「ふぅん」
「それよりお前、また勝手に入ってきて、大丈夫なのか?」
こにし
MOURNING2021.6.27発行 オーカイ本『ささやかなぼくの天国』より 小説『The fallen spoon』のweb再録です再録にあたり多少加筆修正しております
The fallen spoon 降り積もった雪に胸を弾ませることがなくなったのはいつからだろうとカインは考えた。幼い頃はちらちらと粉雪が降っているだけでも大はしゃぎで薄着のまま家を飛び出し、そのたびに母が追いかけてきて上着やマフラーや手袋を着せられたものだった。その頃は積雪による被害や吹雪の恐ろしさを知らなかったのだ。雪を見てそんなことを考えるようになった今、大人になったというよりかは、歳をとったな、という後ろ向きな感情があった。
一面の雪。真っ白な地表は太陽の光を反射して眩しく、黒目の内側でちいさな光がちかちかと明滅している。防寒具を身に着けてはいるものの、唯一外気に晒された顔面は刺すような寒さに痛みを感じるほどだった。雪と枯れ木だけの山道はまだずっと続いてゆくようで、果ては見えない。
6502一面の雪。真っ白な地表は太陽の光を反射して眩しく、黒目の内側でちいさな光がちかちかと明滅している。防寒具を身に着けてはいるものの、唯一外気に晒された顔面は刺すような寒さに痛みを感じるほどだった。雪と枯れ木だけの山道はまだずっと続いてゆくようで、果ては見えない。
こにし
MOURNING2021.6.27発行 オーカイ本『ささやかなぼくの天国』より 小説『夜半のワルツ』のweb再録です再録にあたり多少加筆修正しております
夜半のワルツ 薔薇の匂いがする庭園で嗜むワインは悪くない味わいだった。グラスは空になってしまったけれど、ボトルを一本拝借してきたので、まだまだ夜は長い。
屋敷の方から微かに漏れている三拍子のワルツに合わせてステップを踏む。やわらかい風に木立が揺れ、それすらも奏者となって今宵の晩餐を歓迎した。いたく気分が良い。今なら誰かと踊ってやっても良いだろう。
オーエンがひとつ呪文を唱えると、庭園の薔薇の茎がしゅるしゅると人の形を象り、花弁のドレスが着せられた。そうしてできあがった薔薇の貴婦人を目の前に呼び寄せると、オーエンはその手をとって彼女をエスコートした。二人は脚をもつれさせることなく完璧なワルツを踊ってみせた。庭に住まうリスや小鳥がやってきて、オーエンの肩に乗るものもいれば、ギャラリーに徹するものもいた。ひそやかでつつましい舞踏会だった。
4442屋敷の方から微かに漏れている三拍子のワルツに合わせてステップを踏む。やわらかい風に木立が揺れ、それすらも奏者となって今宵の晩餐を歓迎した。いたく気分が良い。今なら誰かと踊ってやっても良いだろう。
オーエンがひとつ呪文を唱えると、庭園の薔薇の茎がしゅるしゅると人の形を象り、花弁のドレスが着せられた。そうしてできあがった薔薇の貴婦人を目の前に呼び寄せると、オーエンはその手をとって彼女をエスコートした。二人は脚をもつれさせることなく完璧なワルツを踊ってみせた。庭に住まうリスや小鳥がやってきて、オーエンの肩に乗るものもいれば、ギャラリーに徹するものもいた。ひそやかでつつましい舞踏会だった。
こにし
MOURNING2021.6.27発行 オーカイ本『ささやかなぼくの天国』より 小説①『よすが』のweb再録です再録にあたり多少加筆修正しております
よすが 前を歩くオーエンの歩幅になんとか合わせようと大股で歩いても、彼はどんどん先へと進んでゆく。歩調はさほど変わらないのに追いつく気配がなく、私は、彼のいやみな程に長い脚を思った。椅子に座るときにはいつもすらりと組まれていて、以前みずから自慢げに披露するそぶりを見せたことがある。
淡い色をした美しい夢の胞子が濃霧のように漂っている。加護で守られてはいるものの、その光景を見ているだけでも幻想に呑み込まれてしまうような気がして少しくらくらする。ぼんやりと歩いていると突如、隣から顔を覗き込まれ、私はうわっとなさけない声を上げた。
「大丈夫か?」
凛とした声。それは隣を並んで歩くカインから発されたものだった。私があわてて大丈夫ですと言うと彼はそれならよかったと朗らかに笑う。思わずほっとため息を吐きそうになった。カインは妙に他者との距離が近いところがあり、意識しなくとも時折どきりとさせるようなことを仕掛けてくるものだから、心臓に悪い。誰にでも同じように接するので、彼にとってはなんら特別なことではないのだけど、私が元居た世界だとそれはなおさらたちの悪いことだとされていただろう。
5933淡い色をした美しい夢の胞子が濃霧のように漂っている。加護で守られてはいるものの、その光景を見ているだけでも幻想に呑み込まれてしまうような気がして少しくらくらする。ぼんやりと歩いていると突如、隣から顔を覗き込まれ、私はうわっとなさけない声を上げた。
「大丈夫か?」
凛とした声。それは隣を並んで歩くカインから発されたものだった。私があわてて大丈夫ですと言うと彼はそれならよかったと朗らかに笑う。思わずほっとため息を吐きそうになった。カインは妙に他者との距離が近いところがあり、意識しなくとも時折どきりとさせるようなことを仕掛けてくるものだから、心臓に悪い。誰にでも同じように接するので、彼にとってはなんら特別なことではないのだけど、私が元居た世界だとそれはなおさらたちの悪いことだとされていただろう。